忍者ブログ
http://es21impre.blog.shinobi.jp/
このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
21点差に広げられた所で、モン太が秘策を……
しかし3兄弟の予想通り、いや予想以上の猿知恵。
説得力溢れる素晴らしい「作戦」でした。
全員が凄い表情になりましたが、
特にヒル魔さんのこの表情はかなりのレア物ですよ。
夏彦さんにまで「妄想」だと突っ込まれるぐらいですし。
しかし時間が無い泥門には、それも策の1つとして
採用せざるを得ないぐらい追い詰められています。

3回のTDが必要な状況というのはかなり厳しい状況です。
相手の攻撃をなるべく早く止めて、
自分達が攻撃に使う時間を確保しなければなりません。
さらに自分達の攻撃の時にも、出来るだけ時間を使わずに
相手のエンドゾーンまでボールを運び込まねばなりません。

一休との力の差を知りながらも、
死んでも勝つと宣言するモン太の台詞は、
ヒル魔さんにも届いたようですが……。

21点差に広げられて後の無い泥門の攻撃。
モン太には相変わらず厳しいマークが付いていましたが
今の泥門には雪光さんというカードが増えていました。
巧みなルート取りでディフェンスの隙間に入り込み
パスを見事にキャッチして前進。
雪光さんの攻撃参加によって泥門の選択肢が増え、
雲水も認めるほどに攻撃に厚みが増しました。

しかしここで崩れないのが神龍寺。
タイムアウトを使って守備に修正を施し、
再び泥門の攻撃を封じ込める事に成功しました。

小結・戸叶で1人、栗田で1人、十文字・黒木1人をブロック……
という事は、神龍寺はディフェンスラインを3人に減らし、
神龍寺ディフェンスはパスを潰しにかかりました。
さすがのヒル魔もパスを投げられずボールを投げ捨てます。


ここで21点差になった事の厳しさが描き出されています。
ゴールラインまで35ヤードという事は、FGを蹴ろうとすれば52ヤード。
もうちょっとだけ進めば、ムサシのFGの成功率もある程度高くなります。
しかし今は21点差、FGでの3点はほとんど意味がありません。
18点差にしても3回の攻撃が必要な事は変わらないからです。

もし18点差のままならば、FGでの得点が1回あっても
ぎりぎりで追いつく事は可能でした。
(FG)3点+(TD&キック)7点+(TD&2ポイント)8点=18点

しかし、21点差では必ず3回のTDが必要……という事は、
3回とも相手の陣地の一番奥にあるエンドゾーンまで
ボールを運び込まなければならないのです。
それだけ前進するためには時間も必要となるので、
追い上げる泥門にとっては前回のFGによる3点が、
かなりの重みを持つ事となってしまっているのです。

さらにこういった状況で追い上げる側は、
厳しいプレイ選択を迫られます。
このような状況の時にリードしている側は
「プリベントディフェンス」を使ってくるからです。

プリベントディフェンスに関しては、
巨深戦でも説明しましたがもう1度説明します。
プリベントディフェンスとは、通常4人のディフェンスラインを
3人(2人の場合も有り)に減らし、
後方を守る人数を増やして手厚く守る作戦です。
巨深戦ではラインの水町君がLBの位置に下がり、
3-4ディフェンスの形になりました。
あの時、小判鮫先輩が時間を稼ぐ作戦といっていたのを
思い出していただければと思います。

プリベントディフェンスでは、QBにプレッシャーをかけ難くなるという
欠点がありますが、レシーバーを守る選手が多くなるので
パスの成功率を落とす事や、パスを決められても
大きな前進を防ぎやすくなるのです。
1発のロングパスでTDを奪われてしまうと、
10秒ほどで攻撃が終わってしまいます。
しかしこのプリベントディフェンスを使えば、
相手を少しずつ進ませる事になるので
攻撃側にたくさんの時間を使わせる事になるのです。
プリベントディフェンスは得点を与える事になってでも、
時間をたっぷりと使わせて勝利に近づく
「肉を切らせて骨を断つ」という作戦なのです。
(少しずつ進んでいくと攻撃開始地点にもよりますが、
 3~7分の時間がかかってしまいます。)

少ない残り時間で3回のTDを奪わなければならない泥門……
ここでヒル魔さんは、モン太へのロングパスによる
TD狙いのプレイを選択、ギャンブルに打って出ました。

そしてプレイ開始。
プレイが始まると同時に、皆が狙いに気づきました。
それは「ヘイルメリーパス」。

実際の試合でも、TDが決まれば同点or逆転という場面で
エンドゾーン内にレシーバーを走らせ、
山なりのパスを投げ込み一か八かでパス成功を狙います。
ちなみにNFLを見始めて7年ほどになりますが、
ヘイルメリーパスが成功したのを見たのは1回しかありません。
オンサイドキック以上に成功率の低い「神様、お願い」
という名前通りの大ギャンブルプレイなのです。

