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このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
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西部戦に敗れた泥門ですが、関東大会への東京地区の出場枠は3……
という事で、まだクリスマスボウルへの望みは繋がっていました。

それを説明しようとしたヒル魔さんですが、
まもり姉に自分のパソコンをいじらせていますよ。
何このさりげないヒルまも。
しかもまも姉はアナログ派人間のようで、
指一本でキーボードを使っていますよ。
かわいいなぁ。


関東大会への出場枠に関してですが、現実とは少し違っていますね。
 東京  3(3.5/32)
 神奈川 2(1.5/14)
 SIC   1(1.5/11) 
 静岡  1(1.0 /3)
 北海道 1(0.5/2)

SIC地区というのは、埼玉・茨城・千葉の3県を集めた地区の事です。
上の数字の見方ですが、東京に関して作中での出場枠が3、
カッコ内は実際の2005年地区大会の実績で
出場枠が3.5、出場校が32校という事です

さらに、作中では分かりやすくするためか、
0.5の部分はカットしてありました。
実際には北海道1位が神奈川2位と、東京4位がSIC2位と戦い、
勝利したチームが関東大会への出場枠を得る事となるので、
3.5や0.5という表記になっています。

関東大会なのになんで静岡や北海道が入っているの?
と思われる方もいると思います。
上で挙げた県以外では、アメフト部がある学校自体が無いので、
地区予選自体もありません。
(アメフト部はあっても、連盟に加盟していないから
 大会に参加できないのかもしれません)
つまり関東大会というのは、実質的には東日本大会となっているので、
静岡や北海道が含まれるのです。

あと各地区の出場枠についてですが、
地区予選の段階で最大16倍の出場校の差があるのですから、
出場枠に差があるのは仕方が無い事です。

少し前後しますが、ヒル魔さんが3位決定戦の存在を
教えたら気が緩むと言っていましたが、
もし3位決定戦の事を知っていたら、
西部を最後まで追い込む事は出来なかったでしょう。
ここまで西部を追い込む事が出来たからこそ、
再戦に期待が持てると思います。
再戦の時には、ムサシも、そして雪光さんもいるでしょうから、
また違った展開になりそうですし。

審判に文句を言っていたモン太に、ヒル魔が銃弾を浴びせていますが……
ここでの台詞は実に興味深いです。
モン太に対して言っているようですが、あの台詞の裏を返せば、
誰1人欠けてもダメだという事になりませんかね。
(深読みしすぎかな?)

そして鉄馬のヒザカックンも、自らの意思で行ったものと判明。
モン太を初めてのライバルとして認識した鉄馬の表情が、
今まで見せた事の無い表情に見えました。

試合に向けて準備をしている進さんの姿を見て、
セナ君は再戦に向けて決意を新たに結びました。
そして陸くんからの言葉にはっとするセナ君。
師匠である陸くんから貰った
「1人のアメリカンフットボール選手だ」
という言葉……セナ君は確かに西部戦を経て、
逞しさを増したように感じます。

王城の相手は盤戸スパイダーズ。
そのベンチには赤目でギターを持つ男が……
しかもこの男、栗田君を簡単にいなしました。
アイシールドのあるヘルメットを持つこの男の背番号は21、
そしてセナ君に対しての言葉、
本物のアイシールド21が登場でしょうか?
もしそうだとしたら、王城も苦戦するかも。

王城vs.盤戸、赤目の男の登場で
どちらが勝つかは全く分からなくなりました。
どんな試合になるのか楽しみです。
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西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ、

泥門は最後の望みを賭けてのオンサイドキック。
キックされたボールは、両チームのエースレシーバー
鉄馬とモン太が空中で同時にキャッチしました。
ボールの確保に執念を燃やす2人。
しかし、モン太の指はボールの縫い目にかかっていたため、
鉄馬の手から少しずつボールが抜けていきます。

そして大混戦の中、ついにモン太がボールを奪い取りました。
セナ君をはじめとした泥門の選手たちは、
喜び勇んでそのままブロックに向かいます。
しかしリターンを始めたモン太の目には、
ブロックせずに厳しい表情で立っているヒル魔さんの姿が……。
そして審判は、片手を上げて「ボールデッド」、
さらに西部ボールとの判断を下しました。

ここまで作中であまり触れられてこなかった
「ボールデッド」について説明します。

1プレイ1プレイでその都度仕切り直しになるアメフトでは、
・得点する
・パスしたボールが地面に着く
・ボールを持ったプレイヤーがフィールド外に出る
・ボールを持った選手が、手の平・足の裏以外の
 体の一部分を地面につける
これらの事象が発生した時、プレイ終了と判定されます。

ディフェンス側がボールキャリアに
タックルしてを転ばせる(ダウンさせると言います)と、
一番下の項目が適用され、その時点でプレイが終了
「ボールデッド」となります。

ちなみに、NFLでは体の一部を地面に付けた要因が守備側の
タックルでなければ、再び立ち上がりプレイを続ける事が出来ます。
自分で滑って転んだ場合には、再び起き上がって
前進する事が可能なんですね。
しかしNFL以外では、転んで体の一部が地面に着いた瞬間に、
プレイが終わってしまいます。
最初の試合、セナ君がキックオフリターンをした時の
(逆向きに走った時)
恋ヶ浜戦での初條の言葉がこれに当てはまります。


では、今回の鉄馬とモン太のボールの奪い合いについて。

攻撃側・守備側の両チームの選手が、互いにボールを持ちながら
ダウン状態になった場合は、どのように判定されるのでしょうか?
この場合は、攻撃側にボールの保持権が認められることとなります。

ではキックオフの時には?
キックオフで本来ボールを持つのはリターン側、
という事でリターン側が攻撃側扱いになるようです。
という事でリターン側にボールの保持権、つまり攻撃権が与えられます。

鉄馬とモン太のボールの奪い合いを振り返ってみると、
鉄馬の手からボールが離れるよりも早く、
鉄馬の体が地面に着いている描写があります。
(5ページ目左上コマ)
その時点で、ボールは鉄馬の手から離れていないので、
鉄馬はボールを確保していると判断されるのは妥当です。

という事は、鉄馬の体が地面に着いた時点でダウンとなり、
「ボールデッド」となります。
つまり、もうこのプレイは「終わっている」ので、
その後ボールを奪われようが関係ありません。
モン太は呆然とした表情で立っていますが、
審判としてはきちんとした判定を下しただけなのです。

