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このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
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白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ラストプレイの2ポイントコンバージョンはプレイが崩れたのですが
栗田君が峨王を押し切りヒル魔さんをエンドゾーンへ導きました。
2ポイントコンバージョン成功で42-43となり試合終了、
ついに夢の舞台クリスマスボウルへの進出を決めました。
それぞれの独白は重みがありましたが、
「ムリヤリ叶えた」という言葉が全て表しています。

神龍寺戦では、前半で大量リードを奪われたものの、
後半は相手の攻撃権を奪い続ける事によって
神龍寺の追加点を封じつつ追い上げる事に成功。

王城戦では、モン太の活躍で王城の堅い壁は突き破ったものの
王城の進化した攻撃を脆い守備が止められず終盤は点の取り合いに。
それでもセーフティでの得点が生き、
最後にはセナ君が進さんを抜いて勝利しました。

そして変則的な方法で勝ちあがってきた白秋戦では、
ヒル魔さんが腕を折られるという緊急事態を迎えましたが、
セナ君が走れるQBとして穴を埋めると、
ヒル魔さんがパスが無い事を逆手に取って逆襲を開始。
最後は力と力の勝負で、栗田君が1回だけですが峨王を越えて
クリスマスボウルへの道を切り開きました。

この試合でもモン太は如月とは互角かやや劣勢。
セナ君とマルコとは1ファンブルを食らいましたが、
最後は抜いたのでほぼ五分という感じ。
栗田君と峨王は終盤は拮抗していましたが、
全体的には峨王が押していた感じです。
泥門はそれぞれの戦いでは優位に立っていたわけではありませんが、
要所でのプレイを決めた事が勝利へと繋がりましたが、
それは白秋戦に限らず、神龍寺戦、王城戦でも同様。
先ごろ行われた第42回スーパーボウルでも、
下馬評で圧倒的不利と言われていたニューヨーク・ジャイアンツが
試合の内容ではやや押され気味だったものの、
逆転を賭けた最後のドライブで奇跡的なパスが成功し、
劇的な逆転劇に繋げたのは記憶に新しい所です。

勝者の影には敗者あり。
マルコは丸子さんに約束を守れなかった事を謝罪していましたが……
何だかんだ言いつつ支えていた丸子さんが良い人すぎだ。

チームの中心選手であるQBを潰す事で
ここまで勝ち上がってきた白秋。
6巻の巻末ではともにD評価だった泥門と白秋、
全ての面でレベルアップを図ってきた泥門に対し、
峨王・如月・マルコの個人技に頼り
さらには峨王のパワーで相手を潰してしまった事によって
試合経験を積む事無くここまで来てしまった白秋。
武器となる3人が互角にされてしまった事で
地力の差が出たように感じられました。


表彰式では、トロフィーを前に再び喜びを見せる泥門の面々。
さらに栗田君・モン太君はそれぞれのポジションで賞をゲット……
という所で、前週観客席に姿を見せしていた帝黒の選手が
元盤戸の選手だったようです。
引きとめようとしたコータローを制した赤羽の台詞が意味深だ。
そんなやり取りの間に、表彰式ではセナ君がMVPを受賞したのですが、
トロフィーを受けとるのに失敗しちゃいました。
まもりさん、鈴音ちゃんの指摘がずばり過ぎ、
これぞセナ君って感じの締まりの無さでしたが……
それを誤魔化せというヒル魔さんの煽りに乗り
セナ君は打倒帝黒を宣言しちゃいました。
このセナ君の宣言に表彰式会場は大盛り上がりしていましたが、
この様子を見ていた帝黒の選手が話を降った相手が、
ついに出てきたのか真のアイシールド。
2軍相手とは言え軽くいなしすぎだろ、大和君。

これまでは自らがナンバーワンと言っていた佐々木コータロー、
それをしても良いと思った瞬間に峨王にやられたキッド、
そしてアイシールド21を名乗るようになったセナ君などは、
覚悟を決める為に最強を自ら名乗りましたが、
この大和君は関東のメンバーとは対照的に自ら語らずのようです。

