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このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
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ちびちびコンビ+1による帝黒視察ツアーはまだまだ続いています。
前回は大和君とのコンビネーションで
棘田さんにQBサックを浴びせたセナ君でしたが……
セナ君の走りを見ても全く揺るがない大和君の姿に
自信の強さを感じる事が出来ます。

次はミーティングルームですが、これはデカいなぁ。
これアメフト専用なら大した物だ。
ミーティングの主役はここでも平良さん……
最前列にエースが並びそこから実力順に後ろになっていく
完全な実力主義の帝黒らしい並ばせ方です。

泥門戦に向けてのミーティングが始まりましたが、
栗田君はスピードが無い、ヒル魔さんに対しても
それほど警戒感を持っていない様子。
でも決して侮っているように見えないのは
チーム内での争いが激しいからこそ培われた自信があるからかな。

花梨と比較される事を嫌がる棘田さんは……
やっぱり向上心が無い選手なんだよな。
過去の栄光に胡坐をかき、力で這い上がろうって気概が無い選手だから
4軍程度に甘んじる事になるって気づかないんだろうな、こういう選手は。

棘田さんとのやり取りの中で、これまで沈黙していた鷹が
ついに言葉を発し、さらにその身体能力を見せ付けました。
走り幅跳び8m超という類稀なるその身体能力は親譲りのもの……
モン太の憧れ本庄さんの実子でした。


さて泥門の部室では、その本庄鷹の記事切り抜きが。
ヒル魔さんによって情報統制されていたようです。
モン太の性格上、知ったら張り合おうとして
空回りしそうですから、ヒル魔さんの指示は理解できます。
さて……そのヒル魔さんですが、酸素カプセルをつけた
特別製セグウェイに乗って登場。
安全装置を付ける改造をしているようには見えないから
道交法違反になっちゃうけど、脅迫手帳で握りつぶしていそうだな。

怪我をしているヒル魔さんですが、
クリスマスボウルへの準備は手配済みでした。
ずらっと揃ったライバル達……でも進さん役立つのかな。
泥門って本職のLBいないんだよね。
だからこそ今からLBとしての技能を高められるとも言えますけど。
これだけのメンバーが手合いをしてくれるのであれば、
実戦に近い経験を3週間でたくさん積む事が出来そうですよ。
帝黒のオールスター軍団に対し、
関東のオールスターが後押しする泥門が喰らい付けるのでしょうか。
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勢いで大阪までやってきてしまったちびちびコンビ+鈴音ちゃん。
ネットカフェでのお泊りの後、帝黒学園へ到着です。

校門でであった花梨ちゃんに連れられて
容易く内部へ侵入 & 大和猛君と遭遇。
予想に反してあっさり歓迎された3人は、
典型的な関西人ノリの平良さんに内部を案内される事になりました
そして6軍の部室内で帝国のプレイブックを発見が……
しかも大和君はこれをお土産にと差し出してきましたよ。

NFLでのプレイブックは電話帳ほどの厚さの物が
1チームあたり数冊あるとNFLに挑戦した河口正史さんが言っていました。
そしてチームから解雇されてしまった場合には
漏洩防止の為にすぐに返さなければならないのです。
しかし考えうるアメフトの全てのプレイが入っているのであれば、
プレイ名に関しての暗号さえ相手に伝わらなければ、
プレイブック自体を渡してしまっても問題ないかも。

NFLではプレイブックをちゃんと覚えられなかったが為に、
身体能力が高かったにもかかわらず
期待通りの活躍が出来なかった選手が多数いるとの事。
ですからプレイブックを覚えられなければ
5軍に上がる事が出来ないという帝黒のやり方は理解できます。

しかし大和君は1軍に一気に上がったのか……
アメリカでの経験があったとは言え凄いな。
でも大和君や名前だけ出てきた鷹君が1日で上がれた事からも、
帝黒が完全な実力主義でチーム分けをしている事が分かります。