この結果、攻撃権は西部側に……喜びを爆発させる西部の選手達に対し、
ただ時間が過ぎていくのを待つ事しか出来ない泥門の選手たち……。

個人的には、ニーダウンのシーンを描いてほしかった。
あれは最後に時間を潰す側にとって
最高のセレブレーションだと思うのですが。

そしてそのまま試合終了。
44-42と最後まで西部を追い詰めましたが、
進さんの言う通り、100点差でも1点差でも負けは負け。

スポーツの世界では一方が勝者になると同時に、
もう一方が敗者となってしまうのです。
鈴音ちゃんの涙に、こちらも貰い泣きしそうになりました。
その後の3兄弟の悔しがりようも、辛さを倍増させてくれます。

そんな中、諦めきれないモン太が審判に詰め寄ります。
まだ「試合中」だという審判に対して、さらに文句を言い続けますが……
ヒル魔・ムサシが審判の目が変わったのに気付き、
モン太を止めに走ります。
「試合中」に審判に必要以上の暴言を吐いたら退場になるだけでなく、
葉柱ルイよろしく出場停止という可能性も出てくるのですから。

しかし、暴走するモン太を止めたのは鉄馬でした。
これまで指令通りにしか動かないという鉄馬が、
自分の意志で動いたのを見せたのはこれが初めてでは?
最後のキャッチ勝負を「試合に勝って勝負に負けた」と感じ、
モン太をライバルと認めたからこそ
ヒザカックンをして止めたのか。
もしそうだとしたらええ話や。

ここで厳しいツッコミをさせてもらうと、
ルールを理解していないのはモン太の方だよ……
悔しくて暴走しちゃったのは分かるけど、
だからと言って審判に暴言を吐くのは
スポーツマンとしては絶対にやっちゃいけない事だよ。

泥門は結局3位決定戦に回る事に。
しかし、ここで勝てばクリスマスボウルへの道は
何とか繋がります……って、また皆知らなかったんかい。
皆、ルールやシステムもっと勉強しようよ。
3位決定戦の相手は、あのチームになりそうですよ。
まず最初に、本編表紙イラストの石丸さん。
右目しか見えないのに石丸さんと分かるあの存在感(?)。
さすがです。

西部ワイルドガンマンズvs泥門デビルバッツ、
セナ君がついに陸君を抜き去り、TDを奪いました。
さらにトライ・フォー・ポイントでムサシのキックも成功、
44-42と2点差、これでFGが決まれば逆転ですよ。

残りは1分、泥門が勝つためにはもう1度攻撃権が必要です。
しかしキックオフは得点を取った泥門側です。
真田アナウンサーが、西部の手にボールが渡った瞬間に
試合終了が決定……と言っていますが、
タイムアウトが3つ残っていれば、
西部にボールを渡してもぎりぎり大丈夫です。
そのような状況になったら、さらに厳しくなるのは確かですが。
その事実に気付いていなかった、セナ君たち……
十文字君が分かっているのに、何で君ら分かってないのよ?


ちなみにタイムアウトが残っていた場合について説明すると、
1個も残っていない場合は、十文字君の言う通り
25秒×3で1分を使い切られてしまいます。

しかしタイムアウトを使えば、次のプレイが始まるまで
時計が動かなくなるので、1つのタイムアウトにつき
25秒の消費を1回防ぐ事ができます。
という事で、1個しかタイムアウトが残っていなかったら、
70秒以上の消費が確定なのでほぼダメですね。
2つ残っていても、25秒+1プレイの平均時間5秒×4で45秒ほど消費され、
残りは20秒程度になってしまいます。
3つ残っていればプレイにかかった時間の20秒ほどで済みます。
しかしそれは1st downを奪われなかった場合であって、
1st downを奪われればその時点で4回の攻撃が追加され、
泥門の負けが確定します。

上で書いたように、いつも通りのキックオフをすると
自分の所に攻撃権が回ってこないまま、
試合が終了してしまう可能性が出てきます。
そこで出てくるのがオンサイドキックです。

ここでオンサイドキックについて、
今までよりもう少し詳しく説明します。
今までに説明した話とかぶる部分もありますが、
説明を円滑に進めるためなので、あらかじめご了承下さい。

点を取った後は、得点した側のキックオフで試合再開となります。
作中にもある通り、キックオフは相手に攻撃権を渡すプレイなのですが、
ルール上、最初の置いてあった位置より10ヤード以上ボールが進むと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるのです。
このルールを使って、得点した後再び攻撃権を奪おうとするのが
オンサイドキックなのです。

文だけだと分かりにくいので、
下に簡単な図を作ってみました。
(これでも分かりにくいかもしれませんが)

      このゾーンは、両チームともボールを
      キャッチする事が出来る

(45)  ----------------------------------------

 ↑↑   このゾーンでは、キックした側はボールに触れない
 進行   ボールに触ると反則となります
 方向

(35)  -------------------()-------------------

(35)は自陣35ヤードライン
(45)は自陣45ヤードラインを示します。
自陣40ヤードのラインは、省略してあります。

高校生なので自陣35ヤードからのキックオフ(だったはず)ですが、
NFLでは、キックオフは自陣30ヤードからです。

オンサイドキックでボールを確保すれば、
得点を奪った後に続けて攻撃権を得る事が出来ますが、
リターンがある代わりに、もちろんリスクもあります。

先ほども書きましたが、キックオフは相手に攻撃権を渡す
プレイなので、相手の攻撃開始地点を出来るだけ自陣のエンドゾーンから
遠ざけるべく、なるべく遠くへボールを蹴りこみます。
しかしオンサイドキックでは、ボールは10ヤード前後しか
飛ばさないので、リターン側(蹴られたボールをキャッチする側)に
ボールを確保されてしまうと、エンドゾーンまで
50ヤード無い状態で攻撃権を渡してしまう事になるのです。

ですので、オンサイドキックを使う状況は、この試合のように
追いかける側が攻撃権を渡せない状況の時に使われることがほとんどです。
ごくたまに奇襲的にオンサイドキックを使う場合がありますけど、
失敗した時には相手に得点を奪われやすくなるので、
めったに見られるものでは有りません。

だったら、通常のキックオフと同じように大きく蹴りこみ、
ボールを奪おうとすれば良いのでは?と思われるかもしれません。
しかし、通常のキックオフは50ヤード以上飛びます。
しかも滞空時間は5秒有るか無いかぐらいですから、
40ヤード4秒2であるセナ君の足でも
ボールの落下地点に到達するのは容易ではありません。
さらにリターン側の選手がブロックをしようとしますので、
ボールに触る事はまず出来ないでしょう。