次の相手であり最後の相手の帝黒学園、
泥門はどのような戦い方をしていくのでしょうかね。
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白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
延長に持ち込みたくない泥門は
逆転を賭けて2ポイントコンバージョンにトライ。

セナ君 & ヒル魔さんの機転でプレイが壊れるのは
何とか避けたものの、2ポイントを奪う為には
ヒル魔さんをエンドゾーンへと導く必要があります。
プレイが壊れかけたので時間がかかってしまいましたから
ラインを外側へと回り込むのは難しい状況……という事で、
ヒル魔さんは栗田君の方へと突っ込んでいきました。

栗田君と峨王のブロック対決は互角、
さらには白秋の選手がセナ君のダイブに釣られたので、
走路が開いたかに思えましたが、
マルコが即座に対応し、その走路は潰されてしまいました。

これでヒル魔さんの走路は潰され、
さらには栗田君も押されて体制を崩しかけましたが、
栗田君は下半身の強さで峨王のプレッシャーに耐えました。
栗田君いわく「上半身の力は峨王くんが上」
峨王いわく「下半身の力では栗田が上」との事で
2人は互角……だったのですが、栗田君は逆に押し返し始めましたどぶろく先生が道具を修復するそばから壊す栗田君、
米軍相手にコテンパンにやられる栗田君、
体格に劣る鬼平さんにやられた栗田君……
これまでは峨王が互角以上だった2人の戦いでしたが、
それらの経験の積み重ねが峨王との小さな差となりました。
さらにはスナップを引き受けてくれた十文字君、
パスが投げられない状態で出場し続けたヒル魔さんなど
仲間達の思いにも後押しされた栗田君が
最後の最後で峨王を押し倒す事に成功しました。

青天した峨王の横をヒル魔さんが駆け抜け
ボールをエンドゾーンへとねじ込みました。
これで42-43、泥門がラストプレイで逆転、
ついにクリスマスボウルへの切符を手にしました。

クリスマスボウル出場を夢描いていた泥門の選手たちですが、
ラストとなる次の試合に勝てば頂点に立てる事となります。
ヒル魔さんの腕などの不安要素はありますが、
約1ヶ月の時間を使ってなるべく完全な形で挑んでほしいです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
セナ君がマルコを力で押し切りTDをゲット、
残り時間が0となった状況でTFPを残して42-41。
状況的には神龍寺戦と同じですが、違うのはヒル魔さんの状態。
パスをまともに投げられる状態ではないので、
長期戦に持ち込まれると綻びが出やすくなります。
という事でキックチームは投入せず、
オフェンスメンバーがフィールドに残り
TDでの2ポイントで逆転勝利を狙う事となりました。

ここで栗田君がセナ君やモン太のようにNo.1を目指すべく
スナップ係をやめて峨王との直接対決を嘆願しました。
栗田君の精神的成長が感じられる発言ですね。

栗田君のポジションであるセンターは、
QBにボールをスナップする大切なポジション。
ショットガンの時のようにQBに投げて渡す時でも
少しの方向の狂いがプレイに大きな影響を与えますが、
直接渡す時にはエクスチェンジ(受け渡し)が出来なかった時点で
プレイが完全に崩れてしまいます。
ですからエクスチェンジのスナップをする際には
センターは細心の注意を払ってスナップをします。
スナップにいくらか気をかけねばならないという事は
スタート時の動きに多少なりとも影響が出てしまいますから、
今回の栗田君の申し出は理解できなくも有りません。
NFLでもトップクラスのセンターになると、
スナップを出した後にスイーププレイの
リードブロッカーとして働く選手もいるのですが……
(通常はガードの選手がリードブロッカー役)