まも姉・鈴音が祈っていましたが……
ヒル魔さんは神なんぞを信じちゃいませんでした。
ヒル魔さんが投げたのは地を這うような弾丸パス。
このパスは成功するのか?
モン太、頑張れ。
PR
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
泥門が立て続けに2TDを返し、追い上げています。

もうこれ以上の失点は致命傷になりかねない泥門ですが、
相変わらずドラゴンフライが止められません。
セナ君が再びブリッツで突撃しましたが、
手によるガードもお構いなしで
阿含の手刀に吹き飛ばされてしまいます。
そしてそのまま阿含のスクランブルを許し、
7ヤードも前進されてしまいました。

神龍寺の攻撃は止められない泥門でしたが、
必死の追い上げが観客に伝わり、
再び観客席が賑わってきました。

しかし次のプレイでは、栗田君が山伏にやられ、
さらにその次のプレイでは、セナ君が阿含に迫りますが、
モン太が一休にマークを外され、パスを通されてしまいます。

そんな中栗田君が奮起、セナ君を手本に山伏の手刀を腕でブロックし、
阿含がセナにやったように山伏を吹き飛ばし、
そのまま雲水へと迫りました。
QBサックにこそなりませんでしたが、
パスを投げ捨てさせることには成功。
ようやっと神龍寺の攻撃を止めました。

ここで「神龍寺の攻撃を初めて止めた」とあったのですが
前半に1回FGがあったので、攻撃が止まっていたはず……
と疑問に思って調べてみましたが、
ちょうど前半終了時だったのでFGを蹴ったのですね。
という事は、この前のターンオーバーを除いては
神龍寺の攻撃は全てTDに繋げられていたという事ですか。
それだったら止めたという事実は大きいですね。
FG圏内まで進んでいたため、雲水は阿含の提案である
タッチダウン狙いを制してFGを選択しました。
神龍寺のFGは楽々成功し3点を追加、
14-35と点差は21と少し広がってしまいました。


この21点差、ムサシが「天と地なんだ」と言っていますが
18点差も21点差も同じ3ポゼッション差(3回の攻撃が必要)。
それではなぜ21点差だと厳しくなるのか?
18点差の場合、前回の感想で書きましたが
3回の得点のうちFGが1回入っても追いつく事が可能です。
しかし、21点差となると3回ともTDが必須となります。
さらにTD後のキックが1回でも失敗すれば、
2ポイントにトライしなければなりません。
その2ポイントが失敗すれば、4回目の攻撃が必要となります。
さらに、もし3TDとキック全てが成功して追いついたとしても、
人数ぎりぎりの泥門が、延長戦でまともに戦えるかというと……。
色々な意味で泥門は厳しい状況に追い込まれました。

しかし21点差は絶望的な点差ではありません。
以前(140th down)でも書きましたが、
残り5分を切ってから21点差を追いついて延長に持ち込み、
延長でサヨナラFGを決めて逆転勝ちした例があります。
でも普通なら21点差はほぼゲームオーバーな点差。
泥門が勝つ確率は限りなく0に近づいたといって良いでしょう。

沈んだ面持ちを浮かべる泥門の選手達でしたが、
モン太がなにやら思いついたようです。
この場面で追いついたモン太い対しての
戸叶&黒木の言葉がひどすぎだ……
しかしヒル魔さんはモン太の意見を
とりあえずは聞いてみようとするようです。
崖っぷちに立たされた泥門を救う策となるのか。
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
セナのパスカットによるファンブルフォースから、
十文字君が転がるボールをリカバー。
そして阿含を引きずりながらもボールをエンドゾーンへと
運び込み、ファンブルリカバーTDで連続得点……。
キックのシーンが無かったのですが、
トライ・フォー・ポイントのキックも決まったらしく、
32-14とまた一歩神龍寺に迫りました。

