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まず最初に、本編表紙イラストの石丸さん。
右目しか見えないのに石丸さんと分かるあの存在感(?)。
さすがです。
西部ワイルドガンマンズvs泥門デビルバッツ、
セナ君がついに陸君を抜き去り、TDを奪いました。
さらにトライ・フォー・ポイントでムサシのキックも成功、
44-42と2点差、これでFGが決まれば逆転ですよ。
残りは1分、泥門が勝つためにはもう1度攻撃権が必要です。
しかしキックオフは得点を取った泥門側です。
真田アナウンサーが、西部の手にボールが渡った瞬間に
試合終了が決定……と言っていますが、
タイムアウトが3つ残っていれば、
西部にボールを渡してもぎりぎり大丈夫です。
そのような状況になったら、さらに厳しくなるのは確かですが。
その事実に気付いていなかった、セナ君たち……
十文字君が分かっているのに、何で君ら分かってないのよ?
ちなみにタイムアウトが残っていた場合について説明すると、
1個も残っていない場合は、十文字君の言う通り
25秒×3で1分を使い切られてしまいます。
しかしタイムアウトを使えば、次のプレイが始まるまで
時計が動かなくなるので、1つのタイムアウトにつき
25秒の消費を1回防ぐ事ができます。
という事で、1個しかタイムアウトが残っていなかったら、
70秒以上の消費が確定なのでほぼダメですね。
2つ残っていても、25秒+1プレイの平均時間5秒×4で45秒ほど消費され、
残りは20秒程度になってしまいます。
3つ残っていればプレイにかかった時間の20秒ほどで済みます。
しかしそれは1st downを奪われなかった場合であって、
1st downを奪われればその時点で4回の攻撃が追加され、
泥門の負けが確定します。
上で書いたように、いつも通りのキックオフをすると
自分の所に攻撃権が回ってこないまま、
試合が終了してしまう可能性が出てきます。
そこで出てくるのがオンサイドキックです。
ここでオンサイドキックについて、
今までよりもう少し詳しく説明します。
今までに説明した話とかぶる部分もありますが、
説明を円滑に進めるためなので、あらかじめご了承下さい。
点を取った後は、得点した側のキックオフで試合再開となります。
作中にもある通り、キックオフは相手に攻撃権を渡すプレイなのですが、
ルール上、最初の置いてあった位置より10ヤード以上ボールが進むと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるのです。
このルールを使って、得点した後再び攻撃権を奪おうとするのが
オンサイドキックなのです。
文だけだと分かりにくいので、
下に簡単な図を作ってみました。
(これでも分かりにくいかもしれませんが)
このゾーンは、両チームともボールを
キャッチする事が出来る
(45) ----------------------------------------
↑↑ このゾーンでは、キックした側はボールに触れない
進行 ボールに触ると反則となります
方向
(35) -------------------()-------------------
(35)は自陣35ヤードライン
(45)は自陣45ヤードラインを示します。
自陣40ヤードのラインは、省略してあります。
高校生なので自陣35ヤードからのキックオフ(だったはず)ですが、
NFLでは、キックオフは自陣30ヤードからです。
オンサイドキックでボールを確保すれば、
得点を奪った後に続けて攻撃権を得る事が出来ますが、
リターンがある代わりに、もちろんリスクもあります。
先ほども書きましたが、キックオフは相手に攻撃権を渡す
プレイなので、相手の攻撃開始地点を出来るだけ自陣のエンドゾーンから
遠ざけるべく、なるべく遠くへボールを蹴りこみます。
しかしオンサイドキックでは、ボールは10ヤード前後しか
飛ばさないので、リターン側(蹴られたボールをキャッチする側)に
ボールを確保されてしまうと、エンドゾーンまで
50ヤード無い状態で攻撃権を渡してしまう事になるのです。
ですので、オンサイドキックを使う状況は、この試合のように
追いかける側が攻撃権を渡せない状況の時に使われることがほとんどです。
ごくたまに奇襲的にオンサイドキックを使う場合がありますけど、
失敗した時には相手に得点を奪われやすくなるので、
めったに見られるものでは有りません。
だったら、通常のキックオフと同じように大きく蹴りこみ、
ボールを奪おうとすれば良いのでは?と思われるかもしれません。
しかし、通常のキックオフは50ヤード以上飛びます。