この栗田君の思いに応えたのが十文字君。
スナップ役を自ら買って出てくれました。

ラストプレイが迫ってきました。
十文字君をセンターに配し、栗田君は峨王と真向勝負するために
相撲のような4ポイントスタンスの構えを見せました。

通常レシーバー以外の選手は片手をついた
3ポイントスタンスで構える事が多いですが、
これは前後左右のどこでも動ける体勢にする為です。
しかし今回、泥門にはランプレイしかありませんから
前への動きに重きを置いても構わない状況。
相手に力いっぱいぶつかる為に4ポイントスタンスを使うのは
この場面では理には適っています。

十文字君からヒル魔さんにスナップがなされプレイが開始。
しかしプレイ前にセナ君に出ていた小さな異変……
峨王から喰らったタックル、そしてマルコへのヒット、
アドレナリンで抑えていた痛みがここで出てしまいました。

NFLでも怪我の後にプレイしていたと思ったら、
試合後の検査でシーズン絶望クラスの怪我だった……
という例は枚挙に暇がありません。
試合に入り込んでいるから、勝負に勝ちたいという気持ちが強いからこそ
痛みを一時的に忘れてしまう事があるのです。

腕に痺れが出たセナ君、その異変はヒル魔さんも察知したようです。
腕のしびれに諦めかけたセナ君でしたが、
アメフト協会の会長の言葉を思い出し奮起しました。
「怪我のせい」と言い逃れ出来ないのが勝負の世界。
さらにセナ君はメンタル面での成長を見せたようです。

デビルバットダイブには行けない状況でしたが、
セナ君とヒル魔さんは瞬時の判断でプレイを変更してきました。
セナ君へボールを渡さなかったヒル魔さんは、
ボールを持ったまま半円を描いてゴールラインへと向かう
ブーツレッグのようなプレイになりました。

ブーツレッグとは、禁酒法が施行されていた時代に
お酒を靴の中に隠して運んでいた事に由来しています。
QBがボールを渡すフリをした後、そのままボールを隠すように
弧を描いて移動していくプレイの事です。
ここからラン・パスのどちらにも展開できるのですが……
QBを守る選手が少なくなるので、
ディフェンスに対応されると為す術が無くなる事もあります。

ボールを受け取らなかったセナ君でしたが、
ダイブを見せてディフェンスを引き付ける事に成功、
出来る限りの仕事はこなしました。

セナ君がディフェンスを引き付けてくれたので
あとは峨王と栗田君の直接対決に委ねられる事になりました。
意地と意地とがぶつかり合うラストプレイ、
どちらが押しきるのか?
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ラストドライブに逆転を賭ける泥門、
前のプレイで峨王のタックルを喰らったセナ君でしたが、
ダメージを引きずりながらも次の策を自ら提案してきました。
「抜かない」って台詞を聞いたヒル魔さんの顔が嬉しそうな事。
というかセナ君がヒル魔さん化しているのかも。

セナ君が提案した続いてのプレイ、
泥門はIフォーメーションを使ってきました。
このIフォーメーションは高見さんの言う通り正統派の隊形。
FB(石丸君)をリードブロックに使ってのセナ君のランプレイ、
またはモン太・雪光さん・夏彦さんを使ったパスプレイと
ラン・パスどちらでも攻める事が出来る点が
オーソドックスな隊形と呼ばれる所以です。
栗田君を中心に左右の人数が同じである為、
左右両側どちらにも攻める事が出来ますが、
モーションでレシーバー(雪光君)を動かさない場合には
数的優位な状況を作りにくくなります。
ちなみにFB(石丸君)がQB(ヒル魔さん)とRB(セナ君)の間にいる為、
ボールの手渡しの時に邪魔になる可能性があります。
邪魔になら内容にFBを少しずらしたフォーメーションもあり
オフセットIフォーメーションと呼ばれています。
FBがズレる事によってRBへのハンドオフはし易くなりますが、
FBがブロックに向かう方向が限定される事になるので
ノーマルIフォーメーションより少しバランスが悪くなります。