泥門の選手達は十文字君のTDに喜んでますが、
セナ君は自分の足に限界が近づいている事を悟ったようです。
それを見てヒル魔さんがタイムアウトをコールします。

この時点では、3ポゼッションが必要となる18点差。
TDを2回奪った上に2ポイントを1回成功させ、
さらにFGで同点(7+8+3=18点)というのが、
追いつくための最短のシナリオです。
しかし2ポイントを失敗してしまうと3回のTDが必要となり、
3回の攻撃で逆転できる事にはなりますが、
神龍寺のディフェンスを楽にさせてしまう事となります。
しかもこれは神龍寺に無得点に抑えた場合。
ここでTDを奪われてしまい25点以上の差がついた場合、
4回の攻撃権が必要となってしまいます。

追い上げる泥門側にとっては、出来れば試合終盤に
残しておきたかったタイムアウト。
しかし、神龍寺を無得点に抑える為には、
阿含を抑える可能性があるセナ君は絶対に必要……
という事で、ヒル魔さんはセナを強行出場させようとします。

対する阿含の方は、ついにセナ君を敵と認めたようで、
サンゾーには目もくれずにセナ君をじっと見つめています。

どぶろく先生がセナの膝を冷やすためにアイシングを施しています。
これ、試合中では初めてトレーナーとしての仕事をしているシーンかも。
アイシングをしながらも、複雑な表情を浮かべていたまもり姉は、
心の中での葛藤があったようですが、
最後はセナに「勝って」という一言を告げます。
まもり姉もセナを戦士として見られるようになったようです。
ここのまもり姉の描写、ここまでの積み重ねがあったが故に、
少ないコマ数でも心の中での葛藤が分かる、
まもり姉の成長も感じられる素晴らしい描写でした。

ヒル魔さんに煽られた神龍寺側ですが、
雲水はセナ君が潰れかけている事から
ドラゴンフライを続ける事を決断します。


通常、リードしている側はコンサバティブ(保守的)な
プレイをする事が多いのです。
パスがキャッチできずに失敗に終わると、
残り時間の減少が次のプレイ開始まで止まってしまいます。
そしてパスが失敗し続けて1st downが奪えなかった場合、
相手に攻撃する時間を多く与える事となります。
さらにパスが相手にインターセプトをされてしまうと、
1プレイで得点を奪われる可能性がある上に、
心理的な動揺がチーム内に走る事となります。

そんなリスクを背負ってまでも、ドラゴンフライを続ける神龍寺。
そこには雲水の阿含への思いが込められていました。

二卵性とは言え、双子の兄弟の間で大きな能力差が有った阿含と雲水。
阿含は小さいからその能力をあらゆる分野で発揮、
対する雲水は「お兄さんのくせに」と比較される毎日。
そんな中でも腐らずに努力を続けた雲水に、奨学金の知らせが……
しかしその報せは実は阿含に対しての物でした。

雲水は阿含に全てを託し、阿含は雲水の願いを聞き入れ
凡人を踏み潰して進む道を選ぶ。
ゆがんだ形ではありますが、兄弟の絆みたいなものが
感じられるエピソードでした。
先ほどの阿含がセナを凝視した後に有った
一人で駆けていくシーンは、こういう経緯が有ったからなのか。

ドラゴンフライで再び止めを刺しに来た神龍寺ですが、
セナ君がブロッカーをかわして阿含へと突っ込みます。
手刀で薙ぎ払おうとする阿含に対して、セナ君も左手でブロック。
まもり姉と雲水、それぞれの想いに応えられるのはどちらになるのか?
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
セナ君が阿含の反応を利用してバックワードパスをカット。
バックワードパスですので、パス失敗とはならず
どちらかがボールを確保するかの勝負となりました。

転がるボールに両チームの選手が向かって行きます。
セナ君は阿含に突き飛ばされてしましましたが、
モン太がいち早く反応していました。
このモン太のプレイはとても褒められたものではないです。
もしパスカットが出来ていなかったら一休がフリーになり
パスが通されやすい状況となりかねませんでしたから。

でもその無茶な行動のおかげでボールの元にいち早く到達
と思いきや、またもや一休に先を越されてしまいました。
神龍寺側のファンブルリカバーか……という所に、
栗田さんが上からかぶさるように突っ込んできました。
栗ハンマーで再び乱戦状態になった上に、
ほとんどの選手が体勢を崩してしまいました。
そんな中で十文字がハッカイを利用した不良殺法で
態勢を立て直し、ボールを拾い上げました。

足の裏以外を地面に付けずにボールを拾い上げたため、
ここではボールデッド(プレイ終了)にはならず、
そのままプレイが続けらる事に。
十文字君はボールを持ってリターンを開始しました。

十文字君のボールの持ち方は様になっていて、
ラインの選手らしからぬリターンを見せていました。
そのままエンドゾーン内に持ち込めればTDだったのですが、
……阿含が凄い勢いで追いかけてきました。