そして続いて紹介された1軍のロッカールームは
まるでプロのような個室完備の贅沢なつくり。
これは力で報酬を手に入れるアメリカンドリームという感じ。
こういった部分でハングリーさが養われる事によって
全体の底上げに繋がり、帝黒の強さを支えているのかも。
さらには選手たちが1軍でプレイする事に誇りを感じており、
それが報酬でも有るという考え方はカッコ良いなぁ。
特に苦労してきた平良さんが言うからこそ
帝黒の1軍にいるという事に重みがある事が分かります。

ここで棘田さんが大和君に突っかかってきましたが、
成り行きでセナ君も一緒に相手することに。
セナ君律儀に着替えちゃっていますけど、
装具一式持ってきていたのか。

プレイの方は大和君がラインを制御した所で、
棘田君が右方向へ展開してパスを投げようとしましたが……
セナ君のスピードを見誤りあっさり潰されてしまいました。
引き抜かれた事によって慢心していた棘田さんと、
一途に努力を重ねていた平良さんの差が、
今の帝黒内での位置の違いに繋がっているのかも。
棘田さんには東京でトップクラスのQBという実績はあっても
それはあくまでも過去の実績。
実績に胡坐をかいていたのでは成長は望めませんから、
今の4軍という位置も妥当なんじゃないのかな。

セナ君がファンブルさせたボールを取ったのが……
これがモン太のライバルとなるであろう鷹くんなのかな。
本を読むなどちょっと大人しそうな印象だけど。

セナ君の成長はこれまでも感じられてきたけど、
大和君とのやり取りでの最後の心の声は
関東大会を勝ち抜いて表彰式で宣言した勢いが
そのまま出ている感じがしますね。
関東大会を制した泥門の面々、
豪華客船での祝賀パーティへとやってきました。
相変わらずやる事の規模が高校レベルじゃねぇ。

着飾った鈴音に対しては反応を見せないのに
まもりさんには反応するモン太……
スペックの違いはあるとは言え女心蔑ろにし過ぎ。

パーティーではそれぞれの親達も登場。
モン太の「ばちーん」ってのは親譲りなのか。
雪光さんの母親の件は、ヒル魔さんの手回しであっさり解決。
骨折をしていながらも手回しに抜かりがないのがヒル魔さんらしいわ。
夏彦さんの親父さんについては……
鈴音はあの親を見ていたからまともに育ったのかな。
家の中で女性陣が苦労している姿が思い浮かびます。

まもりさんのお友達が祝福に来たのはともかく
野球部の監督がモン太を祝福しているシーンは良いなぁ。

ゲーム大会では峨王・番場・大田原さんといった屈強トリオが登場し、
パーティーのゲームのお手伝い。
栗田君の特訓を手伝った番場さんはともかく、
大田原さんと峨王はお人よし過ぎ。
大田原さんの場合は分かって無さそうだけど。

パーティが盛り上がる中、ヒル魔さんは酸素カプセルへ。
高気圧酸素治療だけでは骨折の回復に大きな影響を与えませんが、
帝黒戦に向けて最善を尽くして復帰しようという
ヒル魔さんの意気込みが感じられました。

しりとりゲーム中に帝黒アレキサンダーズについて
セナ君がネットで調べていましたが……
部員数200人以上って有力な野球チームを抱える高校でも
めったにないような数字なのでは?
それだけの選手が集まって6軍まで作られているのであれば、
トップチームがとんでもない力を持つことも理解できます。

パーティに来ていたコータローさんによると
前回顔見せした元盤戸のQB棘田キリオさんはモバイルQB、
しかもローズ・ウィップなる横走り投げまで出来るようです。
今年惜しまれつつも引退を発表したQBブレット・ファーブが
最後となった試合で足をもつれさせながらも
TEへのパスを下手投げで通すというシーンがありましたが、
棘田さんのパスの姿からそのファーブのシーンが思い出されました。

しりとりゲームの方はセナ君が栗田良寛で「ん」を付けてしまい敗退。
峨王達に投げ落とされることなく海へ転落しましたが……
大田原さんはいい加減ズボンはいてください。
着替えを持ってきてくれたモン太の言葉で
そのまま大阪偵察旅行へ直行。
学校サボっちゃいけないですよ……
この行動力をもっと別なところに生かせないかね、この子達は。

