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このblogは、アイシールドで出てくる戦略・用語を分かりやすく説明する事を目的とした感想blogです。火曜日23時頃更新予定(週によって前後あり)。本家サイトはhttp://fake.s22.xrea.com(プロフィール部分にリンク有)
 
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白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
フィールドにヒル魔さんが帰ってきました……が、
処置後なのに何故血だらけと思ったらケチャップってまた古典的な。
しかしこの後のヒル魔さんとのやり取りからは、
それぞれの成長を感じられました。
特に十文字君の台詞がかっこよすぎでした。
35-14と3ポゼッション差で戻ってきたヒル魔さん。
骨折した右腕だけでなく左腕にも包帯が、これは何でだろう。

さてヒル魔さんが復帰して最初のプレイは
レシーバー3人を固めて配置するバンチフォーメーション。
束にするというbunchの名の通り、レシーバー同士を近くに置き、
ディフェンスを守りにくくするフォーメーションです。
3人が固まっているので、ゾーンディフェンス相手の場合は
1人が担当するゾーンに複数人を送り込みやすくなります。
マンツーマンディフェンスの場合でも、
内側のレシーバーが外側に、外側のレシーバーが内側にというように
3人のレシーバーがクロスするように走ると、
マークの受け渡しを失敗したり、選手同士がぶつかってしまって
レシーバーがフリーになるような状況が生まれやすくなります。
またディフェンスの人数を偏らせるという狙いもあります。
3人のレシーバーが固まれば、ディフェンス側もそのサイドに
人数を割かねばならなくなります。
そうすると逆サイドの人口密度が下がるので、
ランやパスをやり易くなります。

戦術の広がりが大きいこのフォーメーション、
久々のヒル魔さんvs.マルコの対決と思われましたが……
ヒル魔さんの選択は、モン太・夏彦さんをリードブロッカーとした
セナ君へのダイレクトスナップからランプレイでした。

ロングスナップを斜めに投げるプレイは、
ロンリーセンターのプレイの時に見た事がありますが、
ここでそんなスペシャルプレイを使ってくるとは。
しかしこの場面でその難しいロングスナップを
しっかり決める栗田君の技量はやっぱり凄い。
その体格からブロックに注目が集まりやすい栗田君ですが、
実はスナップの技術も凄いのですよ。
ずっと選手が揃わず、ヒル魔さんと練習していたからでしょうけど。

自分に注目を集めておいてスルーするという、
ヒル魔さんらしい策は見事に成功。
マルコを中央へひきつけ、如月など他のディフェンス選手も
モン太と夏彦さんがしっかりブロック。
ダウンフィールドへと抜けたセナ君はディフェンスの選手をかわし、
そのままエンドゾーンまで走りこみました。
エンドゾーンに走りこんだ後、軽くボールを投げる
セレブレーションを見せるセナ君はカッコ良いな。
セナ君のTDランで35-20と15点差、
キックも決まれば14点差と2TD差となるのですが……
セナ君はこのプレイ選択とそれまでの状況から
ヒル魔さんの体の状態がおかしいと疑いを持ったようです。
得点差を詰めた泥門ですが……ヒル魔さんの状態が気になります。
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白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
走れるQBとなったセナ君が白秋を翻弄。
モン太へのTDパスが決まり32-14と点差を詰めた所で
ハーフタイムを迎えました。

追い上げムードが高まり、負けているのに盛り上がっている泥門。
ヒル魔さんの居る救護室には向かわず、
後半に臨もうとするセナ君や栗田君から
この試合での成長を感じる事が出来ます。
対して白秋のベンチはマルコ・峨王以外は少し気落ち気味か。
峨王のパワーに頼って戦ってきたチームだけに
その峨王と互角に戦える存在が出た事で
リードして優位に立っているという気持ちが持てていないのかも。
しかし峨王は栗田君との戦いを楽しみにしていますし、
マルコもまだ食えない様子を見せています。

後半は白秋の攻撃でスタート。
栗田君が峨王を抑える事によってTDこそ防ぎましたが、
K三ツ井がFGを成功させ3点を追加、35-14と3TD差に。

得点差を広げられたとは言え、FGの3点とTDの7点では差が有りますし、
失点をしなければ得点差は一気に縮められます。
その意味でも「取られたら取り返す」というセナ君の発言は
追い上げる立場の気の持ちようとしては間違っていません。