ムサシの後半最初のキックオフの時、大きく蹴りこんだボールに
セナ君が追いつきそうになりましたが、あれは例外中の例外。
そのときの感想でも書きましたが、それまでは短かったキックが、
いきなり大きく飛んだためにリターン側が対応できず、
ボールを後ろに逸らしてしまったため、
あのような状況が生まれたのです。

さらにキック側がにはまだ不利なルールがあります。
キックされたボールに対し、レシーブ側には
「フェアキャッチ」をするという選択肢があるからです。

キャッチする前に手を上げて左右に2・3度振る事によって、
相手選手にフェアキャッチだと知らせます。
このフェアキャッチの合図をすると、ボールをキャッチした後に
前進していくリターンの権利を放棄する事となります。
その代わりに、ボールをキャッチした選手に
タックルする事が禁止されるのです。
選手はキャッチの直前までボールに集中しているため、
相手選手のタックルに対しては無防備になってしまいます。
そこにタックルを受けると、大きな怪我に繋がる可能性が出てきます。
フェアキャッチは選手の安全を守るためのルールなのです。

ちなみに、2001年にプロレス団体のWWFが作った
XFLというアメフト団体があったのですが、
過激さを売りのこの団体のアメフトは、
フェアキャッチのルールがありませんでした。
そのかわりキャッチ選手の5ヤード以内に
近づいてはならないというルールがあり
必ずリターンをさせて試合を盛り上げようとしたようです。
キャッチしてからの激しいタックルも見せ所ですしね。
(しかしXFLは1年でリーグが潰れてしまいましたが)

日本のリーグでも、フェアキャッチの合図をすると、
キャッチしようとする選手の2ヤード以内に近づいたら
反則となっていました。
NFLでは、選手に触らなければOKというルールなので、
日本の方がより選手を保護するようなルールになっていますね。
(もしかしたら今はこのルールは無いのかも)

前振りが長くなりました。
このフェアキャッチのシステムがあるため、
ボールを高く蹴り上げても、フェアキャッチの合図をされれば、
キック側はボールを確保する事が出来なくなってしまいます。
という事は、キック側はただ蹴るだけでなく、工夫が必要となります。

そこで出てくるのが、フェアキャッチは
ノーバウンドの時しか出来ないというルール。
という事は、1度地面にボールが付くと、フェアキャッチを
する事が出来ない……つまりキック側にも
ボールをキャッチするチャンスを生む事が出来るわけです。

そこで通常のオンサイドキックでは、
ボールの上方を蹴って一度地面にバウンドさせた上に、
選手がボールをキャッチできるように高く跳ね上がらせ、
キック側がボールに触れられるように、
10ヤードぐらい飛ぶようにキックすることとなります。
プロのキッカーでもこれはかなり難しい技術で、
あまりバウンドしなかったり、
そのままフィールド外に出てしまったりと
大失敗となる事も少なくありません。

ちなみに140th downで書いた、
バッカニアーズvs.コルツの大逆転の試合では、
逆転したコルツ側が、オンサイドキックを1回成功させています。
しかもそのオンサイドキック、ワンバウンドさせるべきキックオフを
ノーバウンドで蹴っている、非常に珍しいケース。
バッカニアーズの選手は、ノーバウンドだった事に気付かなかった為、
だれもフェアキャッチの合図を行いませんでした。
もし、この時にフェアキャッチの合図をしていたら……
世紀の大逆転劇は起きなかったのかもしれません。

再びオンサイドキックの話に戻りますが、
オンサイドキックの成功率は25%程度、
奇襲的に行っても成功率は4割程度だったはずなので
(ソースが見つかりませんでした)
まさに最後の賭けと呼ぶに相応しい一か八かの作戦なのです。

しかも泥門にとっては、オンサイドキックを成功させた所で、
その後FGが蹴られる地点まで前進できなければ、
得点を奪うことが出来ません。
という事は、この時点では西部がまだまだ有利な状況……
しかし、もしオンサイドキックが成功すれば、
チームの雰囲気は一気に盛り上がるので、そのままボールを前進させ、
FGで逆転勝利というシナリオは十分に考えられます。

キッドもヒル魔もオンサイドキックになる事は
承知していたようですが、キッドの使った「原始の戦い」
これは上手い形容ですね。
アメフト本来の力・戦略・技術の戦いではなく、執念と運とが大きく絡む
オンサイドキックには、ピッタリな言葉かもしれません。

いよいよオンサイドキックのプレイが近づいてきました。
オンサイドキックを行うときには、
どちらのチームもキャッチが上手い選手を使うことが多いです。
特に背の高いWRや、体格の良いTEは、キャッチ要員としては最適。
でもキッドさんは……本来出なくても良いはずですよ、QBですから。
でもヒル魔と直接決着をつけるべく出てきたのかも。
そうだとしたら燃える展開だなぁ。
泥門側はもちろんメインメンバーは全員参加。
人数いませんからね。

ムサシの「覚悟は済んだな」という言葉に痺れました。
2005年のスーパーボウルでも、
イーグルスがオンサイドキックを試みましたが、
見ていたこちらもその瞬間は緊張していたのですから、
実際にプレイしている選手たちの緊張は
想像できないレベルまで達していると思います。
特に今回、泥門にとってはオンサイド失敗=敗北ですから……

心臓の鼓動の音と共に、ヒル魔・栗田・ムサシの
3人がテレビに名前を書いている場面が……
その後には同じテレビに名前を書く後輩たちが……

そして一瞬の静寂の後、ムサシがボールを蹴りだしました。
ムサシのキックは、上で書いた一般的なオンサイド用キックではなく、
ボールを不規則にバウンドさせる低いキック、
「スクイーブキック」を使ってきました。
スクイーブキックは賊学の爆竹キックと同じようなものです。
アメフトボールが楕円形な事を使ったキックです。
先ほど書いたようなワンバウンドのキックだと、
鉄馬にあっさり取られかねませんから、
スクイーブキックにしたのは賢明な選択かも。

不規則にバウンドするボールに22人の選手が突っ込みます。
陸君が手を伸ばしますが、ボールをキャッチするには至りません。

ちなみに陸君がボールに触ったようにみえましたが、
もし触っていたとなると、10ヤード進まないと
ボールに触れないというキック側の縛りは無くなります。
レシーブ側の選手がボールに触れてしまうと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるからです。

ボールに最後に向かったのはモン太と鉄馬、
レシーブ対決では有りませんが、再び直接対決を迎える事に。
そして2人同時にボールをキャッチ、
見た目では5分5分のような感じでしたが……
どちらがボールを確保するのか?
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ、
試合終盤で9点差という状況、
キッド→鉄馬という黄金コンビへのパスをモン太がカット。
しかしモン太は、パスカットをしたものの体勢を崩してしまったため、
ボールをキャッチする事はできず浮いたボールを仲間に託しました。
その浮いたボールを地面に落ちる寸前にセナ君がキャッチ、
この時点でターンオーバーが成立となりました。

ここでの描写を見ていると、鉄馬のキャッチは
成立してはいなかった感じですね。
もしキャッチが成功していたら、地面すれすれで
ボールをキャッチする描写は必要無いですから。

ボールをキャッチしたセナ君の前には、
十文字君が、ムサシが、石丸さんが……
走路を開けるべくブロックをしていました。

皆がブロックして作ってくれた走路を走るセナ君、
しかし陸君が行く手に立ちはだかりました。
って、本来一番後ろに居るはずのキッドさんどこ行った?