残り18秒、いよいよプレイ開始。
ラインの中央では峨王と栗田君が互いに譲らずがっぷり四つの状態。
ボールを持ったセナ君は右サイドのオープン(ラインの外側)へ
展開していきましたが……マルコが待ち構えており
1対1の状況となりました。
左から抜くか右から抜くか、それとも上か……
しかしセナ君はマルコの考えを裏切り真正面から激突。
これまでの相手をかわしまくるスキャットバックスタイルではなく、
力で相手をねじ伏せようとしていきました。
直接ぶつかりに行く事で相手の懐に飛び込んだセナ君、
これはスクリューバイトをやり難くさせる好判断です。

しかしボールはゴールライン手前で止められTDには至らず、
と言うところでセナ君は相手の体を乗り越えるようにスピンムーブ。
セナ君はマルコを飛び越えエンドゾーンへボールをねじ込みました。
マルコも本物と認めたセナ君の覚悟を決めたラン。
TDが決まり泥門は1点差まで詰め寄りました。
キックで1点を追加して延長戦に持ち込むのがセオリーですが、
今のヒル魔さんの状態では長引かせると不利になるのは明白です。
2ポイントで一気に試合を決めに行くのか。
泥門の選択が楽しみです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
42-35とリードを許した泥門、残り2分からの最後の攻撃で
泥門版ドラゴンフライを使ってきました。

腕が使えないヒル魔さんに、ヘッポコパスのセナ君。
どちらも頼れるような状態ではないのですが……
泥門の策は裏の裏をかいていました。

最初のプレイはヒル魔さんがスナップを受けてのランプレイと思いきや、
ランはフェイクで後ろにいたセナ君に左手でピッチ。
さらにはセナ君のランプレイと思わせた所で
セナ君を止めにきたディフェンスの頭越しにパスを投げるという
結果的にはフリーフリッカーなプレイで前進。

次のプレイではセナ君に持たせてのランプレイに見せかけて、
ヒル魔さんのQBキープで1st downを獲得。
「右サイドに爆走」というコマでのヒル魔さん、
敵から見えないようにボールを隠す仕草が……
こういう細かい描写がされるのは嬉しいですね。

勉強はいまいちなセナ君をはじめとした泥門の面々が、
必死になって覚えたトリックプレイ。
しかし峨王は、力でそのプレイを壊してきました。
峨王に迫られたセナ君は峨王のいない方へとかわそうとしましたが、
そちらにはマルコが待ち構えていました。
行き場を失ったセナ君でしたが、陸君の教えよろしく
ボールを守る為に峨王の方へと突っ込んでいきました。
峨王の激しいヒットを受けセナ君は吹っ飛びましたが……
防具の上からのヒットだったので致命傷に至る怪我は避けられた模様。

しかし峨王へ突っ込もうと決断したのに、
弱気な表情を浮かべる辺りがセナ君らしいというか……
それでもボールをきっちり守りきったあたりに成長が感じられます。
そして峨王としても、後衛が自分を避けようとするのではなく
突っ込んでくるなんて初めてだったのでしょうか、
セナ君の評価を上げたようです。

そしてここで筧君がアメリカで会ったアイシールド21が
帝黒学園にいるという情報が出てきました。
本物を越える為に……セナ君は立ち上がり
マルコとの直接対決を決意したようです。
セナ君はマルコを抜き、逆転への道を繋げられるのか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
残り5分で35-35と振り出しに戻りましたが、
続いてのボールの所有権は白秋。
残り時間が少ないだけに、ここで得点を奪えれば優位に立てます。

白秋が取ってきた戦術は、峨王を使った力押しのラン。
前のドライブでは栗田君に潰されてボールをファンブルしたマルコ。
栗田君に対する恐怖感は植えつけられていましたが、
それでも峨王を信じて、わずかに出来たデイライト(走路)に
突っ込むあたり、肝が据わっています。
さらには得意のボール捌きでタックルを受けながらも
ボールを前へ差し出しファーストダウンを更新。
ボールを手放して失いかねない危険なプレイですが、
ここで決めるという執念が感じられるプレイでした。