しかし……走るQBセナ君の前にマルコが立ちはだかってきました。
しかも2プレイ連続できっちりマーク、
マルコはQBをスパイする役割を始めたようです。

「走れるQB」をマークする役割の選手であるスパイに関しては
197th downで触れていますがもう一度説明を。
ロンリーセンターの説明の際(253th down)に
攻守の人数について説明しました。
オフェンスはライン5人とQBの6人に対して、
ディフェンスは基本的にDLの4人だけでプレッシャーを与えます。
ここでディフェンスに2人の数的優位が発生するので
セーフティというポジションに人員を割く事が出来るのです。
この事から分かるように、ディフェンス側はQBに対して
マンツーマンでマークするような選手を置く事はほとんどありません。
しかし、セナ君のような走れるQBは
RBと同じようなプレイをしてくる事があります。
ですからディフェンス側は、QBをマークする専門の選手を1人置き、
QBのランプレイなどに対応できるようにするのです。

ボールの行方をしっかり見据えて対応する……
マルコの能力はスパイとして最適です。
さらには如月も復帰し、モン太のパスキャッチをプテラクローで妨害。
セナ君のパスは浮いてしまう為、手負いの如月君でも追いつけてしまい、
プテラクローの餌食になってしまっているようです。

セナ君が自ら動く事で局面を打開しましたが、
今度は白秋側が対応策で封じ込めてきました。
自分がやった事をやり返されたセナ君ですが、
経験と頭脳の面では急造QBのセナ君が格段に劣る状況。
またしても泥門はピンチに陥りました……が
ここであの男が怪我をおしてフィールドに戻って来ました。
新たな策を繰り出し、逆転へと繋げることが出来るでしょうか?
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
セナ君と小結君、2人を守る為に峨王に立ち向かった栗田君。
守るのではなく攻めの姿勢によって峨王と互角に渡り合い、
峨王のコントロールに成功しました。
栗田君の作ってくれた走路をセナ君が駆け抜け1st down獲得。
ようやく泥門が反撃の狼煙を上げました。

栗田君の復活を喜ぶ小結君 & 泥門の仲間達に対し、
有利な状況が1つ減り何とも言えない表情を浮かべるマルコ。
まだ白秋が大量リードしているにもかかわらず
対照的なムードになりつつあります。

「泥門の誰一人 壊させない」というこんな短い言葉に
栗田君のやさしさと決意の強さが込められているのは凄いな。
栗田君の纏った気迫に泥門の選手すら圧倒されていますが、
これぐらいの気迫がないと峨王と互角に渡り合えなかったって事か……。

栗田君が峨王をコントロールできるようになり、
石丸君のランで地味に3ヤード前進、
泥門は通常のプレイも出来るようになってきました。
さらにセナ君は続いてのプレイの中で
白秋の選手がこれまでより中央に寄ってきた事に気づきました。
中央を圧倒的な存在感で支配していた峨王が
栗田君に互角とは言え抑えられてきた事。
そしてセナ君と石丸君のランで2プレイ連続で中央を突破した為に、
峨王以外の選手が中央への注意を払わなければならなくなってきたのです。

今まではRBとしてボールを持たされたあとは、
走路を見つける事に力を注げばよかったセナ君。
しかしQBとしてプレイする事によって、
フィールド全体の流れを見る必要が出てきた為、
このディフェンスの細かな動きに気づけたようです。

2回の中央突破によってライン5人の外側(オープン)の
選手の密度が薄くなったのに気づいたセナ君。
そこへ自らの脚を使って走りこもうとしました。
しかしマルコが対応に来た為にボールをすっぽ投げてしまいましたが、
これがディフェンスの頭を越えてモン太へのパスとなり成功。
セナ君はヒル魔さんの真似事ではなく、
自分ならではのクォーターバッキングを模索し始めたようです

QBというのはオフェンスの頭脳とも言えるポジション。
身体的な面では、パスのコントロール・飛距離、
ハンドオフとそのフェイク、そして稀にブロック。
頭脳的な面では、瞬時の状況判断によるパスの投げ分け、
ディフェンスの配置から相手の動きを読み取る能力などなど……
アメフトの中でも最も多様な能力を要求されるポジションなのです。