しかも滞空時間は5秒有るか無いかぐらいですから、
40ヤード4秒2であるセナ君の足でも
ボールの落下地点に到達するのは容易ではありません。
さらにリターン側の選手がブロックをしようとしますので、
ボールに触る事はまず出来ないでしょう。
ムサシの後半最初のキックオフの時、大きく蹴りこんだボールに
セナ君が追いつきそうになりましたが、あれは例外中の例外。
そのときの感想でも書きましたが、それまでは短かったキックが、
いきなり大きく飛んだためにリターン側が対応できず、
ボールを後ろに逸らしてしまったため、
あのような状況が生まれたのです。
さらにキック側がにはまだ不利なルールがあります。
キックされたボールに対し、レシーブ側には
「フェアキャッチ」をするという選択肢があるからです。
キャッチする前に手を上げて左右に2・3度振る事によって、
相手選手にフェアキャッチだと知らせます。
このフェアキャッチの合図をすると、ボールをキャッチした後に
前進していくリターンの権利を放棄する事となります。
その代わりに、ボールをキャッチした選手に
タックルする事が禁止されるのです。
選手はキャッチの直前までボールに集中しているため、
相手選手のタックルに対しては無防備になってしまいます。
そこにタックルを受けると、大きな怪我に繋がる可能性が出てきます。
フェアキャッチは選手の安全を守るためのルールなのです。
ちなみに、2001年にプロレス団体のWWFが作った
XFLというアメフト団体があったのですが、
過激さを売りのこの団体のアメフトは、
フェアキャッチのルールがありませんでした。
そのかわりキャッチ選手の5ヤード以内に
近づいてはならないというルールがあり
必ずリターンをさせて試合を盛り上げようとしたようです。
キャッチしてからの激しいタックルも見せ所ですしね。
(しかしXFLは1年でリーグが潰れてしまいましたが)
日本のリーグでも、フェアキャッチの合図をすると、
キャッチしようとする選手の2ヤード以内に近づいたら
反則となっていました。
NFLでは、選手に触らなければOKというルールなので、
日本の方がより選手を保護するようなルールになっていますね。
(もしかしたら今はこのルールは無いのかも)
前振りが長くなりました。
このフェアキャッチのシステムがあるため、
ボールを高く蹴り上げても、フェアキャッチの合図をされれば、
キック側はボールを確保する事が出来なくなってしまいます。
という事は、キック側はただ蹴るだけでなく、工夫が必要となります。
そこで出てくるのが、フェアキャッチは
ノーバウンドの時しか出来ないというルール。
という事は、1度地面にボールが付くと、フェアキャッチを
する事が出来ない……つまりキック側にも
ボールをキャッチするチャンスを生む事が出来るわけです。
そこで通常のオンサイドキックでは、
ボールの上方を蹴って一度地面にバウンドさせた上に、
選手がボールをキャッチできるように高く跳ね上がらせ、
キック側がボールに触れられるように、
10ヤードぐらい飛ぶようにキックすることとなります。
プロのキッカーでもこれはかなり難しい技術で、
あまりバウンドしなかったり、
そのままフィールド外に出てしまったりと
大失敗となる事も少なくありません。
ちなみに140th downで書いた、
バッカニアーズvs.コルツの大逆転の試合では、
逆転したコルツ側が、オンサイドキックを1回成功させています。
しかもそのオンサイドキック、ワンバウンドさせるべきキックオフを
ノーバウンドで蹴っている、非常に珍しいケース。
バッカニアーズの選手は、ノーバウンドだった事に気付かなかった為、
だれもフェアキャッチの合図を行いませんでした。
もし、この時にフェアキャッチの合図をしていたら……
世紀の大逆転劇は起きなかったのかもしれません。
再びオンサイドキックの話に戻りますが、
オンサイドキックの成功率は25%程度、
奇襲的に行っても成功率は4割程度だったはずなので
(ソースが見つかりませんでした)
まさに最後の賭けと呼ぶに相応しい一か八かの作戦なのです。
しかも泥門にとっては、オンサイドキックを成功させた所で、
その後FGが蹴られる地点まで前進できなければ、
得点を奪うことが出来ません。
という事は、この時点では西部がまだまだ有利な状況……
しかし、もしオンサイドキックが成功すれば、
チームの雰囲気は一気に盛り上がるので、そのままボールを前進させ、
FGで逆転勝利というシナリオは十分に考えられます。
キッドもヒル魔もオンサイドキックになる事は
承知していたようですが、キッドの使った「原始の戦い」
これは上手い形容ですね。
アメフト本来の力・戦略・技術の戦いではなく、執念と運とが大きく絡む
