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このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
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泥門デビルバッツvs.神龍寺ナーガ
試合はいよいよ大詰め。
残り時間は58秒で、7点を追いかける泥門が
自陣3ヤード地点から最後の望みを賭けた攻撃を開始します。

「ブッ倒される前に死んでも外に出ろ!」と
ヒル魔さんはみんなに伝えています。
なぜなら追い上げるチームは、時間を無駄に使う事が出来ず、
残り時間をコントロールしながら前進していく必要が有るからです。
このような時間をコントロールしながら追い上げを図る
特殊なオフェンスを2ミニッツオフェンスと呼びます。

アメフトにおいて、時計が止まる要因としては下の4つが挙げられます。
 [1]パスが失敗する
 [2]タイムアウトを使う
 [3]フィールド外に出てプレイが終了する
 [4]1st downを獲得したとき
(3番目の項目は、残り時間が少なくなった時のみ適用
 それ以外のときは審判の合図で時計が動き始めます。
 4番目の項目は、残り時間が少なくなった時は
 適用されなくなり時計が動き続けます。
 NFLでは使われていません。)
これらをうまく使いこなし、残り時間をなるべく減らさずに
ボールを前に進めようとしていくのです。

ランプレイでは、ボールを持ってからフィールド外へ
出るまでに時間がかかってしまうので、
必然的にパスが中心(場合によってはパスのみ)の
オフェンスを展開していく事となります。
パスならば10ヤード以上の大きな前進も望めますし、
もしキャッチ出来なくても、パス失敗となれば
残り時間の減少が止まるからです。

しかし、ボールを持った選手がフィールド外に出られないと
残り時間がどんどんと減り続けるので、
次のプレイを急いで始めなければならなくなります。
泥門の最終ドライブ、最初のプレイはこれに当てはまります。
本来タイムアウトを持っていない泥門が
この状況でランプレイを選択するのは
ありえない選択ではあるのですが……。
だからこそ、裏をかいてをランプレイを使うのも
有りといえば有りなのです。
しかしセナ君のランプレイは、フィールド外に出すまいと
待ち受けていた阿含のタックルを受けてしまい、
インバウンズ(フィールド内)でプレイが終わってしまいました。


今度はディフェンス側に関してのお話を。
ディフェンスは得点差によって
2ミニッツオフェンスへの対応が少しずつ変わってきます。

FGの3点で逆転されてしまう状況では、
FGを蹴る事が出来る位置の手前で
オフェンスを止めるようなディフェンスをします。
(例えば自陣33ヤードまで進まれた場合には
 50ヤードという長距離のFGを狙わせる事となります。
 高校生で50ヤードはまず決まらないので、
 このあたりがデッドラインとなります。)

1回のTDでも追いつかない9点以上の差が付いている場合には、
得点をオフェンスに与えても時間を使わせる
プリベントディフェンスを使います。
(プリベントディフェンスについては
 146th down・187th downを参考にして下さい)

それでは相手にTDが必要な7点or8点差の場合には……
実はこの時もプリベントディフェンスを使うのです。
何故かというと、オフェンスがエンドゾーンに近づくと、
フィールドの奥行きが無くなり、
使えるフィールドがどんどん小さくなります。
こうなると人口密度が高くなり、
パスが決まりにくい状況になるからなのです。
ですから7点差のこの状況での神龍寺ディフェンスは、
エンドゾーン目前まで進ませても構わないけど
最後の一線だけは守る、と言うディフェンスになります。

逆に作中のような状況では、オフェンス側にとって
エンドゾーンまでの距離は遠いものの、
使えるフィールドはかなり大きいという状況。
このような状況では、神龍寺側は
アグレッシブな守りをする事が出来ません。
なぜなら、もしタックルをかわされてしまうとタッチダウンに
繋げられるような大きな前進を許してしまいかねないからです。
ですのでこの状況で神龍寺は、適度にゆるく守り
ある程度進ませて止めるという守り方をするのです。

神龍寺の思う壺となった1st downのプレイ。
インバウンズでプレイが終わったため、
時間がどんどんと減少していきます。
ここでヒル魔さんは「スパイク」する事を全員に伝えます。

上でも書いた通り、パスが失敗すると時計が止まります。
プレイ中にわざとパスを投げ捨てするのは反則ですが、
(43rd down「インテンショナルグラウディング」を参照)
時間を止めるためにボールを受け取って
すぐにパス失敗とするスパイクに関しては合法なのです。
スパイクは時計を止める事が出来るので、
ノーハドルでのプレイの伝達ミスを防ぐ事が出来ます。
しかし、プレイを無理やり終了させるものなので、
1回の攻撃権を消費してしまう「諸刃の剣」なのです。

ヒル魔さんはボールをスパイクし、残り時間49秒で
時計を止めましたが……ヒル魔さん強く叩き付けすぎ。
軽く投げ捨てる程度で良いのに(^^;
しかし最初のプレイで9秒の消費は大きいです。
まだ95ヤードも進まねばならないのに……。
しかしこの9秒の消費と引き換えに、
ヒル魔さんとまもり姉は神龍寺ディフェンスの
守り方の意志を確認していました。

この状況ですから、神龍寺は後方とサイドライン際を
徹底的にマークしており、中央は手薄。
そこを狙ってのプレイを入れた事が想像できます。

そして3rd downのプレイがスタート。
雪光君がモーションして、フィールド中央に向けて駆けて行きます……
って、モーションが本格的に使われましたよ。

・モーションとは
オフェンスは、ボールが動く=プレイが始まるまで
全員が静止した状態を維持しなければなりません。
オフェンスはプレイ開始のタイミングを知っているので、
やや有利な状況になっています。
そこで「プレイ開始まで動けない」という制約をかけて
バランスを取っているのです。
ただ、例外的に1人だけ動く事が出来るのです。
それがモーションなのです。

このモーションにも制限が有り、
前方へのモーションは禁じられています。
さらに2人以上が同時に動くのは反則となりますし、
モーションを終えた後に別の人がモーションを始める時にも、
その間に1秒以上の静止が無いと反則となります。

たった1人動くだけの事ですが、
これだけでもディフェンス側のマークを混乱させる事となり、
オフェンスの戦略が大きく広がるのです。

1プレイ目でランプレイを使い、スパイクで攻撃権を
犠牲にしてまで時計を止めなければならなかった泥門が
ここで再びランプレイ……タイムアウトも無いのに
こんなプレイ選択は本来やっちゃいけません。
しかし全員の気持ちのこもったブロックで、セナ君は8ヤードほど前進。
1st downの更新が微妙だったのか、
審判がメジャーメント(10ヤード進んだか計る事)をする為に
時計がいったん止まりました。
メジャーメントが無ければ時計は止まっていなかったのに……
狙って出来たのであれば凄いですよ、これは。

上で自発的に時計を止める方法を4つ挙げましたが、
偶発的な要因としてさらに2つの方法が有るのです。
 [5]1st downを獲得したかをチェックするとき
 [6]怪我人が発生する
この場合は[5]に該当しています。

本来はばっちり止めたはずなのに、メジャーメントという
偶発的な要素で時計を止められてしまった神龍寺。
阿含があんな表情をしてしまうのも頷けます。

メジャーメントで時計を止めた泥門。
残りは45秒で87ヤード進まねばなりません。
ここまでのように地道に進んでいては間に合わない距離。
どこで一発大きいのを狙ってくるのか、
ヒル魔さんが策を巡らすタイミングに注目です。
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