泥門もスタンツを使って栗田君で走路を塞ぎに行きましたが、
峨王に対応されてしまい走路を開かれてしまいました。
峨王が切り開いた走路を、マルコがエンドゾーンに運び込みTD。
残り2分で白秋が突き放しました。
ここで白秋はこれまでの4回のTDとは違い、
TDでの2点ではなくキックで1点を追加してきました。

これまでの4TDは、ライン戦で峨王が圧勝していた状況でしたから
2ポイントを狙っても確実に成功するという考えだったと思います。
しかし栗田君が目覚めてからは、ライン戦は互角の状況。
この状況では2ポイントが成功する確率はかなり落ちます。
2ポイントを狙いに行って失敗した場合には6点差にしかならず、
TD+キックで逆転されてしまう事となります。
泥門はQBがいないに等しい状況ですから、
試合が長引くとより不利な状況となります。
もし白秋がTDを奪われたとしても、
キックなら同点で延長に入るので白秋有利。
TD後に2ポイントにトライされたとしても、
パスの脅威が少ない分これまた白秋有利という事となりますから、
キックで確実に7点差にした事は良い選択だったと思われます。

泥門に残された時間は2分、普通であればTDを奪うには
十分すぎるほどの時間と言えるのですが、
今の泥門にはまともなQBが居ない厳しい状況。
ヒル魔さんの言うとおり「クソの二択」ですね。
しかしこの後の栗田君のお間抜けな発言から
泥門オフェンスを最大限活用しうる可能性の有る戦略が出てきました。

2人とも駄目な状態ならば、その2人を使ってかく乱する……
ヒル魔さんとセナ君の2人をQBに据える
ドラゴンフライを選んできました。
付け焼刃ですが少しでも可能性を高める為の苦肉の策という感じ、
ヒル魔さんも栗田君に言われて初めて気付く位ですから
そうとう追い詰められた状態という事が分かります。
その追い詰められた状態、残り2分で泥門は打開できるのか?
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツの途中ですが……
今回はマルコの過去話。

ボールを指先に乗せてぐるぐる回すのは
プロ選手でも良くやるのですが……ボールの腹の部分で回すのが普通。
だからマルコのように細い部分でバランスを取るってのは凄いでしょ。
ボールハンドリングに長けている男って感じがしました。
でもそれも天性のものというだけでなく、
他者が目を見張るほどの練習量もあったからこそだったのか。
なんでも卒無くこなす天才型の選手かと思っていたから
この描写はちょっと意外……

氷室丸子さんに迫った理由と、アメフトに対する情熱が
頂点しか見えないという理由というのは面白い。
丸子さん関連はさておき、帝黒学園の姿を見ても折れなかったあたりは
勝負師としては一流の心を持っているなぁ。

さてアメフトの西高東低な力関係ですが、
学生レベルではこの傾向は顕著です。
現実でのクリスマスボウルの成績は
ここ10年(1998~2007年)の関西が8勝していますし、
38回の歴史の中では関西が25勝(12敗1分)と
圧倒していると言っても過言ではない差がついています。

帝黒学園は引き抜きも行っているようですが、
ブランド力を持っている事が大きいと思われます。
一流の選手は、マルコのように「頂点に立ちたい」という
気持ちを持ってプレイしているのですから、
帝黒学園へ入る事が頂点への近道なのであれば、
そこに選手たちが集まってしまうのは当然。
その結果チームが強くなり、そこへ選手が集まりだすという循環に。
アメフトやラグビーなどそもそものチーム数が少ないスポーツでは
地区大会を勝ち抜いた回数が2桁を超えるチームはかなりありますし、
連続出場が10回を越えるチームも多くあります。
ですので一極集中はよく起きてしまう事なのです。