帝黒学園では白秋vs.泥門戦を見に来ていた2人が
ちょうど帰ってきたところでしたが、ここでまさかの事実発覚。
棘田さんは4軍で、女の子の花梨ちゃんが1軍の先発QBでした。
前回の「サインを貰う」という観客の台詞は
花梨ちゃんに対してのものだったのか……凄いミスリードだ。

さて女性がアメフトを出来るかですが、
日本にも2チームクラブチームが存在しており、
毎年交流戦を行っています。
また、アメリカでは3つのリーグが存在しており、
NFLほどではないにしてもそこそこの人気を集めているようです。

しかしヒットに対しての強さを考えると、
女性の体では男性相手ではかなり厳しいと言わざるを得ません。
男性とは筋力が全体的に違うので他の能力も劣っているでしょう。
でもパスの飛距離の面ではやれない事も無いかな、というデータがあります。

NFLでは8歳~15歳の少年少女を対象に
アメフトの普及を目的としたPPKコンテストを開催しています。
PPKとはPunt(パント)、Pass(パス)、Kick(キック)の略で
3部門それぞれの飛距離を単純に足し合わせて成績を競います。
そして各年代(2歳ごとに区切り)の男女の最優秀選手が
チャンピオンシップゲームにおいて表彰されているのです。

今年の出場者の成績を見てみると、
14-15歳女性の部においてPassの最長距離は126Ft.7In.(38.5m)
14-15歳男性の部に出場した代表32人のうちの7人の記録を上回っています。
また歴代の最高記録は140Ft.2In.(42.7m)ですが、
今年の14-15男性の部での代表選手でこの記録を上回っていたのは16選手。
ですから、女性の最高記録であれば男性の中位やや下程度の位置には
入れると言っても良いのではないかと思われます。
ちなみに男子の歴代最高は195Ft.5In.(59.6m)
今年の最高記録は179Ft.11In.(54.8m)でした。

高校のレベルで言えば、40ヤード(36.6m)投げられれば
ロングパスを投げ込めると言えるでしょう。
そして上の結果から、高校2年生(17歳)と思われる花梨ちゃんは
40ヤード以上は投げられそう……
ですから肩の強さだけで考えると
QBとして活躍できる可能性は十分あります。

男女を区別しない徹底的な実力主義でチームを作る帝黒学園、
花梨ちゃん、大和らがどんなプレイを見せるのか、楽しみです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ラストプレイの2ポイントコンバージョンはプレイが崩れたのですが
栗田君が峨王を押し切りヒル魔さんをエンドゾーンへ導きました。
2ポイントコンバージョン成功で42-43となり試合終了、
ついに夢の舞台クリスマスボウルへの進出を決めました。
それぞれの独白は重みがありましたが、
「ムリヤリ叶えた」という言葉が全て表しています。

神龍寺戦では、前半で大量リードを奪われたものの、
後半は相手の攻撃権を奪い続ける事によって
神龍寺の追加点を封じつつ追い上げる事に成功。

王城戦では、モン太の活躍で王城の堅い壁は突き破ったものの
王城の進化した攻撃を脆い守備が止められず終盤は点の取り合いに。
それでもセーフティでの得点が生き、
最後にはセナ君が進さんを抜いて勝利しました。

そして変則的な方法で勝ちあがってきた白秋戦では、
ヒル魔さんが腕を折られるという緊急事態を迎えましたが、
セナ君が走れるQBとして穴を埋めると、
ヒル魔さんがパスが無い事を逆手に取って逆襲を開始。
最後は力と力の勝負で、栗田君が1回だけですが峨王を越えて
クリスマスボウルへの道を切り開きました。