オンサイドキックには、ピッタリな言葉かもしれません。
いよいよオンサイドキックのプレイが近づいてきました。
オンサイドキックを行うときには、
どちらのチームもキャッチが上手い選手を使うことが多いです。
特に背の高いWRや、体格の良いTEは、キャッチ要員としては最適。
でもキッドさんは……本来出なくても良いはずですよ、QBですから。
でもヒル魔と直接決着をつけるべく出てきたのかも。
そうだとしたら燃える展開だなぁ。
泥門側はもちろんメインメンバーは全員参加。
人数いませんからね。
ムサシの「覚悟は済んだな」という言葉に痺れました。
2005年のスーパーボウルでも、
イーグルスがオンサイドキックを試みましたが、
見ていたこちらもその瞬間は緊張していたのですから、
実際にプレイしている選手たちの緊張は
想像できないレベルまで達していると思います。
特に今回、泥門にとってはオンサイド失敗=敗北ですから……
心臓の鼓動の音と共に、ヒル魔・栗田・ムサシの
3人がテレビに名前を書いている場面が……
その後には同じテレビに名前を書く後輩たちが……
そして一瞬の静寂の後、ムサシがボールを蹴りだしました。
ムサシのキックは、上で書いた一般的なオンサイド用キックではなく、
ボールを不規則にバウンドさせる低いキック、
「スクイーブキック」を使ってきました。
スクイーブキックは賊学の爆竹キックと同じようなものです。
アメフトボールが楕円形な事を使ったキックです。
先ほど書いたようなワンバウンドのキックだと、
鉄馬にあっさり取られかねませんから、
スクイーブキックにしたのは賢明な選択かも。
不規則にバウンドするボールに22人の選手が突っ込みます。
陸君が手を伸ばしますが、ボールをキャッチするには至りません。
ちなみに陸君がボールに触ったようにみえましたが、
もし触っていたとなると、10ヤード進まないと
ボールに触れないというキック側の縛りは無くなります。
レシーブ側の選手がボールに触れてしまうと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるからです。
ボールに最後に向かったのはモン太と鉄馬、
レシーブ対決では有りませんが、再び直接対決を迎える事に。
そして2人同時にボールをキャッチ、
見た目では5分5分のような感じでしたが……
どちらがボールを確保するのか?
右目しか見えないのに石丸さんと分かるあの存在感(?)。
さすがです。
西部ワイルドガンマンズvs泥門デビルバッツ、
セナ君がついに陸君を抜き去り、TDを奪いました。
さらにトライ・フォー・ポイントでムサシのキックも成功、
44-42と2点差、これでFGが決まれば逆転ですよ。
残りは1分、泥門が勝つためにはもう1度攻撃権が必要です。
しかしキックオフは得点を取った泥門側です。
真田アナウンサーが、西部の手にボールが渡った瞬間に
試合終了が決定……と言っていますが、
タイムアウトが3つ残っていれば、
西部にボールを渡してもぎりぎり大丈夫です。
そのような状況になったら、さらに厳しくなるのは確かですが。
その事実に気付いていなかった、セナ君たち……
十文字君が分かっているのに、何で君ら分かってないのよ?
ちなみにタイムアウトが残っていた場合について説明すると、
1個も残っていない場合は、十文字君の言う通り
25秒×3で1分を使い切られてしまいます。
しかしタイムアウトを使えば、次のプレイが始まるまで
時計が動かなくなるので、1つのタイムアウトにつき
25秒の消費を1回防ぐ事ができます。
という事で、1個しかタイムアウトが残っていなかったら、
70秒以上の消費が確定なのでほぼダメですね。
2つ残っていても、25秒+1プレイの平均時間5秒×4で45秒ほど消費され、
残りは20秒程度になってしまいます。
3つ残っていればプレイにかかった時間の20秒ほどで済みます。
しかしそれは1st downを奪われなかった場合であって、
1st downを奪われればその時点で4回の攻撃が追加され、
泥門の負けが確定します。
上で書いたように、いつも通りのキックオフをすると
自分の所に攻撃権が回ってこないまま、
試合が終了してしまう可能性が出てきます。
そこで出てくるのがオンサイドキックです。
ここでオンサイドキックについて、
今までよりもう少し詳しく説明します。
今までに説明した話とかぶる部分もありますが、
説明を円滑に進めるためなので、あらかじめご了承下さい。
点を取った後は、得点した側のキックオフで試合再開となります。
作中にもある通り、キックオフは相手に攻撃権を渡すプレイなのですが、