エンドゾーンに到達する前に追いつかれた十文字君は、
阿含のタックルを食らってしまいます。
しかし、阿含とそれほど体格の差が無い十文字君には、
ラインをやっている事もありセナ君と違って強さがあり、
タックルされてもすぐには倒れません。

しかし阿含の激しいタックルを受けた十文字君は
セナの戦っていた場所の厳しさを知ります。
RB・WRなどのバックスが受けるタックルは、
高速でぶつかり合う事も多いため短時間に大きな衝撃がかかり、
ライン同士の押し合いとは違った衝撃があります。

そのセナ君の頑張りを知った十文字君、
阿含に止められそうになりながらも最後の1歩を踏み出し、
ボールをエンドゾーン内へと運び込みました。
初めてボールを運んだ十文字君による
ファンブルリカバーリターンTDで泥門が追加点。
これで13-32となりました。

ボールの持ち方は様になっていた十文字君ですが、
エンドゾーン目前では普段ボールを持たない
ポジションである事が出ていました。
タッチダウンと判定されるのは、
ボールがちょっとでもエンドゾーン内に入った時。
ですから、普段からボールを扱うポジションの選手は、
タックルを受けながらもボールを持つ手を前へ伸ばして
エンドゾーン内にボールをねじ込もうとします。
でも十文字君はそういう動きはしませんでした。
ラインの選手は普段ボールに触る事は無いですから、
そういう動きがとっさに出来ないのは仕方ないですけどね。
でも、だからこそ最後のエンドゾーン内に入ったシーンの
かっこ良さが増したのですけど。

十文字にキックをかます黒木&戸叶に、一緒に喜ぶモン太。
そして駆け寄るチームメイトの姿を見ると、
泥門のチームの一体感を感じる事が出来ます。
TDを奪った十文字がセナにハッパをかけたのですが、
そのセナ君の足に異変が。
まだ時間は残っていますが、セナ君の足は持つのかな。
ちょっと心配です。
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
得点を許すわけにはいかない状況となった泥門は、
セナ君のブリッツ連発という
後の事を考えない最終手段に打って出ました。

しかし……阿含はブリッツしてきたセナ君を手刀で一蹴すると、
一休へパスを決めて12ヤード前進。
最初のプレイのブリッツは失敗。
しかしヒル魔さんは「奴一人に集中しろ」と言って、
セナにブリッツを続けさせます。

続いてのプレイ、セナ君は阿含へ意識を
集中させようとして逆に混乱……。
しかし無理やり思考停止し、阿含以外を意識から消し去りました。
プレイ開始と同時に、セナ君は持てる力全てを使い
阿含へと突進して行きました。
阿含は再び事も無げにセナ君を振り払いましたが、
セナ君が再び迫ってきたため、近場にいた選手に
パスを投げざるをえませんでした。

泥門のメンバーは、ベンチにいるまもりからの信号で
阿含がパスターゲットを探すための時間が
削られているている事を知り、盛り上がります。
そしてセナの頑張りにライン陣も触発されたようです。

続いての神龍寺の攻撃は……パスではなく
RBサンゾーにボールを持たせてのランプレイ。
ここは泥門のラインが踏ん張って、と思いきや、
サンゾーは阿含にバックワードパスを投じました。
以前は阿含・雲水のみのフリーフリッカーがありましたが、
今度は正統派のフリーフリッカー。
これをやられると、ランプレイだと思ったディフェンス側は
前に上がってきてしまい、レシーバーがフリーに
なりやすくなってしまうんです。

完璧なプレイ選択と思われましたが、
阿含だけはこのプレイの危険性に気づいてしまいました。
天才だからこそ起きた気付きと体の動き……
それがとんでもないプレイに繋がってしまいました。

危険を察知した阿含の動きにセナ君が反応して手を伸ばし、
バックパスされたボールに手を当てました。
セナがアサインメント(役割)を守った事と、
ヒル魔のアドバイスが、この奇跡的なプレイに繋がりました。


通常、ブリッツに入った選手は、
QBを目指して突っ込むのが役割となります。
しかしランプレイだった場合には、素早くボールキャリア
(ボールを持つ人)に反応し、タックルをする必要があります。

しかしランプレイがフェイクだった場合、ブリッツした選手が
RBに反応してしまうと、QBに到達するまでに時間がかかってしまいます。
そうなるとブリッツの効能は失われた上に、
レシーバーはがら空きになりやすく、
パスが通されやすくなってしまいます。