この試合でもモン太は如月とは互角かやや劣勢。
セナ君とマルコとは1ファンブルを食らいましたが、
最後は抜いたのでほぼ五分という感じ。
栗田君と峨王は終盤は拮抗していましたが、
全体的には峨王が押していた感じです。
泥門はそれぞれの戦いでは優位に立っていたわけではありませんが、
要所でのプレイを決めた事が勝利へと繋がりましたが、
それは白秋戦に限らず、神龍寺戦、王城戦でも同様。
先ごろ行われた第42回スーパーボウルでも、
下馬評で圧倒的不利と言われていたニューヨーク・ジャイアンツが
試合の内容ではやや押され気味だったものの、
逆転を賭けた最後のドライブで奇跡的なパスが成功し、
劇的な逆転劇に繋げたのは記憶に新しい所です。

勝者の影には敗者あり。
マルコは丸子さんに約束を守れなかった事を謝罪していましたが……
何だかんだ言いつつ支えていた丸子さんが良い人すぎだ。

チームの中心選手であるQBを潰す事で
ここまで勝ち上がってきた白秋。
6巻の巻末ではともにD評価だった泥門と白秋、
全ての面でレベルアップを図ってきた泥門に対し、
峨王・如月・マルコの個人技に頼り
さらには峨王のパワーで相手を潰してしまった事によって
試合経験を積む事無くここまで来てしまった白秋。
武器となる3人が互角にされてしまった事で
地力の差が出たように感じられました。


表彰式では、トロフィーを前に再び喜びを見せる泥門の面々。
さらに栗田君・モン太君はそれぞれのポジションで賞をゲット……
という所で、前週観客席に姿を見せしていた帝黒の選手が
元盤戸の選手だったようです。
引きとめようとしたコータローを制した赤羽の台詞が意味深だ。
そんなやり取りの間に、表彰式ではセナ君がMVPを受賞したのですが、
トロフィーを受けとるのに失敗しちゃいました。
まもりさん、鈴音ちゃんの指摘がずばり過ぎ、
これぞセナ君って感じの締まりの無さでしたが……
それを誤魔化せというヒル魔さんの煽りに乗り
セナ君は打倒帝黒を宣言しちゃいました。
このセナ君の宣言に表彰式会場は大盛り上がりしていましたが、
この様子を見ていた帝黒の選手が話を降った相手が、
ついに出てきたのか真のアイシールド。
2軍相手とは言え軽くいなしすぎだろ、大和君。

これまでは自らがナンバーワンと言っていた佐々木コータロー、
それをしても良いと思った瞬間に峨王にやられたキッド、
そしてアイシールド21を名乗るようになったセナ君などは、
覚悟を決める為に最強を自ら名乗りましたが、
この大和君は関東のメンバーとは対照的に自ら語らずのようです。

次の相手であり最後の相手の帝黒学園、
泥門はどのような戦い方をしていくのでしょうかね。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
延長に持ち込みたくない泥門は
逆転を賭けて2ポイントコンバージョンにトライ。

セナ君 & ヒル魔さんの機転でプレイが壊れるのは
何とか避けたものの、2ポイントを奪う為には
ヒル魔さんをエンドゾーンへと導く必要があります。
プレイが壊れかけたので時間がかかってしまいましたから
ラインを外側へと回り込むのは難しい状況……という事で、
ヒル魔さんは栗田君の方へと突っ込んでいきました。

栗田君と峨王のブロック対決は互角、
さらには白秋の選手がセナ君のダイブに釣られたので、
走路が開いたかに思えましたが、
マルコが即座に対応し、その走路は潰されてしまいました。

これでヒル魔さんの走路は潰され、
さらには栗田君も押されて体制を崩しかけましたが、
栗田君は下半身の強さで峨王のプレッシャーに耐えました。
栗田君いわく「上半身の力は峨王くんが上」
峨王いわく「下半身の力では栗田が上」との事で
2人は互角……だったのですが、栗田君は逆に押し返し始めましたどぶろく先生が道具を修復するそばから壊す栗田君、
米軍相手にコテンパンにやられる栗田君、
体格に劣る鬼平さんにやられた栗田君……
これまでは峨王が互角以上だった2人の戦いでしたが、
それらの経験の積み重ねが峨王との小さな差となりました。
さらにはスナップを引き受けてくれた十文字君、
パスが投げられない状態で出場し続けたヒル魔さんなど
仲間達の思いにも後押しされた栗田君が
最後の最後で峨王を押し倒す事に成功しました。