陸君をかわそうとしたセナ君に、
どぶろく先生のアドバイスが……
通常だったらこのアドバイス通りでOKですよ。
残り時間は少ないですが、ターンオーバーで攻撃権を
奪っただけでも良しとしないと。
もちろんリターンTDを奪えれば最高ですが、
無理してタックルを受け、ボールを弾いたりでもしたら
全く意味がなくなってしまいます。

陸君の後ろに誰もいない事に気付いたセナ君は、
陸君の方へと突っ込んでいきました。
セナ君、自分から陸君のほうへ突っ込んだのに、
自分で自分へツッコミ入れてますよ。

セナが向かってきたのを見て
ロデオドライブでセナに襲い掛かる陸君。
そこへセナ君もさらに加速、
真正面から突っ込み、1対1の対決となりました。

陸君は、突っ込んできたセナ君に対し、
ボールを叩いてのファンブルフォースを狙ってきました。
しかしセナ君は、その腕を上手く使って
体をスピンさせ、そのまま陸君をかわして抜き去りました。
セナが体をひねった瞬間に負けを悟った陸君。
ここで陸君は何を思ったんだろう……。

しかしここでの陸君のプレイは、
実際にはやってはいけないプレイでした。
最後の1人であるならば、きっちりとタックルをして、
セナ君のリターンを止めるのが最優先事項ですよ。
でも、陸君はボールを狙いに行っちゃいました。
もしここで陸君がタックル出来ていれば、
デビルバッツに攻撃権は渡るものの、
その後デビルバッツに攻撃させる事で
時間を費やさせる事が出来たはずなのです。

でも……チームが勝つためには、陸君もこの状況で
どうすべきか分かっていたかもしれません。
それでもセナとの戦いに駆り立てられたのかも。

ヒル魔vs.キッドのプレイの読み合い、
モン太vs.鉄馬のモン太の執念のパスカット、
そしてセナvs.陸、1プレイで3つの対決を
全て入れてあった事に気付いてぞくぞくしました。

セナ君はそのままエンドゾーンに駆け込みTDを奪取、
今まで見せなかった表情を見せながら声を上げました。
それぞれは、たった1回勝利しただけかもしれませんが、
それらの結びついて奪ったこのTDに、
セナ君も思わず声が出たのでしょうか?
こっちもちょっとジーンと来ちゃいましたよ。

しかしこのタッチダウンの時点でまだ3点差、
トライ・フォー・ポイントが決まっても1点or2点差なので、
まだもう1回攻撃権が必要です。
勢いは泥門デビルバッツにありますが、
西部から攻撃権を奪えなかったらそれで終わってしまいます。
もう一度攻撃権を奪うために、今度こそオンサイドキックかな?
もしそうなったら、かなり熱い展開になりますよ。
どちらが決勝への切符を掴むのでしょうか?
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ、
残り3分を切って、44-35と西部リード。
西部は当然のごとく、時間を潰しに来ました。

対王城戦で「ハドルで時間潰して……」という
ヒル魔さんの台詞がありましたが、
ここで西部が行っているのが、まさにその状況なのです。

暴れるモン太&黒木に冷静に解説してあげているムサシさん。
ムサシの言う通り、アメフトではリードしている側が
時間を潰すのは当然の戦術。
何度も書いていますが、時計が減算式のアメフトにおいては、
残り時間が0となった時に、1点でも多い方が勝者となります。
ですから、リードしている側が1ポゼッション差以上
リードしている場合には、試合終盤では無茶して攻めずに、
時間を消費しきればよいという戦略を選ぶ事が多いです。

1回のハドルで潰せる時間は25秒(NFLでは40秒)、
さらに1プレイで5秒ほどかかりますので、
1プレイ毎に30秒ほど潰せる計算になります。
ですので、4回の攻撃権で1分半程(NFLでは2分超)が
消費される事になります。
△=プレイ(5秒)、○=ハドル(25秒)とすると
△○△○△○△ これで95秒となりますね。
もし4回目の攻撃権までに1st downが奪えれば、
さらに時間を消費していく事が可能です。

残り3分を切ったこの段階で、西部は2回の1st downを奪えれば、
ほぼ勝利という事が出来ます。
(1プレイで1st downを奪ってしまうと2回では足りなくなりますが)

時計を止めるためのタイムアウトが泥門には残っていますが、
まだここは使う場面ではありません。
なぜなら、泥門には2回の攻撃が必要だからです。
攻撃権を得て1回得点した後、西部の攻撃の時にタイムアウトを使って
時計を止め、最後の攻撃のために時間を残す、
これがこのような場面でのタイムアウトの使い方のセオリーなのです。

リードしている西部の方は、時間を確実に消費していくために、
パスプレイではなくランプレイを選択する事となります。
パスプレイの場合には、パスが失敗すると時計が止まり、
次のプレイが始まるまで時計は動かないので、
ハドルで時間を潰す事が出来ません。
という事で、1回のパス失敗は
相手に25秒の時間を与えてしまう事と同じなのです。
さらにパスの場合には、インターセプトで攻撃権を失う
可能性もあるので、このような状況でパスプレイをするのは、
ほとんどありえない選択と言う事ができます。

守備側もランプレイと読んで、ゴールラインディフェンスのように、
前方に選手を集めているので、パスを投げれば決まりやすい
状況と言えるのですが……ここでどれだけリスクとリターンの
計算が出来るかが、勝負の分かれ目となります。

試合終盤の息詰まる攻防は、アメフト最大の魅力。
今シーズン(2004~2005)の王者を決める
第39回スーパーボウルでも、このような状況がありました。
3点をリードしたペイトリオッツは、残り1分47秒で攻撃権を得ますが、
イーグルスにタイムアウトが2個しか残っていない事から、
躊躇無く3プレイ連続でランを選択しました。
最初の2プレイでタイムアウトを使い切らせると、
1st down更新で勝ちが確定する状況にも関わらず、
3rd&5(3回目の攻撃で1st down更新まであと5ヤード必要)から、
ランプレイを使って、残り55秒まで時間を消費しました。
しかし、自分達の強いディフェンスを信じてのこの選択が、
結果的にスーパーボウルチャンピオンを引き寄せる選択となりました。
この後の4th downでのパントが、敵陣4ヤード地点まで飛び、
イーグルスに止めを刺すような形になりました。