しかし今回のセナ君のプレイでは、
ヒル魔さんが事前にアドバイスしていたおかげで、
RBに反応することなく阿含の動きだけに反応する事ができました。


そしてバックパスの扱いについても説明します。
アメフトにおいてパスの種類は大きく分けて2つあり、
フォワードパス(前パス)と、バックワードパス(後ろパス)&
ラテラルパス(横パス)とでは扱いが大きく変わってきます。

フォワードパスの場合、最初にボールが置かれた地点よりも
後ろで投げなければならないというルールがあります。
さらに1プレイ中に1回しか投げる事は出来ません。
しかしパスがキャッチできずに地面に落ちた場合は
その場でプレイが終了となり、前の攻撃開始地点から
続けて攻撃をする事が出来ます。
(ですので意図的にパスを投げ捨て、
 次の攻撃に賭けるという事が出来るのです)

対してバックワードパスやラテラルパスの場合、
1プレイ中に場所や回数の制限無く何度も行う事が出来ます。
しかし、ボールが地面に落下してもパス失敗扱いにはならず、
そのままプレイが続行される事となります。
(ボールを落としてしまったファンブルと同様の扱い)
ですので、ボールが地面に落ちたとしてもプレイは止まらず、
ボールを確保した方が攻撃権を得る事となるのです。

以前にも書きましたが、フリーフリッカーのような
ボールを色々な選手に受け渡すプレイというのは、
アメフトではここぞという時以外は使われません。
ボールを受け渡す=ボールを落とす可能性が増える
となりますから、相手に攻撃権を奪われる危険性が増すのです。

セナ君はボールを叩き落としましたが、
まだボールの所有権は確定していません。
泥門がボールを確保すれば、今度こそ流れが掴める……はず。
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
雪光さんのTDに繋がるパスキャッチで
ようやっと泥門に初得点が入りました。
さらにトライ・フォー・ポイントも決まり7-32、
泥門の選手達もさらに気合が入ったようです。
ここまでずっと練習を続けてきた雪光さんの姿が……
腐らずに努力してきた成果がこのTDに結びつきました。

そして続いては泥門のキックオフ。
ヒル魔は堂々とオンサイドキックを宣言します。
残り時間は18分、25点差(4ポゼッション差)を逆転するためには、
相手に得点を与えずに4回得点を奪わねばなりません。
相手に攻撃権を与えれば、時間を使われるとともに
点差を広げられる可能性があります。
ですから、オンサイドキックを成功させ続け、相手に攻撃権を与えずに
得点を奪い続けられれば理想的なのですが……。

オンサイドキックをするために、片側に選手を集めた泥門……
って、あまり片側に寄っていないように見えますが、
これはルール上仕方が無いのです。

NFLでも今年ルールが改正され、オンサイドキックの際には
選手全員を片側に寄せる事が出来なくなりました。
NFL以外では、キッカーの両側に最低4人は
配さねばならない、というルールになっています。
片側に偏らせるよりも両側に4人以上置く方が
キック側に有利なのか、それとも不利なのかは分かりません。

ただ、どちらにしてもオンサイドキックの成功率は低く、
作中でも触れられている通り20%も無いのですから、
泥門の取る策はもう博打に近いもの……
それだけ追い詰められていると理解できます。

得点を奪った泥門のキックオフで試合再開。
しかし泥門は、オンサイドキックと見せかけておいて、
通常の奥深くまで蹴り込むキックに変更しました。
でも、ムサシさんの蹴る位置おかしくない?
普通は長いライン(35ヤードライン)から蹴るはずなのに。

泥門がオンサイドキックの隊形取っていた事から、
神龍寺の選手達も前に集まっており、
後方へ下がりながらボールを追うことになってしまいました。

NFLでもこのような事が行われた事はあります。
一番の成功例は2002シーズン最終週の
マイアミ・ドルフィンズ@ニューイングランド・ペイトリオッツ。
3点差に追いついたペイトリオッツですが、
残り時間が3分を切っていたためオンサイドキックの隊形に。
この隊形でドルフィンズの選手を前に集めておいて
今回のムサシのような通常のキックを蹴り込みました。
ドルフィンズ側はリターナー(キックしたボールをキャッチして
前へ運ぶ人)を置いていなかったため、
西部戦の時のように敵陣奥深くにボールを押し込む事に成功。
さらにドルフィンズの攻撃をすぐに止めて攻撃権を奪い返すと、
終了間際にFGでの3点を取って同点に追いつき、
延長で決勝FGを決めて、見事に逆転勝ちという試合がありました。