青天した峨王の横をヒル魔さんが駆け抜け
ボールをエンドゾーンへとねじ込みました。
これで42-43、泥門がラストプレイで逆転、
ついにクリスマスボウルへの切符を手にしました。

クリスマスボウル出場を夢描いていた泥門の選手たちですが、
ラストとなる次の試合に勝てば頂点に立てる事となります。
ヒル魔さんの腕などの不安要素はありますが、
約1ヶ月の時間を使ってなるべく完全な形で挑んでほしいです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
セナ君がマルコを力で押し切りTDをゲット、
残り時間が0となった状況でTFPを残して42-41。
状況的には神龍寺戦と同じですが、違うのはヒル魔さんの状態。
パスをまともに投げられる状態ではないので、
長期戦に持ち込まれると綻びが出やすくなります。
という事でキックチームは投入せず、
オフェンスメンバーがフィールドに残り
TDでの2ポイントで逆転勝利を狙う事となりました。

ここで栗田君がセナ君やモン太のようにNo.1を目指すべく
スナップ係をやめて峨王との直接対決を嘆願しました。
栗田君の精神的成長が感じられる発言ですね。

栗田君のポジションであるセンターは、
QBにボールをスナップする大切なポジション。
ショットガンの時のようにQBに投げて渡す時でも
少しの方向の狂いがプレイに大きな影響を与えますが、
直接渡す時にはエクスチェンジ(受け渡し)が出来なかった時点で
プレイが完全に崩れてしまいます。
ですからエクスチェンジのスナップをする際には
センターは細心の注意を払ってスナップをします。
スナップにいくらか気をかけねばならないという事は
スタート時の動きに多少なりとも影響が出てしまいますから、
今回の栗田君の申し出は理解できなくも有りません。
NFLでもトップクラスのセンターになると、
スナップを出した後にスイーププレイの
リードブロッカーとして働く選手もいるのですが……
(通常はガードの選手がリードブロッカー役)

この栗田君の思いに応えたのが十文字君。
スナップ役を自ら買って出てくれました。

ラストプレイが迫ってきました。
十文字君をセンターに配し、栗田君は峨王と真向勝負するために
相撲のような4ポイントスタンスの構えを見せました。

通常レシーバー以外の選手は片手をついた
3ポイントスタンスで構える事が多いですが、
これは前後左右のどこでも動ける体勢にする為です。
しかし今回、泥門にはランプレイしかありませんから
前への動きに重きを置いても構わない状況。
相手に力いっぱいぶつかる為に4ポイントスタンスを使うのは
この場面では理には適っています。

十文字君からヒル魔さんにスナップがなされプレイが開始。
しかしプレイ前にセナ君に出ていた小さな異変……
峨王から喰らったタックル、そしてマルコへのヒット、
アドレナリンで抑えていた痛みがここで出てしまいました。

NFLでも怪我の後にプレイしていたと思ったら、
試合後の検査でシーズン絶望クラスの怪我だった……
という例は枚挙に暇がありません。
試合に入り込んでいるから、勝負に勝ちたいという気持ちが強いからこそ
痛みを一時的に忘れてしまう事があるのです。

腕に痺れが出たセナ君、その異変はヒル魔さんも察知したようです。
腕のしびれに諦めかけたセナ君でしたが、
アメフト協会の会長の言葉を思い出し奮起しました。
「怪我のせい」と言い逃れ出来ないのが勝負の世界。
さらにセナ君はメンタル面での成長を見せたようです。

デビルバットダイブには行けない状況でしたが、
セナ君とヒル魔さんは瞬時の判断でプレイを変更してきました。
セナ君へボールを渡さなかったヒル魔さんは、
ボールを持ったまま半円を描いてゴールラインへと向かう
ブーツレッグのようなプレイになりました。