残り46秒で最後の攻撃に賭けたイーグルスですが、
自陣4ヤード(ゴールラインまで96ヤード)という位置は、
あまりにも得点には遠すぎました……。
僅差での終盤の面白さは、バスケと並んで最高ランクだと
個人的には思っています。
皆さんにも、実際の試合でそのような状況を楽しんでほしいです。

どぶろく先生の言う通り、ここでわざわざリスクの高い
作戦を行う事はほとんどありません。
ランプレイのみで攻めていく事がほとんどです。

浮かれている牛島さんをはじめとした西部のメンバーですが、
陸君とキッドさんだけは、嫌な感じを受けているようです。

時間は無情に過ぎて行く中、まも姉とヒル魔さんが
秘密の暗号でやり取りをしていますよ……。
まもり姉が調べた成功率が高い「ヒッチ」コース、
西部の方もそのパスを選択してきました。
ムサシさんも言っていますが、攻撃側が時間を潰しにかかると
前進はしたいがリスクは犯したくないという事で
コンサバティブ(保守的)なプレイを選択しがちになり、
結果的に幅が狭まる事となります。
そこをヒル魔さんは狙っていました。
しかもぴったりのタイミングで……。

そしてプレイ開始。
予想通りの「ヒッチ」ルートを走ってきた鉄馬を見て、
モン太がすかさず追いかけます。
しかしルートを読まれている事も「読んでいた」キッドは、
下手投げの弾丸のようなパスで相手の裏をかいてきました。

このパスが決まれば、さらに時間の消費は必至。
またもたキッドに軍配か……と思いきや、
ヒル魔さんはモン太に策を授けていました。
モン太が狙っていたのは、鉄馬の指。
ボールをキャッチする際の力を抜く一瞬を狙ってきました。

無敵の鉄馬がついに敗北、
ここの所良い所無しだったモン太がついにやりました。
ボールは宙に浮いているわけですが、
描写を見ていると、パスキャッチ後にファンブル発生
というよりは、パスをカットした形になっています。

パスキャッチに関しては、レシーバーがボールを確保したと
審判が認めた後、両足など体の2箇所が地面に着いた時に、
パスキャッチが成立したと認められます。
(NFL以外だと1箇所でOK)
今回のようにキャッチした瞬間にボールを弾かれると、
確保が不十分という事でパスキャッチは認められない事が多いです。

もしファンブルであれば、転がっているボールを確保した方に、
攻撃権が移ることとなりますが、
パスカットであれば地面に着いた瞬間にパス失敗となるため、
このボールを空中でキャッチしなければなりません。

空中にこぼれたボールの行方は?
そして泥門最後の追い上げは成功するのか。
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ
戦いは最終クォーターの10分を残すのみとなりました。

得点は先週最後の時点で36-27。
泥門は15点差からTD後の2ポイントを失敗したのかな?
15点差の時は、2ポイントを失敗すると9点差となり、
2ポゼッション差のままになってしまうから、
まずはキックで7点を追加し1ポゼッション差を
保つのがセオリーなんだけど……。
このトライ・フォー・ポイントで追加点を奪えなかった事が、
後々響いてしまう事になりますよ。

本来ならフィールドに出さないはずのキッカーのムサシまで動員して、
西部の攻撃を止めようとする泥門。
栗田&小結は、ライン戦でこそ活躍していますが、
キッドの早撃ちのせいで、前進を止める事は出来ていません。

ゴールライン直前での西部の最後の攻撃権(4th downの攻撃)。
ここで西部はギャンブルでTDを狙ってきました。

本来、4th downでは通常のプレイは行いません。
4th downの攻撃を行った際に、1st downを更新するか、
(連続攻撃権獲得と作中では言っています)
TDを奪うことが出来ないと、相手に攻撃権が移ってしまうからです。

ですので選択肢としては、ボールを持って蹴り
相手の攻撃開始地点を奥へ押し込む『パント』を選択するか、
ゴールポストが近い場合は、ボールを置いてポールの間を狙って
キックする『フィールドゴール(FG)』を選択するか、
通常のプレイ『ギャンブル』を行い、1st downの更新
もしくはTDを奪いに行くかを選択する事となります。

9点差という事でFGでも良しと思われましたが、
ここで西部は『ギャンブル』を選択。
西部の監督さん、前回は少し臆病になりましたが、
こういう場面だと、ちゃんとイケイケな選択するんですね。

そして運命の4th downギャンブル……
西部は陸君のランプレイでの中央突破を選択しました。
オフェンスラインとディフェンスラインのせめぎ合いの中、
陸君は何とかボールをエンドゾーン内にねじ込みました。
このTDの時点で42-27、15点差となりました。

実際の試合でも、ゴール前でのシチュエーションでは、
このようなプレイは良く行われます。
選手が密集しているため、ボールが死角に入る事も多いのですが、
審判さんはほとんどの場合で正確な判断を下すんですよ。
多くの審判が見ているという事もありますが、
審判のレベルが高い事の表れでもあると思っています。

でも、プレイが終わってからボールをねじ込んだとしても、
確認する手段が無い場合もあるわけで……
今回の陸君のTD、プレイ終了前にボールをねじ込めていたのか、
はっきり分からないですよね。
そういう場合には、現状が優先される事が多いので、
TDと認定される事となります。

TDを奪われたものの、士気は下がらない泥門のメンバー達。
そんな様子を見た西部のディフェンス陣はびびっております。
そんな中キッドは、泥門の選手たちの姿と
自分の姿を重ね合わせていました。
親の期待に応えるために、最強の座を目指していたあの時期。
そのときの気持ちと同じものが、今度は自らの意思で表に出てきました。

西部のトライ・フォー・ポイント、がちがちのキッカーが
蹴ろうとした瞬間、ホルダー役のキッドがボールのセットを外し、
パスを投げる構えを見せました。

ヒル魔さんもキッカーと同時に気付き、セナたちに指示を与えました。
しかし、キッドの投げたボールは、セナ・モン太・ヒル魔の
3人を吹き飛ばした鉄馬の手へと吸い込まれていきました。
3人に囲まれた鉄馬へパスを投げる……
2人の信頼度の高さが分かるプレイでした。