多くの神龍寺の選手がうろたえていたのですが、
雲水の一喝で冷静さを取り戻します。

オンサイドキックの時もそうでしたが、
オンサイドキック宣言をされて燃える一休に対しても
雲水が冷静に状況を判断し落ち着かせたりと、
神龍寺の頭脳として相応しい落ち着きを発揮。
運動能力では阿含・一休よりも劣るものの
チームリーダーとしては抜群の存在感、
こういう選手がいるチームは強いですよ。

冷静になった神龍寺のスペシャルチームのメンバー達は
渾身のブロックで阿含の走路をきっちり確保。
ハーフウェイライン近くまでボールを戻しました。

泥門の奇策も通じず、再びピンチを迎えた泥門。
ここでヒル魔が提案したドラゴンフライ対策は、
阿含に対してのセナ君のブリッツでした。

この作戦、決まらなければ得点を取られるだけでなく、
決まっても決まらなくても、得点源であるセナ君を
潰してしまう可能性がある……。
ヒル魔さんも、そんな作戦は前半からどころか
この場面でも使いたく無かったと思われます。
それでももう後が無い状況という事で、
失点を防ぐ事を最優先にヒル魔さんは決断を下しました。

神龍寺のオフェンスがスタート。
セナ君はプレイ開始とともに阿含へと突っ込んで行きました。
泥門最後の望みを背負ったセナ君のセーフティブリッツが、
ドラゴンフライ攻略の糸口を掴める事となるのか?
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
雪光さんが「オプションルート」を使って
スペースに走りこみました……が、
素早く反応してきた一休・阿含が迫ってきました。

一休の台詞で、自分が相手にされていない事を悟った雪光さん。
回想では、今まで様々な言い訳をして
逃げ続けてきた事が描かれています。
「何もしなかったから、何もできなかった」
そんな過去の自分を振り払うかのように、
雪光さんはボールへ向かって飛び込みました。

ボールはややリードボール(選手の前方にボールが行く事)と
なっており、雪光に阿含・一休の3人ともが
届くか届かないかぎりぎりの場所にボールは落ちていきました。
一休は雪光さんの飛び込むタイミングがやや早かったため
キャッチできないと判断、ここで力を緩めました。

しかし雪光さんは、最後まで諦めませんでした。
一度はボールをはじいてしまったものの、
前方へと滑り込みながらも、ボールをすくい上げキャッチに成功。
キャッチしたボールはエンドゾーンの中に入っており、
初キャッチがタッチダウンへと結びつきました。
最後まで集中力を維持した雪光さんと、
天才だったが故に早く判断を下してしまった阿含・一休、
ボールに対する執着心の差が
キャッチ成功に結びついたように感じました。

アメフトではボールをキャッチしたとしても、
確保したとみなされる前にボールを地面に触れさせてしまうと
キャッチは認められずパス失敗となります。
ボールが確保されるというのは、
ボールが動かないぐらいしっかりと保持する事で、
腕の中でボールがちょっと動いてしまったり、
手から一瞬離れたぐらいでも確保が認められません。

ボールの確保が為された上で、体の1箇所(NFLでは2箇所)が
フィールド内に触れると、キャッチ成功とみなされます。
ですから地面すれすれのボールを捕るときなどには、
掌や腕を使ったり、体をひねったりして
ボールを地面に触れさせないようにし、
その上でフィールド内に体の一部をつけようとします。
NFLの場合には2箇所の接触が求められているので、
サイドライン際などでは、両足をフィールドに
擦るようにしながらキャッチをして、
受け身が取れない体勢で倒れこむという
自分の体を厭わないようなプレイが良く見られます。

またボールが地面に触れなければプレイは続く事になるので、
今回のプレイのようにはじいたボールを地面に着く前に
キャッチする事が出来ればパス成功と認められます。
NFLでもこういうプレイはよく有るんです。
そこまでギリギリのプレイではありませんでしたが、
初めての実戦にも関わらず、手をボールの下に入れて
パス失敗になる事を防ぎながらも、
きっちりキャッチした雪光さんは立派ですよ。

初キャッチに感極まり涙を流す雪光さんに、
こちらも貰い泣きしそうになりましたが……
その後ろでヒル魔さんがさらに煽る煽る。
ヒル魔さん曰く、まだ策が残っているようで、
その策が更なる追撃に繋がるのか、期待しちゃいますよ。
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
32点差をつけられた泥門デビルバッツですが、
後半最初のキックオフでオンサイドキックを成功。
そして泥門デビルバッツはここで満を持して
雪光さんを投入してきました。