ルール上、最初の置いてあった位置より10ヤード以上ボールが進むと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるのです。
このルールを使って、得点した後再び攻撃権を奪おうとするのが
オンサイドキックなのです。
文だけだと分かりにくいので、
下に簡単な図を作ってみました。
(これでも分かりにくいかもしれませんが)
このゾーンは、両チームともボールを
キャッチする事が出来る
(45) ----------------------------------------
↑↑ このゾーンでは、キックした側はボールに触れない
進行 ボールに触ると反則となります
方向
(35) -------------------()-------------------
(35)は自陣35ヤードライン
(45)は自陣45ヤードラインを示します。
自陣40ヤードのラインは、省略してあります。
高校生なので自陣35ヤードからのキックオフ(だったはず)ですが、
NFLでは、キックオフは自陣30ヤードからです。
オンサイドキックでボールを確保すれば、
得点を奪った後に続けて攻撃権を得る事が出来ますが、
リターンがある代わりに、もちろんリスクもあります。
先ほども書きましたが、キックオフは相手に攻撃権を渡す
プレイなので、相手の攻撃開始地点を出来るだけ自陣のエンドゾーンから
遠ざけるべく、なるべく遠くへボールを蹴りこみます。
しかしオンサイドキックでは、ボールは10ヤード前後しか
飛ばさないので、リターン側(蹴られたボールをキャッチする側)に
ボールを確保されてしまうと、エンドゾーンまで
50ヤード無い状態で攻撃権を渡してしまう事になるのです。
ですので、オンサイドキックを使う状況は、この試合のように
追いかける側が攻撃権を渡せない状況の時に使われることがほとんどです。
ごくたまに奇襲的にオンサイドキックを使う場合がありますけど、
失敗した時には相手に得点を奪われやすくなるので、
めったに見られるものでは有りません。
だったら、通常のキックオフと同じように大きく蹴りこみ、
ボールを奪おうとすれば良いのでは?と思われるかもしれません。
しかし、通常のキックオフは50ヤード以上飛びます。
しかも滞空時間は5秒有るか無いかぐらいですから、
40ヤード4秒2であるセナ君の足でも
ボールの落下地点に到達するのは容易ではありません。
さらにリターン側の選手がブロックをしようとしますので、
ボールに触る事はまず出来ないでしょう。
ムサシの後半最初のキックオフの時、大きく蹴りこんだボールに
セナ君が追いつきそうになりましたが、あれは例外中の例外。
そのときの感想でも書きましたが、それまでは短かったキックが、
いきなり大きく飛んだためにリターン側が対応できず、
ボールを後ろに逸らしてしまったため、
あのような状況が生まれたのです。
さらにキック側がにはまだ不利なルールがあります。
キックされたボールに対し、レシーブ側には
「フェアキャッチ」をするという選択肢があるからです。
キャッチする前に手を上げて左右に2・3度振る事によって、
相手選手にフェアキャッチだと知らせます。
このフェアキャッチの合図をすると、ボールをキャッチした後に
前進していくリターンの権利を放棄する事となります。
その代わりに、ボールをキャッチした選手に
タックルする事が禁止されるのです。
選手はキャッチの直前までボールに集中しているため、
相手選手のタックルに対しては無防備になってしまいます。
そこにタックルを受けると、大きな怪我に繋がる可能性が出てきます。
フェアキャッチは選手の安全を守るためのルールなのです。
ちなみに、2001年にプロレス団体のWWFが作った
XFLというアメフト団体があったのですが、
過激さを売りのこの団体のアメフトは、
フェアキャッチのルールがありませんでした。
そのかわりキャッチ選手の5ヤード以内に
近づいてはならないというルールがあり
必ずリターンをさせて試合を盛り上げようとしたようです。
キャッチしてからの激しいタックルも見せ所ですしね。
(しかしXFLは1年でリーグが潰れてしまいましたが)
日本のリーグでも、フェアキャッチの合図をすると、
キャッチしようとする選手の2ヤード以内に近づいたら
反則となっていました。
NFLでは、選手に触らなければOKというルールなので、
日本の方がより選手を保護するようなルールになっていますね。
(もしかしたら今はこのルールは無いのかも)
前振りが長くなりました。
このフェアキャッチのシステムがあるため、
ボールを高く蹴り上げても、フェアキャッチの合図をされれば、
キック側はボールを確保する事が出来なくなってしまいます。