トライ・フォー・ポイントで2点を追加した西部、
これで44-27、3ポゼッション差となる17点差まで点差が広がりました。

1点の重みが良く分かるのが、この16点差と17点差の違い。
今回の感想の最初の方で書いたトライ・フォー・ポイントの1点、
その1点があればここでまだ16点差だったので、
ぎりぎり2ポゼッション差でおさまっていた筈なのです。

残り時間が少ない中、3回の攻撃権が
必要となってしまった泥門デビルバッツ。
急いで得点を奪わねばならなくなりました。
高見さんは7分での3ポゼッション差を絶望視していますが、
以前書いた通り、7分あれば3ポゼッション差の逆転は
不可能ではありません。

対する西部の方は、残り7分で3ポゼッション差という事で、
タイムコンシューミング(時間の消費)にシフトしました。
追いかけられているチームにとって一番まずい事は、
1プレイで一気に進まれる事(一発でTDを奪われるなど論外)、
そして時間を止めながら攻められる事です。

アメフトは減算式で時間が進んでいくので、
残り時間が0となった時に、1点でも勝っていれば良いのです。
そこで少し大きめの点差でリードしているチームは、
相手にTDを与えても良いから、時間を使わせるような
ディフェンスをする事があります。
これがプリベントディフェンスです。

プリベントディフェンスでは、後方とサイドライン際を
手厚く守り、中央部を少し手薄にします。
中央部へのランやパスが来ても、タックルで確実に仕留めれば、
フィールド内でプレイが終わるため、時計が動き続けます。
サイドライン際も手厚く守っているので、
ボールを持った選手がフィールド外に出て
時計の動きを止める事も防ぎやすくなります。
結果、進まれて得点は奪われてしまう事とはなりますが、
時間はたっぷり消費する事となります。

西部の監督の台詞はこういう事を意味しています。
実際の試合でも結構行われていますので、
同じような状況が出てきた時に思い出して頂ければ幸いです。

鈴音ちゃんの応援に応えるデビルバッツ、
なんとか石丸君がTDを奪いました。
さらにトライ・フォー・ポイントでは、
ヒル魔さんがキッドが行ったプレイと同じプレイで、
2ポイントをもぎ取りました。
ここで2ポイントを狙う意味は無いのですが、
これはヒル魔さん流の示威行為なんでしょう。

2ポイント成功で44-35、残りは3分。
ヒル魔さんはこの状況になるのを待っていたような
発言をしていますが……どんな策を持っているんでしょう。
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ
泥門が勢いに乗ってきました。

ムサシのキックオフで、西部を自陣奥深くに追い詰めた泥門。
続いてのプレイでは、ライン戦で圧倒しそのまま押し込むと、
ボールキャリアをエンドゾーン内でタックルし、
セーフティをもぎ取りました。
起き上がる栗田君の下には、下敷きになった選手たちが。
十文字と戸叶も巻き添えでペラペラ……大丈夫?

前回書きましたが、泥門がセーフティを奪ったので、
次の攻撃権も泥門に回ってきました。
この攻撃権をFGに繋げて3点を追加、
29-21の8点差、1回のTDでぎりぎり追いつける
1ポゼッション差にまで迫ってきました。
しかしムサシさんのキック、威力はありそうだけど
ボールの動きが危なすぎ。
きれいに回転していなさすぎですよ。

ちなみにTDやFGで得点を奪った際には、自陣30ヤード
(日本では自陣35ヤード)からキックオフを行い試合を再開させますが、
セーフティの際には自陣20ヤードから
「フリーキック」で試合を再開させます。
フリーキックは名前の通り、ボールを置いて蹴る(プレースキック)、
持って蹴る(パント)、どちらを選んでも構わない事になっています。
実際にはパントの方が滞空時間・飛距離とも優れているので、
パントを選ぶ事が多いです。

あともう1つ、先週の付け加え。
キックオフのボールを陸君が押さえたシーンですが、
あのボール、エンドゾーン内で確保していれば
タッチバックとなり自陣20ヤードから攻撃できていたんです。
でもあの時は下がりながら、しかもセナに追われながらという事で、
そこまで余裕が無かったんだと思います。
本来だったら、ボールがエンドゾーンに入ったところで確保し、
タッチバックにするのがセオリーですよ。

タッチバックとは、キックがエンドゾーン内に入ることです。
パントの際には蹴った側に攻撃権が発生しないので、
ボールがエンドゾーン内に入った瞬間にタッチバックとなります
(厳密に言えば、エンドゾーン内のフィールドに接触した時点です)。

キックオフの場合は、どちらにもボールを保持する権利が発生するので、
エンドゾーン内でボールを確保した後、リターンせずに
その場でプレイを終わらせる事でタッチバックとなります。
(プレイをやめる意思表示として
 膝を地面につけるニーダウンを行います)

またボールがエンドゾーンからフィールド外に出た場合は、
自動的にタッチバックとなります。

後半開始時点で3ポゼッション差だったのが
1ポゼッション差となり、意気が上がる泥門側。
3兄弟とモン太の掛け合いを見ていると、
本当に仲間になったって感じですなぁ。

対する西部側は、一気に得点差を詰められたせいか、
かなりプレッシャーを感じていますよ。
そんな中でも冷静さを保つ陸君……
武蔵の言うとおり1年生っぽくない落ち着きっぷりです。

続いての西部の攻撃。
キッドがショートパスを決めると、パスを受けた陸君が
ロデオドライブでセナをかわしてそのままTD。
7点を追加し再び突き放します。

点を取られた泥門ですが、イケイケムードは変わりません。
応援席を盛り上げるための鈴音ちゃんの応援、
可愛すぎなんですけど……。

さてさて続いては泥門の攻撃。
セナは陸君に止められてしまい、
陸君との対戦成績は陸君の99勝0敗に。
しかし陸君はセナが次第に進化していることを
感じ取っているようです。

セナは陸君に止められてしまっていますが、
今の泥門にはパスもあります。
エンドゾーンにいた夏彦さんにパスが決まってTD……
って、審判さん、ちょっと手を上げるのが早いんでない?
ボールを確保した後、足が地面に着くの確認してから
判定しないと。

終盤になるにつれ、点取り合戦の様相を呈してきたこの試合。
現状では西部が1ポゼッション~2ポゼッションリードという事で、
泥門は西部の攻撃を1回止めた上で、
さらに得点を取り続けないと追いつく事ができません。
鉄馬・陸君を止める手立てもいまだ見つかっていませんが……
残り10分、西部が逃げ切るのか?
それとも泥門が逆転するのか?
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ、
泥門が後半最初の攻撃でTDを奪い、追撃体勢に入りました。