フィールドへと向かう雪光さんの表情は、
決意と不安が入り混じっているように感じられます。
フィールドの内と外とを区別するサイドラインも、
雪光君にとってはただの線ではない……
雪光君は意を決してそのサイドラインを跨ぎ、
戦いの場へと身を投じました。

それまで戦いの場に入った事の無い雪光君は、脹脛が脈打つのを感じ、
掌が湿り、フィールドの威圧感を体感する事に。
この時の雪光君の気持ち、自分にも良く分かります。
ただこのプレッシャーに打ち勝たないと、
勝利を手にする事が出来ないのです。

オンサイドキックを成功させた泥門は、
敵陣40ヤード付近で攻撃開始という大チャンスを得たようです。
ここからは攻撃権を全て得点に結び付けても
追いつかない可能性がありますので、
この良いポジションからの攻撃を是が非でもTDに結び付けたい所です。

そして雪光さんの初プレイ……神龍寺側はいきなり
雪光さんに一休をぶつけてきました。
初めてのプレイという事に加え、一休の威圧感を感じた雪光さんは
足をもつれさせて転んでしまいました。
しかし、雪光さんに一休がついたおかげで
フリーになった夏彦さんへのパスが決まり前進に成功します。

ここではセナ君がボールを持っているフリをしているので、
ヒル魔さんはプレイアクションパスをしたと思われます。
プレイアクションとはランプレイの素振りをする事です。
ランプレイだとディフェンスに誤認させれば、
ランを止めに前に来る事になり、
前に来たディフェンスの頭越しにパスを決めるのが、
プレイアクションパスの基本パターンなのです。

持たせるフリなんてバレるのでは、と思われるでしょうけど、
選手の視点ではボールの動きが良く見えないので、
RBがランプレイのような動きをするだけでも、
ランを止めに一歩動いてしまうのです。
そしてそのたった一歩は、レシーバーがマークを外すのには
十分すぎる動きとなるので、パスが通りやすくなるのです。
ヒル魔さんのハンドオフフェイク(渡すフリ)は一流ですから、
身体能力に優れた一休と阿含がランを止めにいけない状況では、
レシーバーが空いてしまうのも仕方が無い事だと思われます。

転んだ雪光さんにみんなが駆け寄り、慰めているのですが……
パスをキャッチした夏彦さんも褒めてあげてよ。

次のプレイでも一休が雪光さんにマークしますが、
一休はここまでの2プレイで身体能力に大きな差があると判断し、
3プレイ目からはマークを外す事に。
しかしそれを見たヒル魔さんの会心の笑みを浮かべます。

雪光さんの武器は目に見える身体能力では無く、
目には見えない分析・判断能力。
その能力を生かして、ディフェンスの間にある
ワイドオープン(がら空き)になれる場所を見つけ出し、
そこへと走りこみパスをキャッチする。
ここまで阿含と一休の動きを見ていた上に、
パスルートをしっかり覚えこんていたからこそ出来る
雪光さんだけの武器「オプションルート」。

オプションルートというのは、
名前の通り選択(オプション)するルートの事です。
通常のプレイの場合、本来はルートが定められていますが、
それだけが全てではありません。
ディフェンス選手との位置関係で、QBはパスを投げ込む位置を、
そしてレシーバーはルートを変えていき、パスを成功させようとします。

テレビ中継でパスが決まらなかった際に
「QBとレシーバーの意思疎通が上手くいかなかった」
(アニメでお馴染みの有馬さんが良く使います)
と言う場合が良くありますが、
これがオプションルートが使われたプレイなのです。
1つ例を挙げてみると、QBはディフェンスの奥側に
レシーバーが行くと思ってパスを投げたのですが、
レシーバーはディフェンスが奥に行くと
判断して手前に動きパスが失敗してしまった、というように
オプションルートに関する判断が一致しなかった時に
上のような表現が良く使われます。
かなりのプレイにおいて、このような部分的な
オプションルートが使われています。

しかし今回の雪光君の場合は、最初からルートを決めていない
オプションルートのようです。
上の例の時以上にQBとレシーバーの息が合わないと
プレイが失敗しますから、かなり難易度は高いと思います。
でも雪光さんの特長を生かした戦略ではありますね。

ヒル魔さんの雪光さんに対する言葉、「半年待った……」
「……17年は無駄なんかじゃねえ」の台詞に
雪光さんへの期待の高さが感じられて、かなり感動させられましたよ。