中を攻めれば外が空く、
外を走れば (= QBが動けば)、パス(のターゲットが)が空く
セナ君はQBでのプレイを通じて、
アメフトの戦術の深さを理解し始めたようです。

セナ君のパス自体はヘッポコなのですが、
セナ君自身のランの脅威があるために
白秋ディフェンスはパスに集中できない……
こうなればオフェンスは幅広い戦術を展開できるようになります。

QBには幾つかのタイプがありますが、
王城のQB高見さんは典型的なポケットパサー。
ラインが作る壁(ポケット)の中にとどまり
ターゲットを探してパスを投げるQBです。
対して泥門のQBヒル魔さんはモバイルQB(動けるQB)、
動いてプレッシャーをかわしつつパスを決めるQBです。
しかし動けはしますがランの脅威があるわけではありません。
そして高見さんがセナ君を評した言葉が「走れるQB」。
「動ける」のではなくRB並に「走れる」QBです。
このようなQBは怪我をしやすいのですが、
NFLでもこのような選手は数年ごとに現れます。
現在ではテネシー・タイタンズのQBヴィンス・ヤングが筆頭。
196cm 105kgという大きな体を持ちながらも、
凄いスピードでディフェンスの合間をRBのように駆け抜けます。
このような走れるQBはパス能力に関しては劣る事が多いのですが、
走力がそれを補って余りある武器となるのです。

栗田君に続いてセナ君も目覚めを見せた泥門オフェンス、
QBセナ君からWRモン太へのTDパスが決まり反撃を開始しました。
オフェンスに関しては形が見えてきた泥門、
あとはディフェンスでの対策を立てる必要があります。
どのような形で白秋オフェンスを追い詰めるのでしょうか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ヒル魔さんの離脱と、それに伴う栗田君の士気低下で
泥門は押されっ放しの状況。
しかしこの厳しい状況の中でセナ君は、
峨王とまともにやりあう正面突破のプレイを提案してきました。
ヒル魔さんのような無茶苦茶な提案を
自信満々に言い放った……と思いきや、十文字君が褒めたのに
すぐに気持ちが揺らぐセナ君が可愛いすぎ。
それでもヒル魔さんの言葉「だからこそ行く」を使って
皆を説得したシーンはかっこ良かった。
でも、直後に決を取っちゃうこの自信の無さが
成長したとは言ってもやっぱりセナ君って感じがします。

それでも仲間を信じて提案したセナ君に対し、
皆も信頼で応えるシーンから、
泥門の選手間にある絆の強さが感じられます。

泥門の選手たちがプレイ開始のために
マルコは泥門の選手たちに違和感を覚えているようでしたが……
セナ君と小結君を中心としたダイブプレイがスタート。
2人は覚悟を決めて峨王へと突っ込んでいきました。

心が折れかかっていた栗田君でしたが、
ここでようやく目覚めてくれました。
このままでは峨王へ突っ込む2人を同時に守れないと悟った栗田君は、
峨王を倒そうとする攻撃的なブロックで2人を守ろうとしました。

峨王の思想は面白いなぁ。
相手に合わせて自分の力を手加減するという事は勝負の世界では非常識的。
ですから自分の力をフルに出し切れるように
相手を挑発するかのように圧倒的な力を見せ付ける。
相手が心折れてしまえば勝敗は決したも同然ですし、
発奮するような相手であれば峨王が全力でぶつかり合えるのですから、
防具をつけているが故に地上で最も激しいぶつかりあいが
行われると言われるアメフトを
峨王がやっている事の理由付けにも繋がっているのかも。

ヒル魔さんという大きな犠牲を払ったものの
ようやく精神的な問題を乗り越えた栗田君。
これまではただ守る為の壁役でしかなかったのですが、
今回は峨王と互角に渡り合うブロックを見せました。
栗田君が峨王へと向かっていったのを見たセナ君は、
その脇を駆け抜けてバックフィールドへと飛び出しました。
大差をつけられていた泥門ですが、反撃開始となるでしょうか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
ヒル魔さんを失った大ピンチに陥っている泥門ですが、
自ら志願したセナ君をQBに据えて試合を続行。
覚悟を決めたセナ君が始めてのスナップを受け取ろうとしましたが……
いきなりボールをファンブルしてしまいました。
栗田君とセナ君のエクスチェンジは初めてですから
失敗してしまうのは仕方ないかもしれません。