「クリタン」「よーにい」に続いては「ムサシャン」
さらりとあだ名を付ける事が出来る鈴音は、実は最強の存在なのかも。
でも、「ムサシャン」は呼びにくいよ(^^;

トライ・フォー・ポイントのキックは、これまでの
ヒル魔さんのキックと違って安心して見られると思っていたら……
ポールに当たってぎりぎり成功。
45ヤードのFGを決めていたのに、20ヤードのTFPが
こんな危なっかしいんじゃ、ヒル魔さんが怒るのも無理ないですよ。
しかし、武蔵を蹴っているコマでのヒル魔さんのはじけっぷり、
怒りながらも楽しそうですよ。
TFPが決まり29-16、これでTD2本で逆転する得点差となりました。

さらに泥門のキックオフという事で、ムサシが再び登場です。
ムサシさん、気合入っていますよ。
2本差という事で、モン太たちも気合入りまくっています。

しかし、2本差となるのは相手を0点に抑えた時、
もし相手にTDを奪われ続けると、絶対に追いつけなくなってしまいます。
西部が得点を奪えば、泥門への流れを断ち切る事が出来ますし、
泥門が西部の攻撃を抑える事が出来れば、
さらに流れが傾いていく事となります。
ですので後半最初の西部の攻撃は、
両チーム共に大事なドライブとなるのです。
(得点を奪ったり、攻撃権を失うまでの一連の攻撃をまとめて
 ドライブと言います。)

そしていよいよムサシのキックオフ初お披露目。
とんでもない音を響かせ、ボールは宙高く舞い上がっていきました。
ボールの行方にビックリしている西部の面々……
きっどん、最近こんな表情多いね。


ここでキックオフについての説明をもう1度
「116th down(14巻収録分)」からの転載+αです。

キック側(キッキングチーム)は、NFLでは自陣の30ヤード地点から、
日本では自陣の35ヤード地点からボールをキックします。
ボールをキャッチする側(レシービングチーム)は、
キャッチした後に前進する事が出来ます(リターンと言います)。
リターンはタックルされたり、フィールド外に出たりすると終了、
ボールを進めた地点から4回の攻撃がスタートする事となります。

キッキングチームは出来る限り遠くへ蹴り、
相手の攻撃開始地点を自陣のエンドゾーンから遠ざけようとします。
逆にレシービングチームは、キャッチ後なるべくボールを前に運び、
攻撃開始地点を出来るだけ前に持っていこうとします。
リターンで相手陣のエンドゾーンまで持っていくとTDとなるので、
リターンチームはそれも狙っています。

通常、自陣30ヤード地点まで
(自分の陣地の一番奥から30ヤード進んだ地点)
リターンできればまずまず、と言われていますから、
双方の陣地の真ん中、50ヤード地点であるハーフウェイライン
(作中では中央付近と言っています)までリターンできれば、
かなり素晴らしいリターンだと言えます。


ムサシのキックは高く舞い上がり、西部のキックリターナーの
井芹さんと陸君は後ろに下がりながらボールを追う事に……。

得点した側は、得点後にキックオフをする事で、
相手に攻撃権を渡す事になるのですが
ある条件を満たした時にはキックした側が
攻撃権を奪うことが出来ます。
それは、キックされたボールが10ヤード以上進んだ時点で、
キックした側にもボールを確保する権利が生じるというルール。
これを狙ってやるのが、前週書いた「オンサイドキック」です。
ちなみに、この10ヤードという規定がもし無かった時には、
ちょこんと蹴って自分でボールを取る事が出来るので、
試合にならなくなっちゃいますね。

今回のムサシのキックは、当然10ヤード以上飛んでいますので、
どちらのチームも攻撃権を得る事ができます。
本来キックオフリターナーは、ボールを後ろに逃さないよう
できる限り後方で待機するのですが、
これまでのキックオフがそれほど飛んでいなかった為か、
ムサシのキックが常識外に飛んでいたのか、
後方へボールを追う事となってしまったのです。

落ちてきたボールに井芹さん・陸君ともに触る事ができず、
ボールはフィールドを転がっていきます。
そのボールを追っていくセナ君と陸君ですが、
ここでは陸君がボールの確保に成功します。
しかし、陸君が確保した位置は自陣のゴールライン目前。
セーフティの危険がある、非常に厳しいポジションから
攻撃しなければならなくなり、
たまらず西部の監督さんはタイムアウトをコールしました。


ここでセーフティについての説明を、
「119th down(14巻収録分)」で書いたものの改訂版です。

セーフティはオフェンスをしている側が
相手に得点を与えてしまう事から、自殺点と表現される事もあります。

アメフトではボールを進めた場所までが
自分の陣地になると考えてください。
相手の陣地の一番奥までボールを持っていけば、
フィールド全てが自分の陣地になったという事になります。
これが「タッチダウン」で、オフェンス側に6点が入ります。

逆にディフェンス側が攻撃側を押し戻し、
エンドゾーン内まで押し込むと、ディフェンス側がフィールド全てを
自分の陣地とした事になります。
これが「セーフティ」で、ディフェンス側に2点が入ります。
実際には、ボールを持ったオフェンスの選手が
エンドゾーン内でタックルを受けた際にセーフティが発生します。

そしてセーフティによる得点が、
他の得点方法と全く異なる事が、得点後のキックオフ。
普通タッチダウンやフィールドゴールで得点が入った後は、
得点を入れた側がキックオフをして試合再開となるのですが、
セーフティの際には得点を入れられた側が
キックオフをして試合再開となります。
(このキックはフリーキックなので、
 ボールを置いて蹴っても、持って蹴ってもOKです。)
ディフェンスをしていた側とすれば、セーフティで得点を奪った上に、
次の攻撃権も回ってくるという、2度おいしいプレイになるのです。

通常、ゴールラインを背負うような厳しいポジションでは、
ボールを前に確実に進めるために、
前週泥門がやっていたブラストプレイを使うことが多いです。
2回の攻撃権を使ってある程度ボールを前進させ、
3rd downにパス攻撃で1st down獲得を狙い、
危険な地域を脱しようとするのがセオリーです。
もちろん、裏をかいてパスという選択も「あり」なのですが、
どぶろくさんの言うとおり、捕まったら即セーフティという事で、
選択するのは難しいと思います。