ブーツレッグとは、禁酒法が施行されていた時代に
お酒を靴の中に隠して運んでいた事に由来しています。
QBがボールを渡すフリをした後、そのままボールを隠すように
弧を描いて移動していくプレイの事です。
ここからラン・パスのどちらにも展開できるのですが……
QBを守る選手が少なくなるので、
ディフェンスに対応されると為す術が無くなる事もあります。

ボールを受け取らなかったセナ君でしたが、
ダイブを見せてディフェンスを引き付ける事に成功、
出来る限りの仕事はこなしました。

セナ君がディフェンスを引き付けてくれたので
あとは峨王と栗田君の直接対決に委ねられる事になりました。
意地と意地とがぶつかり合うラストプレイ、
どちらが押しきるのか?
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ラストドライブに逆転を賭ける泥門、
前のプレイで峨王のタックルを喰らったセナ君でしたが、
ダメージを引きずりながらも次の策を自ら提案してきました。
「抜かない」って台詞を聞いたヒル魔さんの顔が嬉しそうな事。
というかセナ君がヒル魔さん化しているのかも。

セナ君が提案した続いてのプレイ、
泥門はIフォーメーションを使ってきました。
このIフォーメーションは高見さんの言う通り正統派の隊形。
FB(石丸君)をリードブロックに使ってのセナ君のランプレイ、
またはモン太・雪光さん・夏彦さんを使ったパスプレイと
ラン・パスどちらでも攻める事が出来る点が
オーソドックスな隊形と呼ばれる所以です。
栗田君を中心に左右の人数が同じである為、
左右両側どちらにも攻める事が出来ますが、
モーションでレシーバー(雪光君)を動かさない場合には
数的優位な状況を作りにくくなります。
ちなみにFB(石丸君)がQB(ヒル魔さん)とRB(セナ君)の間にいる為、
ボールの手渡しの時に邪魔になる可能性があります。
邪魔になら内容にFBを少しずらしたフォーメーションもあり
オフセットIフォーメーションと呼ばれています。
FBがズレる事によってRBへのハンドオフはし易くなりますが、
FBがブロックに向かう方向が限定される事になるので
ノーマルIフォーメーションより少しバランスが悪くなります。

残り18秒、いよいよプレイ開始。
ラインの中央では峨王と栗田君が互いに譲らずがっぷり四つの状態。
ボールを持ったセナ君は右サイドのオープン(ラインの外側)へ
展開していきましたが……マルコが待ち構えており
1対1の状況となりました。
左から抜くか右から抜くか、それとも上か……
しかしセナ君はマルコの考えを裏切り真正面から激突。
これまでの相手をかわしまくるスキャットバックスタイルではなく、
力で相手をねじ伏せようとしていきました。
直接ぶつかりに行く事で相手の懐に飛び込んだセナ君、
これはスクリューバイトをやり難くさせる好判断です。

しかしボールはゴールライン手前で止められTDには至らず、
と言うところでセナ君は相手の体を乗り越えるようにスピンムーブ。
セナ君はマルコを飛び越えエンドゾーンへボールをねじ込みました。
マルコも本物と認めたセナ君の覚悟を決めたラン。
TDが決まり泥門は1点差まで詰め寄りました。
キックで1点を追加して延長戦に持ち込むのがセオリーですが、
今のヒル魔さんの状態では長引かせると不利になるのは明白です。
2ポイントで一気に試合を決めに行くのか。
泥門の選択が楽しみです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
42-35とリードを許した泥門、残り2分からの最後の攻撃で
泥門版ドラゴンフライを使ってきました。

腕が使えないヒル魔さんに、ヘッポコパスのセナ君。
どちらも頼れるような状態ではないのですが……
泥門の策は裏の裏をかいていました。

最初のプレイはヒル魔さんがスナップを受けてのランプレイと思いきや、
ランはフェイクで後ろにいたセナ君に左手でピッチ。
さらにはセナ君のランプレイと思わせた所で
セナ君を止めにきたディフェンスの頭越しにパスを投げるという
結果的にはフリーフリッカーなプレイで前進。