CのスナップをQBが受け取るエクスチェンジ、
RBにボールを渡すハンドオフと、そのフリ。
さらにパスそのものの正確性に加えて、
ディフェンスの動きを読む能力などなど、
QBには多くの能力と瞬時の判断力が要求されます。
NFLの選手ぐらいになれば、学生時代にQBを経験したRBやWRなども
多いと思われますので、意外と器用にこなしますが、
RBしかやった事のないセナ君にはかなり厳しいかも。

しかもこれは本番の試合中。
セナ君は慌ててボールを拾いましたが、
その間に栗田君が峨王の突破を許してしまいました。
峨王に襲い掛かられそうになったセナ君でしたが、
小結君が峨王から守ってくれました。
このブロックで時間を稼いでくれたおかげで
セナ君は何とかサイドラインへと逃げましたが……
気落ちした栗田君にはパワフル語すら通じていない模様。

その後も栗田君は峨王にやられ続け、点差をどんどんと広げられる事に。
得点を奪って得点差を詰めたいところですが、
急造QBのセナ君はパスを投げようにも峨王の圧力でパスを投げられず。
さらにパスを投げたとしてもディフェンスラインに
ディフレクト(逸らされる)されてしまい全然決まりません。

セナ君はヒル魔さんのように背が高くありません。
ショーグン & どぶろくのコンビの回想でもありましたが、
背の低いQBの投げるパスはディフェンスラインにディフレクトされ易いので、
背の高さだけでも大きなハンデとなってしまっています。

背の低いQBは不利なのですし、QB経験が無いのですから
セナ君はパスを投げるべきではないかもしれませんが、
でも投げるプレイを見せておかないとランしかないと悟られた瞬間
何も出来なくなる可能性がありますからね……難しいところです。


栗田君の代わりに峨王とやり合っていた小結君は、
潰されてはいないものの満身創痍状態。
ここでセナ君が峨王へ突っ込むというとんでもない提案を示しました。
デビルバットダイブという奥の手となるプレイをこの場面で使う……
ヒル魔さんに倣って考えた末に出した策のようですが、
この試みが成功し反撃の糸口を掴みたい所です。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
如月の自爆覚悟の動きによって、ヒル魔さんは峨王に倒され
右腕を折られてしまいました。
倒されたヒル魔さんと如月は自ら起き上がる事が出来ず、
担架で運ばれるという厳しい状況。
栗田は激しく叫び、他のメンバーは自失という感じ。
これまでチームの頭脳を担当し、
リーダーとして引っ張っていたQBヒル魔の喪失は
チームとしての機能をも失わせかねません。

転がっているヒル魔さんのヘルメットがその絶望感を煽っていましたが、
ここでマルコが棄権するか否かという質問を投げかけてきました。
嫌らしいタイミング……さすがマルコという感じでしょうか。

セナ君はヒル魔さんの負傷を悔しがり涙を流していました。
セナ君の優しさ、そしてヒル魔さんへの尊敬の念が感じられる良い表情です。
ヒル魔さんを守れなかった栗田君は、
崩れたまま泣いていましたが、そこへヒル魔の蹴り一閃……
運ばれるヒル魔さんにかける十文字の台詞もカッコ良い、
分かっていた事ですがすっかりチームの一員という感じです。

泥門は代役QB選びを始めましたが、
夏彦さんは身体能力的には問題なくても頭脳の点で却下。
モン太はノーコンの時点で却下ですが、頭脳も……。
雪光さんは頭脳の点ではOKでも、身体能力&スタミナを考えると
これから1試合通じては難しい。
消去法で行くと石丸さんが浮かび上がるのですが、
これはヒル魔さんがまもりさんに渡し
破られた指示書にも書かれていたようです。
確かに、そこそこの運動センスはありそうですから
出来そうな気もしますが……助っ人だからルールの面で不安があるのか。
見かねてムサシがやろうとしましたが、
ここでセナ君が案を示し、その案で決まったようです。
その案とは……試合を諦めずにポジションについた泥門の選手たち。
QBの位置に居たのはセナ君でした。
確かにセナ君なら峨王のラッシュも素早さでかわす事が出来ます。
セナ君がパスを投げられるかは分かりませんが、
短いパスやQBドロー、そしてオプションなどを使えば
戦略の幅は狭まりますが何とか形は作れるはず。