帝黒学園の実力を知ったマルコでしたが、
それでも諦めず勝つ方法を模索した結果が
峨王を使っての力押しだった……
SIC地区の中では群を抜いているとは言っても、
関西は言うに及ばず東京・神奈川にも敵わない。
さらに選手が集まるような土壌でもなく、
チーム力がはるかに劣る状況でしたから、
このような道を選択するのは仕方ない事だったかも。
しかしそれが自らのみに跳ね返ってきたのですけど。

栗田君のタックルでダメージを食らったにもかかわらず
自らの力で立ち上がったマルコ。
まだ同点ですし、諦めた様子は全く有りません。
ヒル魔さんとの応酬は互いのらしさを引き出していた
なかなかの名シーンでした。

最後に小細工などせず峨王での力押しを選択してきたマルコ。
最後の最後で迎えた総力戦、峨王vs.栗田君の
パワー対決の行方が楽しみですよ。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ヒル魔さんを物理的に潰し、
狙い通りの試合展開に持ち込んでいた白秋でしたが……
自らの体を厭わずロングパスを投げ込んだヒル魔さんの気迫が
泥門の選手たちにも移りTDをゲット。
35-28と1本(1TD)差まで迫ってきました。

春大会の頃にはほぼ無名に近かった白秋が
ここまで勝ち上がってきたのは相手のQBを潰していたから……
しかしヒル魔さんによってその戦略はほぼ無にされつつあります。
スポーツで100%は限定的な状況を除きありえない事。
「もしかしたら」という疑念が動きの幅を狭めてしまうのは良くある事。
白秋は峨王でのQB破壊に頼ってきたチームですから、
通常の戦い方で追い詰められた時の対処に関しては
いくらマルコが策士とは言えやや弱い面があると思われます。

ここで盤戸戦でも出てきた関西の帝黒学園についての情報が……
白秋がこのような戦い方を続けていたのは、
帝黒学園が相手となる事を想定していたのも理由だったようです。

ここで負けるわけにはいかないのは白秋も同じ。
マルコは次のプレイで自らボールを持ち、
ヒル魔さんを狙ってのランプレイを仕掛けてきました。
しかしヒル魔さんはマルコの思考の一歩先を読み、
栗田君&小結君にスタンツの指示を出していました。


スタンツとは本来、DLとLBがポジションを入れ替えたり、
オフェンスラインの選手の間に突っ込む事を指すのですが、
その他にも説明図のようにDLの選手が交差して
ラッシュを仕掛けるプレイを指す事もあり、
今回使われたのはその用法でした。
(この後で出てくるスタンツという言葉は、
 今回のプレイでの用いられたものと考えてください)
スタンツの目的はオフェンスラインのブロックの混乱を引き起こす事。
本来真正面にいる選手が回り込む事になるので、
誰がどの相手選手をブロックするのか、
という分担を瞬時に変えていかねばなりません。
このような場合に意思の疎通が出来ていないと
同じ選手に対して2人以上でブロックに行ってしまう事となります。
そのような動きを少し見せる事によって、
ディフェンス選手を自由に動かしてしまい
QBへプレッシャーをかけられてしまう事となるのです。

しかしスタンツにも当然欠点はあります。
大きく回りこむ選手は長い距離を走る事となりますから、
回りこむ役割の選手がプレッシャーをかけるまでには
かなりの時間がかかってしまう事となります。
ですからオフェンス側としては、
回りこむ選手以外をきっちり処理する事が重要。
この処理に成功すれば時間をたっぷりと稼ぐ事が出来ますから、
パスプレイは成功しやすくなります。

これまでは力で相手の選手を壊してきたのですが、
今度はマルコにその力が向けられる事に。
栗田君にタックルされながらもボールを守ろうとしたマルコでしたが、
圧倒的な力の前にボールをファンブルしてしまいました。
こぼれたボールに選手たちが群がりましたが
セナ君の好ブロックもあり十文字君がボールを奪取。
そしてそのままリターンTDへと繋げました。
TDをした後にスパイクをして喜びを表現する
十文字君が可愛すぎなんですけど、これ。