次のプレイではセナ君に持たせてのランプレイに見せかけて、
ヒル魔さんのQBキープで1st downを獲得。
「右サイドに爆走」というコマでのヒル魔さん、
敵から見えないようにボールを隠す仕草が……
こういう細かい描写がされるのは嬉しいですね。

勉強はいまいちなセナ君をはじめとした泥門の面々が、
必死になって覚えたトリックプレイ。
しかし峨王は、力でそのプレイを壊してきました。
峨王に迫られたセナ君は峨王のいない方へとかわそうとしましたが、
そちらにはマルコが待ち構えていました。
行き場を失ったセナ君でしたが、陸君の教えよろしく
ボールを守る為に峨王の方へと突っ込んでいきました。
峨王の激しいヒットを受けセナ君は吹っ飛びましたが……
防具の上からのヒットだったので致命傷に至る怪我は避けられた模様。

しかし峨王へ突っ込もうと決断したのに、
弱気な表情を浮かべる辺りがセナ君らしいというか……
それでもボールをきっちり守りきったあたりに成長が感じられます。
そして峨王としても、後衛が自分を避けようとするのではなく
突っ込んでくるなんて初めてだったのでしょうか、
セナ君の評価を上げたようです。

そしてここで筧君がアメリカで会ったアイシールド21が
帝黒学園にいるという情報が出てきました。
本物を越える為に……セナ君は立ち上がり
マルコとの直接対決を決意したようです。
セナ君はマルコを抜き、逆転への道を繋げられるのか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
残り5分で35-35と振り出しに戻りましたが、
続いてのボールの所有権は白秋。
残り時間が少ないだけに、ここで得点を奪えれば優位に立てます。

白秋が取ってきた戦術は、峨王を使った力押しのラン。
前のドライブでは栗田君に潰されてボールをファンブルしたマルコ。
栗田君に対する恐怖感は植えつけられていましたが、
それでも峨王を信じて、わずかに出来たデイライト(走路)に
突っ込むあたり、肝が据わっています。
さらには得意のボール捌きでタックルを受けながらも
ボールを前へ差し出しファーストダウンを更新。
ボールを手放して失いかねない危険なプレイですが、
ここで決めるという執念が感じられるプレイでした。

泥門もスタンツを使って栗田君で走路を塞ぎに行きましたが、
峨王に対応されてしまい走路を開かれてしまいました。
峨王が切り開いた走路を、マルコがエンドゾーンに運び込みTD。
残り2分で白秋が突き放しました。
ここで白秋はこれまでの4回のTDとは違い、
TDでの2点ではなくキックで1点を追加してきました。

これまでの4TDは、ライン戦で峨王が圧勝していた状況でしたから
2ポイントを狙っても確実に成功するという考えだったと思います。
しかし栗田君が目覚めてからは、ライン戦は互角の状況。
この状況では2ポイントが成功する確率はかなり落ちます。
2ポイントを狙いに行って失敗した場合には6点差にしかならず、
TD+キックで逆転されてしまう事となります。
泥門はQBがいないに等しい状況ですから、
試合が長引くとより不利な状況となります。
もし白秋がTDを奪われたとしても、
キックなら同点で延長に入るので白秋有利。
TD後に2ポイントにトライされたとしても、
パスの脅威が少ない分これまた白秋有利という事となりますから、
キックで確実に7点差にした事は良い選択だったと思われます。

泥門に残された時間は2分、普通であればTDを奪うには
十分すぎるほどの時間と言えるのですが、
今の泥門にはまともなQBが居ない厳しい状況。
ヒル魔さんの言うとおり「クソの二択」ですね。
しかしこの後の栗田君のお間抜けな発言から
泥門オフェンスを最大限活用しうる可能性の有る戦略が出てきました。

2人とも駄目な状態ならば、その2人を使ってかく乱する……
ヒル魔さんとセナ君の2人をQBに据える
ドラゴンフライを選んできました。
付け焼刃ですが少しでも可能性を高める為の苦肉の策という感じ、
ヒル魔さんも栗田君に言われて初めて気付く位ですから
そうとう追い詰められた状態という事が分かります。
その追い詰められた状態、残り2分で泥門は打開できるのか?
 
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