先発QBが怪我で退いた後には2番手QBが登板しますが、
大抵の場合は先発QBほどの活躍が出来ず、
チーム状態は下向きになってしまいます。
しかしNFLでは、2番手QBが思わぬ力を発揮し
そのまま快進撃を続けるシンデレラストーリーがごく稀に見られます。
中でも1999年シーズン、STL(現ARI)のQBカート・ワーナーの物語、
そして2001年シーズン、NEのQBトム・ブレイディの物語は
シンデレラストーリーと呼ぶに相応しい奇跡的な物語です。
ワーナーは、スーパーで時給5ドルのアルバイトをしながら
アリーナフットボール、NFLヨーロッパで経験を積んでいました。
そんな下積みを経てようやっとNFLのチームと契約。
シーズン開始前に先発QBの負傷した為に出場のチャンスを掴むと、
なんとシーズンMVPの活躍でチームをスーパーボウルへ導き
そのまま一気に頂点まで登りつめました。
スーパーボウルを制覇した直後、これまで彼を支えていた
妻の元へと駆け寄り抱擁をかわしたシーンは
ドラマのクライマックスとしては最高のシーンでした。
ブレイディは、メンバー表にも辛うじて載っている状態から
シーズンインの頃には2番手まで昇格。
2試合目で先発QBが怪我した為に先発のチャンスを得ると、
その後11勝3敗という素晴らしい成績でプレーオフ進出。
プレーオフも劇的な戦いを続けて勝ち抜くと
STL(QBは上のワーナー)とのスーパーボウルでは
ブックメイカーが付けた14点差の不利を覆し
スーパーボウル制覇を達成してしまいました。

この2人のようなドラマを期待せざるを得ないセナ君のQBとしての登板。
まもりさんもセナ君の成長を喜んでいるようですし、
今回はセナを止める事はありませんでした。
そしてまもりさんからその事を聞かされたヒル魔さんの笑みは、
見初めた男の成長を喜んでいるように感じられました。

セナ君をQBに据え、背水の陣で臨む泥門。
戦況はより厳しくなっていますが、打開のきっかけとなるでしょうか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
白秋がヒル魔に放った刺客は如月でした。

今回のプレイはパスを中心に守るCBをQBへと突っ込ませるCBブリッツ。
メリットとしては……基本的にCBはQBから離れた位置に
セットしている事が多いので、オフェンス側としては
ブロックの割り当てが難しくなります。
遠くに居る突っ込んでくるかも分からない選手に
必ず1人を対応させるのは無駄になる可能性が大きいという事です。
しかしながら、レシーバーを守る選手が1人減ってしまう事や
そして遠い位置からのブリッツが多いために
QBの元まで届かない可能性がありますから、
CBブリッツはハイリスクハイリターンな戦術と言えます。

しかも今回突っ込んだ如月はモン太を相手にしていましたから、
相手のエースレシーバーを短い時間ですがフリーにするという
非常にギャンブル性の高い手に打って出たのです。
如月はヒル魔さんの腕を狙ってきましたが、
これはQBに対してブリッツを仕掛ける際の常套手段。
腕を叩けばパスのコントロールを乱せる可能性もありますし、
ボールをファンブルさせる可能性も生まれます。

しかしヒル魔さんはその如月の動きを読みきり、
後に下がりながらセナ君にアイコンタクトで合図を送りました。

アイコンタクトでプレイを変える事も実際にもたまに見られます。
良くあるのがWRの前のCBが距離を開けすぎていた時に、
QBとWRの2人以外はランプレイの動きをしているのに
2人だけがパスプレイをしているというプレイ。
予めランプレイだと決められていたとしても、
QBが独断でアイコンタクトを合図に
プレイ開始直後にパスを投げ込むのです。

しかしここで如月は方向転換、栗田君へと向かっていきました。
オフェンス側が良く行うトラップブロックのような形で
栗田君を真横から押して峨王の走路を作ろうとしたようです。
ここでは容易く如月君を弾き飛ばした栗田君でしたが、
如月君は自らの体をも犠牲にするつもりでした。
如月君によって栗田君に一瞬の隙が作られ
そこへ如月君ごと吹っ飛ばした峨王が突っ込んできました。
肉を切らせて骨を断つ、こんな動きはヒル魔さんでも
予想していなかったらしく、峨王のヒットをモロに喰らってしまいました。