さあついに追いついてきた泥門。
TDの時点ではまだ1点足りないはずですが、
同点とアナウンスされちゃった。
でもテレビ中継などでも解説者が興奮した為に、
TDの時点で先走って「同点」と言ってしまう事は意外とあります。
キックがほぼ100%決まるため、7点入るのが当然という事から
そのようなミスが出てしまうようです。

残り時間は5分、このまま泥門が押しきれるのか。
それともボールを持つ白秋が再び盛り返すのか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ヒル魔さんが最後の力を振り絞って投げるロングパス。
その効果を高める為に観客を煽ろうとしたのですが、
まもり姉から鈴音、そして観客へと伝染した酷い顔が凄かった……。
敢えて作戦を言ってしまう事で相手を疑心暗鬼にさせる、
ヒル魔さんらしい仕掛け方です。

プレイがスタートしましたが、
エクスチェンジ(栗田君からヒル魔さんへのボールの受け渡し)も
怪我の影響かどこと無くぎこちなく感じられます。
そしてヒル魔さんは腕の痛みに顔を歪めながらも
ロングパスを投げ込みました。

ヒル魔さんが投げ込んだロングパスは、
スパイラル(ボールの回転)自体は悪くなかったようでしたが
コースが大幅にずれてしまったようです。
モン太は慌ててルートを修正しボールへ飛び込みました。
モン太は右手を使ってマークしていた如月君を制御、
左手だけでボールをキャッチしました……が
如月君も諦めずキャッチした左手へと腕を絡めてきました。

モン太のキャッチ危うしか……と思われましたが
モン太は解かれた右手を使ってボールをがっちりとホールドしました。
如月君が懸命に腕を引き剥がそうとしましたが、
両手でしっかり掴んでいるモン太と、
半身になっている如月君では力の入り方が違います。
さらにモン太の腕は、如月君の腕の上側を通るようになっており
相撲でいえば上手を取ったのと近い状態に。
これも如月君の力が十分に発揮できなくなる要因となりました。
力を売りにしていた白秋相手に対し、
技術も有りましたがモン太は力勝負でボールを奪取。
ロングパス成功で一気に前進する事に成功しました。

泥門の選手たちは喜んでいましたが、
ヒル魔さんだけはマルコに悟られまいと
痛みに耐えて平静を装うという孤独な戦いをしていました。

ヒル魔さんの気迫が他の選手にも伝播、
この後はセナ君と石丸君のランを繰り返し、
ボールをエンドゾーンへと運び込みました。
TDの時点で8点差、これで1ポゼッション差になりましたが……
パスという選択肢を失っている泥門にとっては
まだまだ大きなビハインドと言えます。
次の白秋の攻撃を止められるか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ヒル魔さん復帰後最初のプレイは、斜めのダイレクトスナップで
セナ君へのにボールを渡すという奇策でTDをゲット。
これで35-20としましたが……その後のTFPにおいて
ヒル魔さんはホルダー役をセナ君に託してしまいました。
そのTFP、ムサシのキックはかなりぶれましたがなんとか成功、
1点を追加し35-21としました。
20ヤードほどしかない近距離のTFP(トライ・フォー・ポイント)において
ムサシのキックがああもブレてしまったのは、
ホルダー役のセナ君が縫い目を蹴る側に向けて置いたのも一因です。

ホルダーについては137th214th downで解説していますが、
ただ単にボールを立てるのではなく、
蹴る時に縫い目を当てないようにボールを回したり、
キッカーの好みに合わせてボールを(蹴りやすいように)
傾けたりしなければなりません。
さらに高校ではキックティーを使うので問題は無いですが、
フィールドのコンディションによっては
ボールが沈み過ぎないように立てなければならない事もあり
見た目以上に繊細な作業が要求されるのです。
ムサシが帰ってきてからは、ずっとヒル魔さんが
ホルダー役をやっていましたから問題は無かったのですが、
この試合ではこの後のTFPが問題になる可能性も出てきました。
しかしムサシが居なかった時代は、適当なホールドに
適当なキック(ヒル魔さん)だったのですから
そりゃ入るわけ無いですよね。