という事は、キック側はただ蹴るだけでなく、工夫が必要となります。
そこで出てくるのが、フェアキャッチは
ノーバウンドの時しか出来ないというルール。
という事は、1度地面にボールが付くと、フェアキャッチを
する事が出来ない……つまりキック側にも
ボールをキャッチするチャンスを生む事が出来るわけです。
そこで通常のオンサイドキックでは、
ボールの上方を蹴って一度地面にバウンドさせた上に、
選手がボールをキャッチできるように高く跳ね上がらせ、
キック側がボールに触れられるように、
10ヤードぐらい飛ぶようにキックすることとなります。
プロのキッカーでもこれはかなり難しい技術で、
あまりバウンドしなかったり、
そのままフィールド外に出てしまったりと
大失敗となる事も少なくありません。
ちなみに140th downで書いた、
バッカニアーズvs.コルツの大逆転の試合では、
逆転したコルツ側が、オンサイドキックを1回成功させています。
しかもそのオンサイドキック、ワンバウンドさせるべきキックオフを
ノーバウンドで蹴っている、非常に珍しいケース。
バッカニアーズの選手は、ノーバウンドだった事に気付かなかった為、
だれもフェアキャッチの合図を行いませんでした。
もし、この時にフェアキャッチの合図をしていたら……
世紀の大逆転劇は起きなかったのかもしれません。
再びオンサイドキックの話に戻りますが、
オンサイドキックの成功率は25%程度、
奇襲的に行っても成功率は4割程度だったはずなので
(ソースが見つかりませんでした)
まさに最後の賭けと呼ぶに相応しい一か八かの作戦なのです。
しかも泥門にとっては、オンサイドキックを成功させた所で、
その後FGが蹴られる地点まで前進できなければ、
得点を奪うことが出来ません。
という事は、この時点では西部がまだまだ有利な状況……
しかし、もしオンサイドキックが成功すれば、
チームの雰囲気は一気に盛り上がるので、そのままボールを前進させ、
FGで逆転勝利というシナリオは十分に考えられます。
キッドもヒル魔もオンサイドキックになる事は
承知していたようですが、キッドの使った「原始の戦い」
これは上手い形容ですね。
アメフト本来の力・戦略・技術の戦いではなく、執念と運とが大きく絡む
オンサイドキックには、ピッタリな言葉かもしれません。
いよいよオンサイドキックのプレイが近づいてきました。
オンサイドキックを行うときには、
どちらのチームもキャッチが上手い選手を使うことが多いです。
特に背の高いWRや、体格の良いTEは、キャッチ要員としては最適。
でもキッドさんは……本来出なくても良いはずですよ、QBですから。
でもヒル魔と直接決着をつけるべく出てきたのかも。
そうだとしたら燃える展開だなぁ。
泥門側はもちろんメインメンバーは全員参加。
人数いませんからね。
ムサシの「覚悟は済んだな」という言葉に痺れました。
2005年のスーパーボウルでも、
イーグルスがオンサイドキックを試みましたが、
見ていたこちらもその瞬間は緊張していたのですから、
実際にプレイしている選手たちの緊張は
想像できないレベルまで達していると思います。
特に今回、泥門にとってはオンサイド失敗=敗北ですから……
心臓の鼓動の音と共に、ヒル魔・栗田・ムサシの
3人がテレビに名前を書いている場面が……
その後には同じテレビに名前を書く後輩たちが……
そして一瞬の静寂の後、ムサシがボールを蹴りだしました。
ムサシのキックは、上で書いた一般的なオンサイド用キックではなく、
ボールを不規則にバウンドさせる低いキック、
「スクイーブキック」を使ってきました。
スクイーブキックは賊学の爆竹キックと同じようなものです。
アメフトボールが楕円形な事を使ったキックです。
先ほど書いたようなワンバウンドのキックだと、
鉄馬にあっさり取られかねませんから、
スクイーブキックにしたのは賢明な選択かも。
不規則にバウンドするボールに22人の選手が突っ込みます。
陸君が手を伸ばしますが、ボールをキャッチするには至りません。
ちなみに陸君がボールに触ったようにみえましたが、
もし触っていたとなると、10ヤード進まないと
ボールに触れないというキック側の縛りは無くなります。
レシーブ側の選手がボールに触れてしまうと、
どちらのチームにもボールを確保する権利が生じるからです。
ボールに最後に向かったのはモン太と鉄馬、
レシーブ対決では有りませんが、再び直接対決を迎える事に。
そして2人同時にボールをキャッチ、
見た目では5分5分のような感じでしたが……
どちらがボールを確保するのか?
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