峨王の一撃を喰らったヒル魔さんは激しい衝撃の影響か記憶が混濁、
倒された直後は痛みも感じていませんでしたが、
次第に感覚が戻り右腕がやられた事に気づいたヒル魔さんの表情が……。

怪我しながらもプレイを続けるアメフト選手も多いですが
現在進行形の事象では、ARIのQBワーナーが
左肘の靭帯を切りながらもギプスを巻いたままプレイを続けています。
他にも骨折したので腕をぐるぐる巻きにしたまま
プレイしているディフェンスの選手が何人か見られます。
ドクターやトレーナーが適切な処置を出来る
NFLならではの光景なのかもしれませんが、
怪我をしながらもパフォーマンスを落とさず活躍する選手も多く
プロ根性という単純な言葉では括れない凄さを感じます。

上で挙げたQBワーナーは、左腕が使えない影響で
ハンドオフ(ボールの手渡し)が上手く行えず、
左腕でボールを渡す右サイドのランプレイが
ほとんど使えない状況となっています。
(たまに無理やり右手で渡していますが)
しかし今回ヒル魔さんが折られたのは右腕……
パスを投げる大事な利き腕です。
ハンドオフについても制限されますが、
通常ならパスは投げる事すらままならない状態です。

ヒル魔さんだけでなく泥門のメンバー全員が絶望的な表情に。
フィールド上の司令塔でもあり
精神的な柱であるヒル魔さんを壊された泥門に
反撃する力を生み出す事が出来るでしょうか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
マルコがセナ君からボールを奪い取ると
そのままエンドゾーンまで運び込みファンブルリターンTD。
これで16-7と白秋がリードを広げました。
ただでさえトライ・フォーで得点差が離される展開なのに
ここで1回攻撃権を飛ばされたのと同じになる
ターンオーバーを喰らってしまったのは痛すぎます。

マルコの思惑通りに強さを実感して呆然としているセナ君……
白秋の強さを表すためだけに出てきたSIC地区の
他校の生徒達ですが、激戦区ってキャラの濃さ激戦区か。
実際にはSIC(埼玉・茨城・千葉)の3県をあわせても
東京の半数ほどのチーム数しかないのですけどね。

リードを広げられた泥門はヒル魔さんが早速次の手を打ってきました。
雪光さんを投入し、セナ君もレシーバーとして使い
4人を一気にマルコの守備担当ゾーンに走りこませました。

王城戦の準備段階の時に、ゾーンディフェンスについて
分担場所を色分けして視覚的に説明していましたが
今の主流は10ヤード以上の距離の場所に
ディフェンスを2人だけ置く「カバー2」ディフェンス。
このカバー2ディフェンスの弱点は後ろ2人のど真ん中にある
シーム(縫い目)と呼ばれるゾーンの切れ目の部分です。
しかし力ずくでこの「カバー2」を破るのが
レシーバーをたくさん奥のゾーンに放り込む事。
後ろのカバーは2人しか居ないのですから、
アンダーニース(10ヤード以内)にいるディフェンス選手が
追いかけながら守備をしなければならなくなります。
そうなるとマークがしきれなくなるなど、
ディフェンスに綻びを生じさせる事が出来るのです。
もちろん欠点もあって、レシーバーが長い距離を走りますから
QBにある程度の時間を与えなければなりません。
もしラインがブロックをミスすれば、
QBはパスを投げる相手が見つけられずに投げ捨てざるを得なくなります。

4人を奥のゾーンに走りこませてヒル魔さんは-パスを……
と思ったら、自ら持って走っていました。
QBドローは説明に有る通り、パスのフリをしてQBがボールを持ち
そのまま走るプレイですが、ロングパスを投げるフリをする事によって
ディフェンスの選手の意識を後方へ持っていかせる事が出来るので
このような状況ではヒル魔さんの前はがら空きになり易くなります。
しかし今回はマルコがフィールドに居た為、
すぐさま前へと回りこまれてしまいました。
ヒル魔さんがわざと作った隙に乗じたマルコは
ボールを奪取しましたが……ヒル魔さんはボールを取られる前に
足をフィールド外に出してプレイを終了させていました。