タイムアウトまで使って考えたものの、
西部の監督は結局セオリー通りのランプレイを選択しました。

キッドの問いに自信満々に答えるヒル魔さん、
そして3兄弟を見ていると、攻撃権は西部なのに
攻守が入れ替わっているような雰囲気を感じました。

そしていよいよプレイスタート。
西部は教科書どおりに中央のランプレイ。
通常ランプレイでは、RBの陸君がボールを持つのですが、
少しでも押し負けないよう、そして受け渡しまでの時間を
減らすために、前にいるブロック役のFB(45番)に
ボールを持たせてきました。

しかし泥門のディフェンスラインは、
西部のオフェンスラインを完全に圧倒。
オフェンスラインを押し切って、
ボールキャリアの45番を敵陣エンドゾーン内で潰しました。
これでセーフティが成立して泥門が2点を追加。
29-18となりました。

これで1点差、TD&2ポイントにFG1回で追いつく差になりましたよ。
西部のような攻撃陣が強いチームでは、このような厳しい
ポジションから攻撃を開始する事なんて無かったでしょうから、
西部の監督が冷静に判断できなかったのは無理もありません。
これまでにこのような状況で攻撃を開始している経験をしていれば、
また違った選択をしていたかも知れませんが……。
結果論になってしまうので、どちらを選択しても
後々まで悩む事になるんです。

これで泥門はさらに押せ押せになる事でしょう。
しかし、今回はフィールドポジションのおかげで、
西部を自滅へと導く事が出来ましたが、
西部の攻撃陣との1対1の勝負はいまだに勝機を見出せていません。
まだまだ試合の行方は分かりませんよ。
西部ワイルドガンマンズvs.泥門デビルバッツ
前半終了間際のムサシのFG成功から、
流れは泥門デビルバッツに傾きかけています。

20点差を追いかける泥門は、栗田君のブロック力を使っての
ブラストプレイで、徐々に敵陣へと攻め入っていきます。

・ブラストプレイについての説明
動きがカードに書いてあるので説明が楽です。

カードのプレイは右のブラストですね。
カードではセンター(C・栗田君)が前に出ていますが、
その際に3人ぐらい巻き込んでいます。
本来はCは左右どちらかのディフェンスラインをブロック、
そしてフルバック(FB・石丸君)のブロックを使って、
RB(セナ君)が前進を狙います。

このプレイ、作中でも書かれている通り、
それほど大きな前進は望めません。
しかし、短い距離ならほぼ確実に進めるプレイなので、
状況によっては非常に使い勝手の良いプレイになります。

本編の流れとは少し前後しますが、
雪光君の言うとおり3回の攻撃で10ヤード進めれば、
1st downを更新し続ける事が出来ます。
なので、このブラストプレイが4ヤードずつ進められれば、
3回で12ヤード前進できるため、前進し続けることが出来るわけです。
オフェンスラインとRBに負担がかかるプレイですが、
確実性で言えばNo.1と言えるプレイです。
でもセナ君にはちときついような……大丈夫かな?

ラン攻撃で1st downを重ねる泥門デビルバッツ、
鈴音ちゃんも盛り上げ甲斐があるってものです。
しかし、クリタンという愛称はまだしも
「よーにい」には参りました……
ヒル魔さんをそんな呼び方できるのあなただけだよ。

ここでセナ君大発見、
TD+キック成功3回で20点差がひっくり返る事に気が付きました。
……って、大発見ちゃうって。
今まで気付いていなかったんかい。
やり取りを見ていた十文字君がとんでもない顔しています。
十文字君がこんな表情するとは思っていなかったですよ。
そんな十文字君を尻目に、大盛り上がりのみんな。
大声で騒がなくても、アメフトやっている人なら
3ポゼッション差だってのは分かっているって。

進さんのご指摘、そして先週書いたとおり、
後半丸々残っていての3ポゼッション差は十分射程圏内。
ここで1本返せば、試合の行方は全く分からなくなります。
(1本というのはTD1回の事)

さらにブラストプレイで進んでいくデビルバッツ。
1st down更新ラインの直前まで前進しています。
ここでデビルバッツはノーハドルで攻撃、
セナ君のダイブプレイで1st downの更新を狙ってきました。
それに反応したディフェンスラインの牛島君ですが……
セナ君のダイブはフェイク!
ボールはヒル魔さんが持っていました。

このように1st down更新まで1ヤードも残っていない時には、
ビッグプレイを狙って来るのは定石です。
もしパスが失敗しても、次のプレイで1st downを更新出来ますし、
パスが成功すれば一気に大きく前進する事が出来るからです。

失敗すると攻撃権を失ってしまう4th downの攻撃の時にも、
同じような状況からロングパスを狙う事もあります。
ディフェンス側は、確実にランプレイで1st downを
取りに来ると思っているので、
ランプレイを止めようと選手を前方に集めます。
その上がってきたディフェンスの裏へ
意表を突いてのパス攻撃。度胸は要りますが、
決まるとチームが勢いに乗っていくプレイとなるのです。

デビルバッツはこの状況、完璧なタイミングで
パスプレイを選択してきました。
ターゲットのモン太に向けて、
ヒル魔さんは弾丸のようなパスを投じます。
西部ディフェンスの手をかすめながらも、
ボールはモン太の待つダウンフィールドへ……
陸君も必死に手を伸ばしますが、指で触れるのが精一杯。
そしてボールはモン太の手の中に吸い込まれていきました。
モン太はそのままエンドゾーンに倒れ込みTD。
きちんとボールが地面に着かないようにしているのはえらいぞ、モン太。
(キャッチしたボールが地面に着くとパス失敗扱いになります。)

このTDで29-15、ヒル魔さんもここでキッドに対して啖呵を切ります。
キッドもこのままでは終わらないと思いますけど……。

さて、今週最大の謎はムサシの最後の台詞。
なぜに2本……久しぶりに謎な台詞が出てきました。
いくつか可能性を考えて見ますよ。

1番目
トライ・フォー・ポイントを2回だけ蹴って帰っちゃう。
2回蹴れば、3回目はTDした時点で同点ですから、
ムサシは要らないですよね。
でも、それじゃムサシが復帰した意味が……。

2番目
トライ・フォー・ポイントの後に、
キックオフリターンが出来ないぐらい飛ばす。
キックオフしたボールがエンドゾーンから外へ出るとタッチバックとなり
相手の攻撃を自陣20ヤードから始めさせる事が出来ます。
そうなるとエンドゾーンまで80ヤードもあるので、
タッチダウンを奪うのが厳しくなりますね。

3番目
トライ・フォー・ポイントの後にオンサイドキック。
もし正解だったらあれなので、説明は次回。
(感想本の1巻には書いてあるのですけど)

いろいろ考えてみましたが、どれでもない可能性もありますよ。
「2本」という言葉の真意はいったい?
 
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