ヒル魔さんのヤセ我慢にはムサシも気づいていました。
チームの士気を落とさない為に黙っていたのかも……。
キック後のセナ君への話しぶりを見ると、
止めたいけども止められないという感じを受けましたよ。
長年一緒にいた仲間だからこそヒル魔さんの気持ちも分かるんだろうなぁ。

続いては白秋の攻撃でしたが、ヒル魔さんは守備でも登場。
しかしまずは十文字君の懸命のタックルが炸裂……
そのコマの中でもヒル魔さんは棒立ち状態でしたが、
マルコはヒル魔さんの怪我に確信が持てていない為に
ヒル魔さんを攻める事が出来ません。
さらに次のプレイでは蛭魔さんがブリッツを仕掛けていました。
怪我でタックルなど出来る状態ではないのにブリッツを仕掛ける。
本当にタックルできないのか分からない状態ですから
プレッシャーを受けたマルコはパスを投げ捨てで後退を回避。
このプレイはヒル魔さんの策士という面での真骨頂、
「死諸葛走生仲達」という感じのプレイでした……って、
ヒル魔さん死んでいないですけどね。
居るだけで相手の選択の幅を狭めるの存在であるヒル魔さん、
「悪魔の石造」というのは言い得て妙ですね。

攻撃権を失う事となった白秋でしたが、
パントでヒル魔さんの方に蹴りこみ状態を試してきました。
しかし飛んできたボールをヒル魔さんは触れる事が出来ず
ボールを後方へと逸らしてしまいました。
パントキックは蹴った瞬間に攻撃権が失われますから
このボールを白秋側に拾われたとしても泥門の攻撃権は変わりません。
ですがボールを確保した位置から攻撃が始まるので、
後逸してしまうとより長い距離を進まねばならなくなります。
という事で急いでリカバーしたモン太ナイスです。
このプレイでマルコは9割方腕が壊れたと判断したようですが……
9割方という事は、まだフェイクの可能性もあると思っているのか。
慎重すぎるとも思えますが、直接確認する事が
未だにできていないのですから断定出来ないのも理解できます。

ここで医務室でのヒル魔さんとまもりさんの
やり取りが描かれましたが……ここであの3問クイズを持ってくるか。
ヒル魔さんの言う通り、NFLでは骨折した状態のまま
プレイを続ける選手は良く見られます。
一番印象深いのは2002年、WEEK 11のARI @ PHI戦においての
PHIのQBマクナブが足首を骨折したままプレイした事。
しかもただプレイをしただけでなく、
自己ベストに近い状態のパス成績までたたき出したのです。
という事でまもりさんが答えに困窮するのは当然。
正解は「○」ですが、そのように答えれば
ヒル魔さんが強行出場するのが分かりきった事でしたから。
しかし「×」と答えてしまったが故に不正解、
これで従順に働く事という約束を守らざるを得なくなりました。
まもりさんに約束を守らせるのと同時に
自分も仲間との約束を守る為にフィールドへ戻る。
しかしヒル魔さんが怪我しているのは投げる手である右腕、
QBの命ともいえる腕の怪我は他の部位とは比べ物にならない位
影響は大きいはずなのですが……
ラストチャンスに賭けるヒル魔さんの思いが伝わってきます。

怪我の影響で投げられてもあと1回というヒル魔さんでしたが、
その1回をいきなり使うと提案してきました。
確かにパスがある事を早めに見せないと、
相手の疑心暗鬼が解けてしまいかねません。
ヒル魔さん渾身のパスとモン太のキャッチで如月を打ち負かし
点差を詰めて白秋を慌てさせたいですね。
 
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