「狡い」というのがバッチリ当てはまるヒル魔さんの動き、
試合に勝つために無駄な行動をしないというあたりが
ヒル魔さんらしい思考だと思いますね。

ここでヒル魔さんは、如月とマルコの脅威を減らす為に
プレイスタイルを変えてきました。
短い距離の前進を積み重ねるのは、105th downで触れた
ウェストコーストオフェンス(WCO)の形。
WCOでは、1つ1つのプレイは前進距離が小さい為に
リスクはとても小さくなります。
しかし「前進距離が少ない = プレイ数が多くなる」となるので
ミスを続けてしまうとすぐに破綻しかねません。
その代わり攻撃が続けられれば時間を大量に使うこととなりますし、
相手ディフェンスの疲労を溜めさせる事が出来ます。

ボールを奪われないようにする為に、
短い距離の積み重ねを始めた泥門オフェンス。
RBセナ君へのヒッチパスプレイ、
豊富なレシーバー陣を使ってのショートパスで、
徐々にですが確実に進んでいきます。

ここでマルコは泥門の雰囲気が戻った事を悟り、
次のプレイで仕掛けを打つことを決定。
仕掛ける相手は……ヒル魔さん。
ヒル魔さんに迫る人影は誰なのか。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
白秋の選手がヒル魔さんへと向かった事で
ヒル魔がセナ君にボールをパス。
泥門側が数的優位になった所で、
ボールを持ったセナ君が一気に前進を始めました。
数的優位になった事が良く分かるのが俯瞰の絵、
白秋の選手が2人持ち場を離れた為に
セナ君+ラインの1人がフリーになっているのが分かります。

こうなればセナ君がエンドゾーンまで独走出来るはず……
と思いきや、セナ君ビジョンの矢印が途中で断絶していました。
工事中の看板まで立っているし……

泥門がロンリーセンターをしている事で、
白秋は通常2人置けるセーフティが1人しか置けていません。
(今回は如月がモン太のマークについているので
 セーフティはマルコが担当)
マルコはセナ君を止めるのに如月君を頼ろうとしましたが、
その如月君はモン太をマーク中、
しかもブロックを受けちゃっていました。
結局マルコが、ポジションの名前の通り
最後の防波堤役としてセナ君の止めるべくやってきました。

セナ対マルコ、セナが抜けばTD確定のこの状況。
直前にセナ君にあっさり抜かれた堤下君とは違い
マルコはステップに惑わされる事無く、待ち構えていました。

ディフェンスの選手はボールキャリアと正対していないと、
急激な方向転換に対応できずにバランスを崩してしまいかねません。
そこで相手のあらゆる動きに対応する為に、
ボールを持つ選手と肩を平行に保って待ち構える事が求められます。
しかしボールキャリアも、様々な動きで相手のバランスを
崩しにかかりますから、実際にはこれが意外と難しいのですね。

でも、マルコさんは冷静に肩を平行に保ち続け
さらに視線の先はセナ君の走りには向いていませんでした。
そこへモン太のブロックを振り切った如月が登場するも、
セナ君は如月の突っ込みをデビルスタンガンでいなします。
残りはマルコ1人となりましたが、セナ君の覚えていた違和感は
最後に待ち構えていたマルコによるものでした。
マルコの圧力に不安感を覚えながらも、
セナ君はデビルバットハリケーンでマルコを抜きにかかります。
マルコはあっさり抜かれたかのように見えましたが……
セナ君とすれ違う際にボールを奪い取っていました。

今回マルコが使ったテクニックはストリッピング。
204th downの感想で名前だけは出していましたが、
どんなテクニックか説明します。
「ストリップ(strip) = 覆いを取る、剥ぐ」
という訳からも分かりますが、相手の持つボールを剥ぎ取る事です。
隙間などに手を差し込み、手を引きながらボールを手放させます。
このストリッピングはボールを狙いますから、
下手をすると相手を止める事すらまったく出来ない事もあります。
ですので右手で体を抑えながら、左手でストリッピングをするなど
相手を止めながら同時に行っているのが見られます。
あとボールキャリアに複数選手が群がった時には、
体を抑える選手、ストリッピングやパンチングをする選手と
役割を分担している場合も有ります。
あと偶発的に、ブロッカーに倒されてしまった選手が、
倒されながらもボールキャリアに手を伸ばした結果
ストリッピングになってしまう事もあります。
思わぬ所から手が伸びてくると、
選手も対応しきれずにボールを剥ぎ取られてしまうのですよ。