ヒル魔さんと雪光さんの狙いが一致し、
がら空きになったスペースに雪光さんが走りこみます。
そこへヒル魔さんはパスを投げ込みますが……
一休・阿含がすかさず気づいて雪光さんに迫ってきました。
雪光さん公式戦初キャッチなるのか。
それとも一休・阿含に阻止されてしまうのか。
泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
前半を終えて0-32と神龍寺が圧倒的リード、
観客も試合の行く末を見届けずに帰り始めた上に、
ヒル魔さんが事実上の敗北宣言を口にしました。

その言葉にモン太がすかさず反応、
負けず嫌いなモン太がすかさず口を挟みましたが、
ヒル魔さんは淡々と語り続けていきます。

しかし、あるフレーズから泥門の選手達が
ヒル魔さんの言葉の違和感に気づき始めました。
王城戦では残り4分45秒で50点差となるまで諦めなかったヒル魔さん。
その姿勢は全ての試合で貫かれていました。

まもりのサインで、神龍寺のスペシャルチームが
やや下がり気味になっている事を知ったヒル魔さん。
百戦錬磨の神龍寺だからこそ、
ムサシの大きなキックに自然に備えてしまったようです。
オンサイドキックがやり易い状況になったものの、
それを素直に伝えてはバレてしまいかねません。
そこでヒル魔は言葉の違和感だけで仲間に悟らせる
策とはとても言えない博打に打って出ました。

特に付き合いの長いセナ・ムサシが真っ先に違和感を覚えると、
他の選手も次々と気づいていき、
最終的には全員がヒル魔さんの意図に辿り着きました。
皆の心が一つに……ムサシがボールを蹴り上げた瞬間、
泥門の選手達は全員で左サイドへ向けて駆け上がっていきました。

怪我するのも厭わぬ覚悟で突っ込む泥門の選手達。
ラインの選手達は神龍寺の選手達と激しくぶつかり合いながらも
手を伸ばしてボールを取ろうと試みます。

モン太はボールをキャッチしにいきましたが、
イレギュラーバウンドのせいで不発。
アメフトボールは楕円形なので、
バウンドの際にはこのような不確定要素が大きく、
思わぬプレイに繋がる事も有ります。

転がっていたボールに対して両チームの選手が突っ込みますが、
山伏さんが体格を生かしてセナたちをふっ飛ばしボールを確保……
と思いきや、小結君が鼻血を出しながらも
潜り込んでボールを確保していました。
オンサイドキック成功、
これで泥門が攻撃権を文字通りもぎ取りました。

オンサイドキックの成功率は約20%と言われています。
オンサイドキックのためのフォーメーションにしておいた場合、
相手もそれに対応するために前に選手を集めます。
そうなると、キックする側がボールを奪える確率は
当然低くなってしまいます。
しかし、通常のキックオフをすると見せかけておいて
突然オンサイドキックを蹴った場合には、
ボールを持って前へ進めるリターナーや、リターナーの走路を
開けるブロッカーがボールに絡みにくくなります。
よって、このような突然のオンサイドキックの場合には、
成功率は僅かながら上昇します。

しかし32点も負けているこの状況でのオンサイドキックは、
失敗したら相手に得点機を与える事になるので
かなりのギャンブルプレイと言えます。
しかも作戦は直接伝えていないわけですから、
生きるか死ぬか一世一代の大博打といえるプレイでした。

ムサシの大きなキックを見ていたが故に的確な判断をした
神龍寺でしたが、ここではその判断が仇となってしまいました。
でも個々がそのように対策出来ている事が、強豪たる所以ですね。

こんな奇襲は一度しか通用しませんし、
点を奪ったわけではないので厳しい状況は変わっていません。
しかしこのオンサイドキック成功は、
チームに勢いを与える大きなプレイになりえるのです。

最後まで夢を諦めない……賊学には無くて泥門にあった夢の共有、
そんな泥門の選手達を見て流した葉柱の涙が、
このオンサイドキック成功の重みを示してくれたように感じました。

神龍寺側は雲水の喝で気を引き締めなおし。
いくら強チームでも、このようなプレイはごく稀に
出てしまいますから、同じ事を繰り返さない事が大事。
それを雲水はきっちり知っています。
この点からも神龍寺の強さの一端を窺い知る事が出来ます。

攻撃権を奪った泥門は、いよいよ雪光さんを投入。
このまま勢いに乗って反撃開始となるか?
 
#最新トラックバック
#プロフィール
HN : あんぴ
性別 : 男性
趣味 : NFL観戦
#ブログ内検索
#カウンター
#アクセス解析
#フリーエリア
 
忍者ブログ | [PR]
"あんぴ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.