マルコは腕の力に回転力まで加え、
セナ君からボールを剥ぎ取っていたのです。
そしてマルコはそのままエンドゾーンまで一気にリターン、
16-7と泥門が逆転どころか点差を広げられてしまいました。

止めるのではなく奪い取る……
止めるだけなら攻撃権は変わりませんが、
奪われてしまうとその場で攻撃権がチェンジしますから
攻撃側のダメージはかなりの物となります。

ディフェンスで力を見せ付けたマルコですが、
まだオフェンスでの力が未知数なのですよね。
まだまだ白秋の底は見えないです。
白秋ダイナソーズvs.泥門デビルバッツ
モン太を止める為に白秋は如月ヒロミをぶつけてきました。
マルコと如月君のやり取りから、如月君のポジションが判明。
基本的にはセーフティでプレイしているようですが、
このプレイではコーナーバックに回ったようです。
代わりにマルコがセーフティに回ったのかな?

泥門2回目の攻撃がいよいよスタート。
この攻撃でもいきなりモン太へのロングパスを狙ってきました。
如月に不気味な感覚を覚えていたモン太でしたが、
一休、桜庭との戦いで鍛えられ切れを増したカットバックで
如月を置き去りにし、見事にボールをキャッチ……
しかしここで如月の手が伸びてきてボールを叩かれてしまいました。
如月は腕をモン太の腕に絡めてきましたが、
その腕を利用してボールを挟み込む力を低下させた上で
ボールを叩いてキャッチを防いだようです。

力というのはその力が加わる方向に対して
垂直な力には影響を与えられないので、
両手で挟み込むという1方向にしか力が加わらない状態では、
その挟み込む方向と垂直な力に対してはとても弱くなります。
逆に抱え込むようにボールを持ってしまえば、
垂直な方向が限られますからボールの安定感が増します。
ですからキャッチ直後の挟み込んでいる所で、
抱え込まれないようしながら垂直に力を与えるのは
理に適ったボールの弾き方といえます。


パスキャッチの成立条件は216th downでも書きましたが
・レシーバーがボールを確保
・レシーバーの体の一部がフィールドに付く
以上の2つの条件が必要となります。
今回のプレイでは確保をしていた時点では
体の一部がフィールドについてはおらず、
また体がフィールドに触れた時には
既にボールの確保は失われていましたからパス失敗となります。

如月君の芸術的なパスディフェンス「プテラクロー」で
パス失敗となった泥門。
続いての攻撃では、モン太が如月の存在を
気にしてしまっていました。
そこでヒル魔さんがパスを投げあぐねていると見た
白秋のディフェンスはヒル魔さんに向かって突っ込みましたが……
この動きはヒル魔さんの思う壺、
ロンリーセンターのもう1つの狙いがここで出てきました。

ロンリーセンターはオフェンスにとって危険度が高いプレイですが、
ディフェンスも意外と守りにくい隊形なのです。
その理由は253th downでも書きましたが、
人数的なバランスが崩れる可能性があるからです。

繰り返しになりますが、通常のプレイでは
オフェンスライン5人+QBの計6人に対して
ディフェンスは4人でプレッシャーを与えます。
この事によって、ライン戦以外の部分で
ディフェンスは2人の数的優位に立てるのです。
しかしこのディフェンスの数的優位を持ってしても、
オフェンス側が多少有利な状況になっています。
ロンリーセンターに対して1人しかラッシュ出来ないのは
数的な状況がすでにディフェンス不利となっているからです。

では今回のように峨王に加えて2人がラッシュしてしまうと……
オフェンスはセンター+QBの2人に対し、
ディフェンス側のラッシュは3人ですから
この時点でオフェンス側が数的有利となります。
今回のように真横のパスが決まった場合には、
オフェンスの選手ぶブロックが完璧に決まれば
ボールを持った選手はフリーな状態となります。

泥門がロンリーセンターを使った狙いの1つはこれでして、
2人がラッシュしてきたのを見たヒル魔さんは、
すかさずセナ君へとボールを投げ渡しました。
数的優位な状況でボールを受けたセナ君。
どこまでボールを前進させる事が出来るか?
 
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